Ⅰ:傲慢は時に、怠惰となる
「あー……暇だ……」
天使は、火山の火口に寝転びながら言った。
「他の属性の天使は、どんなことして過ごしてるのかのう……」
天使は目を瞑った。
すると、目の前に土の天使が祈祷をしている姿が浮かんだ。
「ふーん……。あいつはいつも通り祈祷か……。あんなに願って何が楽しんじゃろうか……」
天使は、もう一回目を瞑った。
次は、光の天使の姿が浮かんだ。
光の天使は、洞窟の中でなぜか縮こまっていた。
「はっ!あいつは、いつも通り陰気臭いのう。光属性のはずなのに……」
天使は少しにやけながら言った。
天使は他の属性の姿も見た。
水は、魚たちと優雅に泳いでおり、闇はケルベロスの召使となっていた。
「ふーん……。天使と呼ばれてるのに全員陰気臭いのう……」
「そういうあなたは、陰気臭くないのですか?」
突然、上空から声をかけられた。
「ん……?おお!マリネファスか!気づかなかったぞ!」
「はあ……。何か趣味でも作ったらどうです?エリファリア……?」
「趣味ぃ?妾には趣味はいらん。どうせ燃え尽きてしまうからのう……」
天使はそう言いながら考え込んだ。
「あ……せめて言うなら……。溶岩の上で寝ることかのう?」
「はぁ……。さすが、炎の天使ですね……」
魔力の天使は皮肉っぽく言った。
「んで?魔力の天使様が妾になんのようじゃ?」
「天使会合ですよ!今日!まさか……お忘れじゃないですよね?」
「ああ……あのめんどくさい行事のことか……。すっかり忘れてたのう」
天使会合……
妾は苦手じゃ。
なんせ、全属性の天使が集まって、この世界の魔法をどうするかとか決めるのじゃが……。
妾は魔法にはさほど興味がないし……。
しかも、全員陰気臭いから居心地が悪いし……
「エリファリア……。前回の天使会合のこと、お忘れではないですよね……?」
魔力の天使は、少し怒りながら言った。
「ん……?何かあったかのう?」
「あなたが、闇の天使レフィリファ様に喧嘩を売ったことです!あれのせいで、大陸一つ滅んだんですからね!今回はそんなことがないようにしてください!!!」
魔力の天使が声を荒げながら言った。
「ああ……。でもあれは、あやつが悪いぞ!妾たちより存在が下の五獣に対して、ぺこぺこしてたから腹が立ったんじゃ!」
「もうどうでもいいじゃないですか!それで私たちの地位がなくなるわけでもないし……!」
「はあ……。お前は五属性の天使じゃないから、わからんかもしれんが……。妾たちには威厳というのがあるのじゃよ」
炎の天使は少し低い声で言った。
「そりゃあ、私は……所詮魔力しか操れないから、威厳とかは分かりませんけど……」
魔力の天使が少し泣きそうに言った。
「とにかく!ちゃんといつもの場所に来てくださいね!」
魔力の天使はそう言って、羽ばたこうとした。
「あ!ちょっと待ってくれ!マリネファス、手合わせしないか?」
「嫌です!!!」
魔力の天使は、逃げるように羽ばたいて行った。
「むう……。はあ……。しょうがないか、行くか……。天使会合……」
炎の天使はそう言って、体を起こした。




