8/20 ショータイム再び おねだりして☆
視点は総督
「うわー。絶句してる。絶句してる」
あんまりな条件に固まっている孫を見てると笑えてくるな。
「アレで、罰ゲームになるの?」
末息子が不思議そうに見上げてくる。
「公開おねだりは罰ゲームだろ。片づけするから五番は北探して来い」
「ねぇ、とーさん、ママも一緒?」
「アレはモールでショッピング中だと思うぞ? 一緒にホテル来るか?」
「うん!」
駆け出す末っ子を見送る。
ノワールはまだ絶句中。
対するは楽しげなカラスマント。
あのカラス、意外と切り替えがはやいな。
「果穂先生、お手数をかけてしまって。せめて日記ネタになってるといいんですがねぇ」
「なってると思いますよー」
やー眼福だなぁ。
「まあ、冒頭付近の一大告白には驚きましたねぇ」
「ほんとにー」
ノリの良い若い奥さんはいいねぇ。
戻ってきた旦那さんのそばにするりと行ってしまうのは寂しいが仕方ないか。
確かうろな北小の先生をしているのは旦那さんの方か。
「今日はいきなりのことに協力いただいてありがとうございました。それと、孫と息子がお世話になっております。あの子達はうまくやっていけているでしょうか?」
「最初で少し躓きはありましたが、仲良くできているようですよ」
しばし、教師と保護者としての会話。
二人ともそれなりにそつなく過しているようでひとまず安心する。
「まーだーかなー」
茶化すようなカラスの声が聞こえてくる。
「千秋先輩と仲直り。とか?」
「残念。そっちは仲直り済みなので他いってみよー!」
「ええ?!」
「つーか、俺ネタでおねだりとかねーだろ」
カラスが苦笑している。
「じゃあ」
「おう」
「ビーチ内で、」
「うんうん」
んー? こっち見たか?
「総督によるナンパの阻止をお願いします」
!?
「こら! 矛先をこっちに振るんじゃない! あと人の楽しみをなんだと思ってる」
「否定しねぇのかよ」
少々呆れの含まれるカラスの声。
妙に周囲の注目を集めた気がする。
この分じゃ一夜のアバンチュールは望めんかぁー。
だがな、
「若く美しいタイプの女性と楽しい時間を過すのは正義だ」
「それが妻帯者でなければ構わないと思いますけど」
ノワールが冷たく言い放つ。
こういう恋愛に関して味方はいないからなぁ。
「そのおねだり受けとったぁ」
えー。
ビーチではコレ(カラス)に邪魔されるのかー?
面倒だぞ。孫よ。
小林夫妻お借りしておりましたー。




