第四十三話 地球、日本へ
誤字報告ありがとうございます!
縲ゅ≠ュユョ。フゥジィの体内世界。ヱヲ繧ソ繝シ繝ウヷヸヹヺ。
前回のあらすじ。
前に飛ばされた異界での恩人ヒロア君と合流した僕。そしてこの世界の主とも言えるフゥジィさんを見つけた。
「送った方からすれば謎の異次元、その実態はフゥジィの体内ってわけか」
「異なる次元を知った文明が必ず通る道ねぇ。核廃棄物を送り込んでくるなんて可愛らしいほうねぇ。物騒な生体兵器や暴走した戦闘機械もあったわぁ」
ヒロア君と僕は思わず顔を見合わせた。
まるでゴミな埋立地───夢の島みたいだ。
「色々な文明の情報が得られるから面白いけどねぇ。君たちの……」
そう言ってフゥジィさんは僕と河野を指し示した。
「地球と呼ぶ惑星の過去はそこそこ面白いことあったけどぉ、今はありふれたものになっているわね」
ありふれているだって?!
「い、異次元から侵略を受けて大変なことになっているのに?」
僕は思わず聞き返すと、フゥジィさんはすごく真面目な顔で淡々と教えてくれた。
「滅ぼすか、滅びるか。それは普通のことよぉ? 生物が種の繁栄をかけて争うのは」
「───」
僕は何も言えなかった。北尾や黒薔薇、白薔薇達は僕ら人類を滅ぼして取って代わろうとしている。
僕らにとってあいつらは敵であり悪だけど、フゥジィさんみたいな存在からすれば───ミツバチの巣箱を襲うスズメバチを観察しているようなものだろうか。
「フゥジィ、この二人を元いた場所へ返してくれるのか?」
「いいわよぉ? 代償は何かしら?」
「チッ、ツケはきかねぇか」
「ふふふ。冗談よ。私は対価を求めるような低位存在じゃないわよぅ」
さっきからフゥジィさんはずっと真顔。どう見ても冗談を言ってるようには見えなくて、僕は気持ち悪いなと思った。
「目的は果たせたな。河野さん、霧丘君、これからものすごく大変だろうと思うけど……負けるなよ?」
ヒロア君が振り向いて僕と河野を励ましてくれた。
「う、うん」
「任せてください。私たちは勝ちます」
こんな時に河野は頼もしい。僕はいくらかでも力になれるのだろうか……。
でもフゥジィさんの言った通り、これは種の存続をかけた戦い、その中で何もせず見ているだけなんて絶対嫌だ。
「ふぅん。君たちを呼ぼうとする念の流れが来てるわねぇ。じゃあねぇ」
「霧丘君、河野さん、さよならだ!」
「ヒロア君! フゥジィさん! ありがとう!」
エレベーターに乗った時、浮いたり落ちたりする感覚が四方八方へ広がるようになったかと思うと、見えている景色が変わる。
すごく見慣れた我が家の前に立っていた。空を見上げる。
黒い太陽はどこにも見当たらない。消えたのだろうか。
見慣れた、太陽系の中心である太陽が堂々と輝いている。
もう昼のようだけど、通る車も人も見えない───不自然なほど静まり返っている。
「か、帰ってこれた……」
「霧丘君、気分は大丈夫?」
河野に顔を覗き込まれる、あの世界で抱きしめた記憶が蘇って恥ずかしい気持ちが噴き出してきた。
「だっ、大丈夫!」
「うん、そうみたい」
「あっ! 母さん!」
僕は慌てて家の中へ飛び込んだけど、母親の姿はどこになかった。買い出しにいったのかな?
「霧丘君、私は黒瀬さん達のところへ行かなきゃならないの」
後ろから河野に声をかけられ、僕は慌てて振り向く。
「確か……敵の本拠地で」
「うん、急がないと」
「それってどこなんだ?」
「富士山の地下深くだよ、あっ! 言っていいのかな……」
「も、もう今更だろう、くくく」
機密事項をうっかり漏らす河野らしいドジに笑ってしまう。
「そうだよね。霧丘君はもう部外者じゃなくなったもんね」
「え? あ、ああ、そうか」
「霧丘さんっ!」
「わっ、お、王戸さん?!」
一緒に街の人々を浄化(?)して回った時、僕の護衛をしてくれたイタチ女子、王戸めぐみさんだ。
「河野さんも! 無事だったんですね!」
「はい! 裸の女の人に帰してもらいました」
「裸?」
「こ、河野! 王戸さん、神様みたいな人のことだよ」
「神様みたいな?」
「うん。ヒロア君は邪神って呼んでた」
「邪神?! ヒロア君?」
僕は今までのことを王戸さんに説明する、簡単にね。
王戸さんは僕の話をそのつぶらな瞳をクリクリさせながら聞いてくれた。
歳上の人に対しては良くないけど可愛らしいと思ってしまう。
「そんなことが……。とりあえず瑛子さんのところへ行って、お二人の無事な姿を見てもらいましょう」




