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俺を振った女の子が義妹になった件について~すれ違う両片想い~  作者: おとら@9シリーズ商業化


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梅雨の始まり

 先生と別れてからスマホを見ると……。


「あれ? 静香さんから連絡入ってる?」


 確認してみると……。


「なんだろ……あっ、ほんとだ」


 ラインには雨降ってるけど大丈夫?と書いてある。

 そして、外を見ると雨が降り始めていた。


「あんなに晴れてたのに……まあ、もう六月だしなぁ」


『傘持ってないや』とすぐにラインを返すと……。

『良かった、まだ帰ってなくて。下駄箱で待ってるね』と返事が来た。


「なんだろ? とりあえず、行ってみるか」





 俺が下駄箱に行くと……。


「あっ、春馬君」

「静香さん? どうしたの?」

「もう! どうしたの?はこっちの台詞よ。先に帰ったと思ったら、靴も残ってるし」

「ごめんごめん、吉野先生に呼ばれてさ」

「そうなの? 何の話だったの?」

「うーん……まあ、ここではちょっと」


 ……なにこれ? ほんとの恋人みたいな感じは……。

 下駄箱で女の子が、俺のこと待ってるとか……いかんいかん!


「じゃあ、帰りながら話そっか?」

「別にいいけど……濡れて帰るの?」

「そ、その……私、置き傘があるから」

「そっかそっか……うん? 俺を待ってたってことは……」

「……い、一緒に入って良いから」


 ……ゴフッ!? ま、まさか相合傘を!?

 健全な男子なら、一度は憧れるシチュエーションだァァァ!

 ……だめだ、最近テンションがおかしい。


「い、いや、それは……」

「べ、別に変じゃないでしょ? か、彼氏なんだし……」


 なるほど……ここでしない方が怪しまれるってことか。

 よし……偽装彼氏として頑張るとしよう。

 勘違いしないように、冷静にならないと……よし。


「わかった。じゃあ、帰ろうか」

「う、うん」


 俺は彼女から傘を受け取り……外に出る。


「ほら、入って」

「し、失礼します……」


 むにゅ……ァァァ!?

 朝以上に柔らかな感触が……。


「あ、あの? 静香さん?」

「だ、だって……濡れちゃうもん」


 濡れ……イヤイヤ! バカか! 俺は!

 そうだ! これは不可抗力だ!


「そ、そっか。じゃあ、帰ろう」

「う、うん」


 降りしきる雨の中……俺達は寄り添って歩き出す。


 まるで、本物の恋人のように……。







 結局、駅に着くまで……一言も喋らなかった。


 俺の全神経は胸が当たる腕に集中してたし……。


 静香さんの方も、ずっと俯いていたからだ。


 ……やっぱり、無理をしてるんじゃないか?


 男よけのためとはいえ、好きでもない男と密着するなんて……。


「あのさ、無理しないで良いから」

「ふえっ!? ど、どういう意味?」

「いや、顔真っ赤だし……別に、普通に付き合ってる感じでも」

「は、春馬君は……嫌かな?」

「いや、俺は構わないけど」


 正直言って役得感はあるし……我ながら情けないことに。


「ほっ……な、なら、このままでいくわ」

「そう……まあ、無理はしないでね」

「むぅ……」

「静香さん? 何で膨れるのかな?」

「フンッ……何でもありません」


 はて? 何故怒っているのだろう?

 ほんと……女の子って不思議だなぁ。






 その後、電車に乗り……席についてから、ようやく説明をする。


「吉野先生が……どうして、そんなに良くしてくれるのかしら?」

「うーん……本人が言ってないことを、俺が詳しく言うわけにはいかないけど……どうやら、俺が似てるかららしい」


 吉野先生も一年の時はボッチだったり、中学時代なんかはやさぐれていたらしい。

 母親が亡くなったことで、どうして良いかわからなくなったって言ってたなぁ。


「ふふ……春馬君らしいね」

「うん? どういうこと?」

「そういう優しくて義理堅いところ……だから……」

「静香さん?」

「う、ううん! 何でもない!」

「熱でもある? 顔赤いけど……」

「へ、平気っ!」


 彼女がそっぽを向いてしまい手持ち無沙汰なので……。


 俺は、窓から見える景色を眺めることにした。


すると……急に意識が遠くなってくる……。


 





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