2、割れた世界に
.....。
リベンジとは(復讐)と書いたりする。
俺は初めてそんな言葉を知った。
ただひたすらに.....萌に復讐をする為に。
そして絶望から希望に変える為に動き出した。
「.....」
何というか.....もう衝撃しかない。
萌がそんな事をしていたなんて、と思う。
そして俺は学校に登校して来る。
それから俺は周りを見渡していると。
「よ」
「.....ああ。足立」
足立幸仁
17歳の高校2年生。
そばかすがある短髪の少年に声を掛けられた。
笑みを浮かべてくる足立。
「別れを告げられたんだってな」
「.....流石に行き渡ってんな。.....そういう噂」
「.....だなぁ。.....まあでもそういう事をひっくるめて青春かな、って思う」
「まあ確かにそうだな.....」
俺は足立を見ながら、ふむ、と思う。
何か.....足立に話しても良いものか、と思うが。
思いながら俺は顎に手を添えていると。
足立は、何かあったか?、と聞いてくる.....。
まあ察しの良い野郎だな本当に。
「.....取り敢えず後で話す。.....アイツが別れを切り出した原因」
「.....何か最悪の事態みたいだな。.....分かった」
そしてクラスもそうだが俺達もそのまま昼休みに入ってから。
コイツなら信頼出来る、と思って足立に話した。
すると足立は、マジかよ、と唖然とする。
復讐の事は流石に話さなかった。
まだ概要が分からないので、である。
「.....それは.....キツイな」
「.....キツイというか信頼していたんだがな。.....ビッチだったって事だな」
「.....そもそも何故それなら浮気したんだ」
「.....考えられる原因は幾つかあるけど。先ず1つ目に俺達の関係がすれ違っていた時とかな。忙しくて」
「にしてもゴミクズだな。.....それは」
「.....まあそうだな」
そんな会話をしながら俺はパンを食べる。
それから屋上で.....空を見上げる。
まあ何というかもう涙も出ない。
正直。
全てに呪いを掛けたくなる。
「俺は捨てられたって事だろう」
「正直.....お前になんて声を掛けたら良いか分からないが。.....その。.....彼女欲しくないか?」
「お前いや。.....女子ってか彼女って何処に居るんだよ」
「.....居るぞ。.....俺の妹だ」
「.....へ?.....ああ。なるほど。.....ってかお前の妹ってかなりの美少女だよな」
「おお。自慢の華の妹だ」
そうか.....。
それも有難いけど俺は一人で生きていくわ、と言う。
すると、まあ.....お前が決めているならそれは何も言わない。.....俺も居るからな、と言うと。
屋上のドアが開いた。
それから、お兄.....あれ?、と声が聞こえる。
「.....ああ。菜乃花。丁度お前の話をしていたんだわ」
「え?.....何の話?」
「遠山とお見合いしてみないか」
「.....遠山先輩と?.....それは.....」
俺をチラ見してから赤くなる菜乃花ちゃん。
栗毛色のボブの髪の毛に.....花のオブジェの髪留め。
それから顔立ちはお淑やかで美少女。
この学校でも.....萌に続く美少女となっている。
「.....お兄。何の冗談?」
「俺は冗談でそんな事言わないぞ。.....なあ。遠山」
「.....菜乃花ちゃん。冗談だからな。.....そのアホの」
「.....い、いえ。.....冗談とかじゃなくて私.....本気でお見合いしたいです」
とソワソワして言い始める。
俺達は予想外の答えに顔を見合わせた。
それから複雑な顔をする菜乃花ちゃん。
何というか別れを告げられたのを知っている。
そんな顔だった。
俺は苦笑しながら返答する。
「大丈夫だよ。.....もう関わり合いが無いしな」
「.....はい」
「でも何でお見合いしてほしいの?」
「.....ふえ?あ、そ、それは.....えっと。色々ですよ。色々!」
色々.....?、と思いながら俺は菜乃花ちゃんを見る。
菜乃花ちゃんは人差し指を口元に添えて、内緒です、と話した。
それから笑みを浮かべて足立に向く。
そして足立に、あ。それはそうと。お兄。何か先生が探してたよ?、と言った。
「.....?.....何だろう?」
「分からんけど.....戻るかな」
そんな事を言いながら足立は、先戻るわ、と手を挙げた。
そして俺達を見る。
俺はその姿を見ながら、ああ、と返事をしてから足立を見送る。
ごゆっくりとニマァッと笑顔で。
おいコラ.....。
.....。