3、何を信じれば良い?
.....。
「遠山先輩。.....何をお話ししましょうか」
「.....そ、そうだな.....でも話す事ないよな?」
「.....そうですね.....あ。.....じゃあお互いに好きな物を話し合うっていうのは」
「.....それは.....うん。今この場で言うのはありかもね。.....ネタが無いし」
そんな話をしながら俺達は屋上のベンチに腰掛けていた。
正直、まだクラスに戻っても暇なだけだ。
アイツ居ない様だしな。
だったらこんな感じで会話をするのもありかなって思った。
「.....じゃあ.....私からですね.....。.....私、好きな物はスイーツです」
「.....特に何が好きなの?」
「.....そうですね.....マカロンとか好きですね。.....あのシュワっとしているの」
「.....そうなんだね。.....マカロンか。.....俺はロールケーキだな」
あ。それも美味しいですよね、と笑顔になる菜乃花ちゃん。
俺はそんな菜乃花ちゃんを見ながら、そうなんだね、と言う。
それから考えてみる。
そうなると.....どうせもう彼女とは行かないだろうしな。
「.....なあ。菜乃花ちゃん」
「.....はい?」
「もし良かったらだけど.....今度一緒にケーキ屋に行かないか」
「.....え.....」
「.....あ。嫌なら良いから。.....元は彼女と一緒に行くつもり.....」
「い、行きたいです!」
菜乃花ちゃんは俺を必死な眼差しで見てくる。
それから俺に乗り出してくる.....キス出来そうなぐらいまで。
俺は赤面して横を見た。
すると菜乃花ちゃんもハッとしてから横を向く。
恥ずかしそうに赤面しながら。
「と、取り敢えず行ってみたいです」
「.....でもそこはな。.....本当は彼女と行くつもりだったから.....正直言っておススメしないんだ」
「.....それでも良いです。.....私、先輩と一緒に.....」
「.....?」
俺はブツブツ言う菜乃花ちゃんに耳を貸すが。
何も聞こえなかった。
ブツブツとは小さく何か言っている様だが。
俺は、何を言ったんだ?、と聞いてみる。
すると菜乃花ちゃんは、な、何でも無いです!!!!!、と思いっきり否定した。
「.....と、とにかく。そこに行きましょう。アハハ.....」
「.....あ、ああ」
そうしていると時間になっていた。
俺達は慌てて立ち上がってからそのまま各々の教室に戻る。
まさかこんな事をする羽目になるとは。
思いながら教室に戻ると。
そこに逃げた野郎が居た.....足立である。
「.....主。最低だな」
「.....まあ俺は2人でお見合いさせたかったしな」
「お前のお陰で言葉に苦しんだぞ。良い加減にしろ」
「.....まあまあ。そう怒るなって。良かったじゃないか」
「.....まああの子が良い子だってのはよく分かったけどな」
そんな会話をしてから。
授業を受け始める。
そして放課後に到達する。
それから昇降口に.....向かってから。
萌を見つけた。
「.....」
俺は激しい怒りが湧いたが。
気付かれない様にそのまま逃げる。
このままでは殴ってしまいそうだ。
クソッタレめが。
「お兄ちゃん」
「.....お前.....星羅?」
「.....見た感じやっぱりクズっぽいオーラ発してますね」
「.....そうだな.....正直吐き気がする」
「お兄ちゃん。復讐していきましょう。.....先ずは取り敢えず倒す敵を見定めましょう」
「.....お前さ。本気でコレってやる気なのか?」
「それはそうでしょう。.....私もウザいって思ってますし。成績でいつも負けて」
何かしら激しい妬みがある様だが。
俺はその様子に?を浮かべながら萌が居なくなったのを見定めてから。
そのまま表に出る。
それから歩いて行ってから窓から外を見ると。
そこに男。
つまりエッチしていた相手が居た。
忌々しいものを見たな。
そんな悲しげな顔に悲しげな声がしてきた。
「.....お兄ちゃん」
「.....何だ」
「.....やっぱり今はいいです。.....すいません。後で言いますね」
「.....?」
何を言いたかったのか。
俺の瞳を潤んだ瞳で見てきてから何かを思った様だが。
何を思ったのかは分からない。
だけど.....まあ。
本当にとにかく怒りしか湧かない。
どうしたものかな.....、と思うが。
.....。