手のかかるやつら
昼間からのクルルたんとラブホはたっのしいなぁ~~!
ふんふんふーんっ!クルルたんとぱふぱふしながらの~んびりっ!さて、夏限定サワーでも頼もうかなと思っていた時だった。
「……んだぁ?冒険者ギルドからの通信じゃん」
指名依頼でも入ったのか?めっずらし。
魔法端末の通話ボタンをタッチしてみれば。
『聖女シェリーさんと勇者タイヨウさん、それから魔王の娘ユリーカさんの保護者の方ですか?』
「ちっげええぇわっ!だいたいシェリーの保護者は大神官長のジジイッ!タイヨウはアートルム皇后!ユリーカにいたっては魔王だろぉがぁっ!」
『ですが勇者タイヨウさんと魔王の娘ユリーカさんの保護者は海外ですし、魔王殿は眠っておられるので対応できないと』
「そりゃそうだけどさ!ほんっとギルドもギルドだわ!魔王の娘の対応とか、魔王の話とか平気ですんの……っ!確実にうちの国のギルドおおおぉっ!」
モニターにギルド名載ってるから知ってたけど!
『品性下劣勇者に比べたらまっすぐなイイコじゃないですか。魔王とか魔王の娘とか関係ない。ぐす……っ、ほんと見習って欲しい勇者の持ち腐れ』
「ほんにんに直接言うところもまさにうちの国のギルドだわしばくぞコラ」
『冒険者ギルドは治外法権ですので』
いや、それはある意味正しいが、そこまで治外法権するギルドもうちの国ならではだ。
「でもほぼダーリンの素行のせいじゃないかしら?」
『クルルさん大正解!』
「クルルたんったらもう~~っ!そんなたまにタバスコ効いてるところも愛してるっ!……けどギルド職員んんんっ!お前後でしばくからなあぁぁっ!!?」
『陛下に通報します』
「うぐっ」
治外法権とか言いつつ使うとこ使うのほんとしたたかすぎるわっ!いや、だからこそのうちの国のギルド!他地域のギルドが泣いて逃げ出すメンツヨむしろメンタルダマスカス鋼!むしろ竜鉄鋼なみじゃぁ、ワレェッ!
『そんな訳で保護者のロイさんに引き取りに来て欲しいです』
「どんな訳だ!あと!シェリーはやっぱり大神官長のジジイが専門だろぉがっ!」
『いや、3人とも同じ保護者の方が呼び出す人数少ないですし……それにシェリーさんが……』
「シェリーが……何だよ」
まさか……何か重篤な……。
『おじいさまに怒られるのが恐いから……と』
「おい」
俺に怒られるのはいいのか?え?頭ぐりぐりすっぞおい。
しかし大神官長アシェにダンジョンを禁止されていたなぁと言うのも思い出す。
『やはり聖女ですからね、ロイさん。うちの国には聖女が3人もいる』
「はぁ……そうさね?」
『食堂の女将メイコ殿のご飯は異国情緒漂いつつもどこか懐かしいお袋の味』
「まぁ……それはそうかも知れねぇが」
『最近仲間入りした新人聖女アリシアちゃんはマジかわいい、ほっぺふにふに、くんくんしたい。今後健やかに成長してくれることをいちドラゴニア国民として願っております』
「あー……そう。それはまぁ構わんが、おめぇな。くんくんしたいのくだりは後でメイコさんにチクッておくかんな……?」
『ひぃっ、山葵キツメに入れられるううぅ』
「あの鼻からツーンと抜ける感覚と共にそのロリコンも鼻から抜いてもらえ」
『あぁぁぁっ!!……けど、最後に!』
そこに持ってくんの?
まぁ、シェリーだからいいけど。
『ツンツンツンデレなくせにすぐ泣いちゃうでも仁義に厚い!さっきもマナーの悪い旅の冒険者に喰ってかかった上に泣かされて今修羅場』
「本題そこだろぉがっ!早く言えええぇっ!」
『おねっしゃーす!親愛なるドラゴニア竜王子レックス・ドラゴニアの恩恵があらんことを――――っ!』
「都合のいい時だけ言うんじゃねえええぇっ!」
普段は『宝の持ち腐れ勇者にバシレオス・ドラゴニアの正義の鉄槌を!』とか言ってくるくせによぉっ!
「……ったく!行くか、クルルたんっ!」
「もちろんよ!シェリーちゃんもユリーカちゃんも、私の大切な妹だものっ!タイヨウくんだってダーリンの……」
「……クルルたんっ」
じゃじゃ馬聖女もじゃじゃ馬魔族娘も大切な妹として見るクルルたんのこの優しさよ……!
それにタイヨウは……ふん、行かないわけはないだろうが。
「ほんっと……手のかかるやつら」
俺はクルルたんと共にラブホを飛び出した。
ストックがここまでですので、たまったら更新再開いたします…!それまで暫しお待ちを…!




