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俺を振った女の子が義妹になった件について~すれ違う両片想い~  作者: おとら@9シリーズ商業化


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38/55

休み明け

 その日の夜、俺が帰ってくると……。


 リビングに、三人が揃っていた。


「おっ、帰ったか」

「親父達も帰ってたんだ。お帰りなさい」

「ああ、ただいま」

「兄さん、お帰りなさい」

「春馬君、ご飯買ってあるからね〜」

「ありがとうございます」


 席について、マッ○を食べる。


「うわぁ……」

「うん? 何か感動するところあった?」

「こ、こういうのって、食べる機会がなくて……」

「ああ、なるほど」


(一人じゃ入り辛いし、意外と値段も高いか。吉野先生は、自分が若い頃はハンバーガー六十円の時代もあったとか言ってたけど……)


「そうなのよね〜。買うときも……四人分で三千円以上しちゃうから、夕飯三食分って考えちゃったわ」

「由美さん、それくらいは気にしないでって言っただろ?」

「ふふ、そうだったわね。散財はしないけど、あまり節約し過ぎないようにするわ」

「旅行中もさ、俺が買うっていうのに遠慮するんだよ」

「だって……お土産屋さんって高いんですもの」


 俺と静香さんは顔を見合わせて……微笑む。

 口調がフランクになって、空気感が少し違う。

 どうやら、二人きりにさせて正解だったらしい。




 そして、話題は変わり……。


「そう言えば、中間テストが近いのか?」

「あら、そうよね。でも、二人とも成績良いから安心ね」

「俺は静香さんほどじゃないけどね」

「そんなことないわよ。私は時間があったから、兄さんより勉強してきただけ」

「バイトはどうするんだ?」


(バイトか……去年は普通に働いてたな。今年はどうするかね)


「兄さんは?」

「俺は……やるかな。まだ受験ってわけでもないし、俺は推薦組には入らないだろうし」

「部活も生徒会とかもやってないもんね。私は国公立の学校を目指してたから……」

「静香ちゃん、お金のことは気にしなくて良い」

「お父さん……でも、私立は高いって……」

「もし、やりたいことがあるならそれも良い。でも、お金のことは本当に気にしなくて良いから。それくらいの稼ぎはあるつもりだよ」


(親父……なんだよ、かっこいいじゃん)


「あ、ありがとうございます……少し考えてみます」

「智さん、ありがとう」

「い、いやぁ……まいったな」

「親父、俺もありがとう。当たり前に私大に行かせてくれて」

「おいおい、お前まで……うん、お父さん頑張るよ」


(良かった……これで、徐々にだけど家族になっていけそうだ)



 ◇



 翌朝から、学校が始まり……。


 何とか遅刻せずに学校に到着する。


「あ、あぶねー」

「おっ、間に合ったな」

「トシ……お前目の下真っ黒だぞ?」

「朝練があったからよ」

「おい? 聞いてないぞ?」


(おいおい、昨日の夜遅くまで、オンラインでゲームを一緒にやっていたのに)


「悪い悪い、言うと気を使うと思ったからよ。久々にお前と遊んだら楽しくてな」

「……すまん」


(そうだ……俺は再婚のことや、色々あったから断ってたんだ)


「別に謝ることなくね? 仕方ねえし」

「そっか……ありがとな」

「気にすんなって。それより親友よ……テスト勉強どうする?」

「その言い方……勉強を教えろって言うんだろ?」

「正解だ。赤点取ると、大会に出れないんだよ〜!」


(……まあ、詫びする意味でも付き合うとするか)


「良いよ、付き合うよ。ただ、俺もバイトあるし」

「まじか!? いやいや! それで十分だ! じゃあ、またお前ん家でいいか?」

「うん?」


(……そういや、静香さん相談するの忘れてた)


「まあ、由美さん……母さんに聞いてみるから少し待ってくれ」

「おっ、それもそうだな」


 ひとまず話は終わり、ホームルームが始まる。


「さて、ゴールデンウィークも終わりだ。気が緩んでいるお前達には、中間テストという試練が待っているな」

「うげー!」

「やべ!」

「全然やってないよー!」

「まあ、勉強が全てなんていうつもりはないが……いざ自分がやりたいことが見つかった時に、後悔しないためにやっておくことをオススメしておく」


(相変わらず、こういう上手いことを言うんだよなぁ……俺も、それに乗せられたっけ)






 そして学校が終わって、家に帰ると……。


 先に帰っていた静香さんが、玄関で待っていた。


「兄さん……少し良い?」

「ああ、もちろん。俺も聞きたいことあったし」




 手洗いうがいをして、着替えたら……リビングのソファーに座る。


「あのね……理沙にね、兄さんのこと言っちゃったの……ごめんなさい」

「えっ? ……いや、俺は全然構わないよ。静香さんが良いと思ったなら、好きにして平気だよ」

「えへへ、ありがとう」


(だから、いちいちときめくなよ……俺の心臓)


「その、あれだ……その代わりってわけじゃないけど、俺もトシにだけは言いたいんだけど……いいかな?」

「鈴木君ね? ……そうよね、不公平だもの。最初の取り決めもそうだったし……うん、あの人なら平気そうね。何より、兄さんが信用してるから」

「まあ、あいつは平気だよ。俺の家のことも知ってるけど、それを言いふらしたことはないし。むしろ、よく味方になってくれたから」


 親が離婚した時に、あいつが言ってくれた。

 身勝手な母親を持つと苦労するよなって……。

 詳しいことは聞かなかったけど、多分……トシにも何かあるんだろうな。

 そのうち、聞いてあげられたら良いけど。


「そうなんだ? 実は、私の方もそうなの。理沙がね、親は選べないから大変だよねって……あの子も、色々あるみたい」

「へぇ? 言わないだけで、みんな色々あるんだろうね。自分だけが不幸とか思ってだけど……そんなわけないよな」

「うん、今ならわかるわ。さて……じゃあ、行こっか」

「そうだね」


 俺達は準備をして、バイトに行くのだった。


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