第三十九話 街のようなもの
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前回のあらすじ。空に“黒い太陽”が出現し、僕は誰かに気絶させられた。
気がついたら見知らぬ僕は街中に立っていた。
ここはどこだろう?
ぼんやりと明るいけど、空を見上げても太陽はどこにも見えない。
僕はここは地球じゃないと確信する。夜でもないのに太陽が見えないなんてあるもんか。
でも見渡す限りでは普通の街に見える。
アスファルト舗装の道がまっすぐに伸びて、横断歩道があって信号機がある。
両側には雑居ビルや住宅、喫茶店が立ち並んでいるけれど……無人だ。
ここへ来る直前、耳元で「ごめんなさい。せめてあの子の元へ」と囁いた声に聞き覚えがある。
多分瑛子さん。
黒瀬君の妹だ。
そして土地神様。
彼女の力でここへ送られたんだろうけど……。
“あの子”は河野を指すと思う。
どこかに河野がいるんだろう。
じゃあ、河野を探さなきゃ。
でもどこを?
道は真っ直ぐに伸びている。ずっと。
こんなに長く直線が続く道なんて北海道以外にあるんだろうか?
「おーい!」
取り敢えず叫んでみる。
何の反応もない。
「誰かいませんかー!」
返事はない。
ふと一台の自転車が目に止まる。近寄ってみたら鍵がない。
「自転車、借りますねー!」
そう言いつつハンドルを握ったところ、ビクとも動かない。
「あれ?」
スタンドを跳ね上げようと足をかけても同じく動かない。
「何だこれ」
試しにペダルに片足を乗せ、全体重をかけて回そうとしたけれど、同じことだった。
ハンドルの付け根に薄っすらと浮いてるサビ、チェーンに付いている油、少しくたびれたサドル、どこからどう見てもその辺にある普通の自転車なのに、彫刻か何かみたいに固まってる。
これは自転車の形をした何かだ。
「変なの」
気を取り直して歩いていくことにする。
高いところから、この街がどうなっているか確かめようとして、目の前のパン屋へ向かう。
五階建ての雑居ビルだから、屋上まで行けば遠くまで見えるはず。
自転車のこともあるので嫌な予感を覚えつつ、パン屋のドアを開けようとした。
案の定ビクともしない。
店内のショーケースには色んなパンが並べられ、蛍光灯が明々と灯っていて、普通のパン屋にしか見えないのに、だ。
「これならどうだ」
思い切ってパン屋のドアガラスに肘打ちをしてみる。
「痛っ!」
僕の肘はまるで石にぶつかったような痛みを訴えた。
「痛たた……。何なんだ、ここは!」
僕は悪態をつきながら、あてもなく歩き始める。とにかく河野を見つけなきゃ。
「河野ー!! いたら返事してくれー!」
精一杯の大声を出してみた。返事はない。
待てよ。
ここに危険な敵がいないとは限らないじゃないか。
えっと、何か武器になりそうなものは……あ、そうか、ここにある物は何一つ動かせそうにない。
でもいいさ。とにかく河野を見つけるのが先だ。
僕はそう決意して目を瞑る。
なんとなくだけど、念じてみたら河野がいる方向がわかるかもしれないと期待して。
五分以上ひたすら河野の気配を探ろうとしてみたけど、何もわからない。
そうだよね。
そんな都合良くいったら苦労はない。
地道に歩いて探すしかない。
河野、どこにいるんだ?
無事なのか?




