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俺を振った女の子が義妹になった件について~すれ違う両片想い~  作者: おとら@9シリーズ商業化


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36/55

それぞれの痛み

 翌朝……俺は寝不足だった。


「に、兄さん? だ、大丈夫?」

「あ、ああ……平気だよ」


(馬鹿か、俺は……家に二人きりだからって、なにを意識してんだよ……)


 布団に入ったは良いが、ちっとも寝れなかった。

 ……多分、昨日の膝枕とそこから見えた景色が原因だ。


(俺は思春期の童貞か……うん、そうだった)


「いや、昨日昼寝しすぎたからさ」

「確かにそうよね。ごめんなさい、もっと早くに起こせばよかったね」

「いや、俺が悪かったよ。目覚ましもかけなかったし」

「まだ時間あるけど、少し寝る?」

「……いや、このまま起きてるよ。また寝れなくなると困るし」

「それもそうね」






 そんな会話しつつ、朝食を食べ終える。


「じゃあ、今日は悪いね」

「ううん、私が頼んだことだし」

「何処に行くのか聞いても?」

「あの喫茶店に行こうかと思って……小説とか読むのに良いかなって」

「ああ、あそこで読むと気持ちいいよ。吉野先生も、学生時代はあそこで読んでたらしい」

「へぇ、そうなんだ。じゃあ、準備して出かけるね」




 俺も眠気覚ましのために風呂に入り……。


 髪を洗おうとして……。


(あれ? シャンプーが切れた……一回出るか)


 中途半端な量しかなく、仕方ないのでお風呂のドアを開ける。


「きゃっ!?」

「へっ?」


 何故か、静香さんがいた。

 その手には……ご立派なピンクのブラジャーがある。


「ご、ごめん!」

「こ、こちらこそ!」


 俺はすぐに引き返す!


(うおぉ……あんな大きいのか……)


「な、なに?」

「えっと……シャンプーが切れて……」

「そ、そういうことね! ちょっと待って! ……ええと、これを置いてきて……洗濯機の上に置いとくね!」

「あ、ありがとう」

「わ、私、もう行くから!」

「い、行ってらっしゃい!」


(……あれ? もしかして……全裸見られた?)


 はぁ……なんか、彼女には情けない姿ばかり見せてる気がする。






 気を取り直して。風呂に入り……。


 出たら、トシにラインをする。


『何時頃くる? もう平気だけど?』

『んじゃ、今すぐ行くわ。三十分くらいで』

『了解』


 手短に済ませ……髪を乾かす。


「静香さんの部屋は覗かせないとして……そういや、さっきのあれは洗濯機の中身を出してたのか」


(ということは……何処かに干してある?)


 部屋の中やベランダを確認したが……。


「なしと……なら、夫婦の寝室か静香さんの部屋だな。なら平気か」





 そして……。


『トシ、開けたから入ってくれ』

『あいよ』


 オートロックと家の鍵を解除して、待っていると……。


「おう、邪魔するぜ」

「ああ、いらっしゃい」


 そのまま自然に、自分の部屋に案内する。


「まずは、これ。大したもんじゃないけど」

「おっ、土産か。いやいや、サンキュー。饅頭なんか、機会でもないと食わないし」


 温泉饅頭とご当地ものクッキーをあげる。


「確かにそうかも。で、部活は良いのか?」

「ああ、今日明日は休みにしてくれるってさ」

「うちは、強豪校なのに珍しいよなぁ」

「まあ、うちは休むのも練習だって言うしな。友達と遊んだり、趣味を持つことを否定しない。だから、この高校選んだんだし」


 そう、うちの高校は部活に力を入れているが……なんというか、自由度が高い。

 服装や髪型も、割と自由だし、俺みたいな帰宅部のやつも多かったりする。

 進学高ではあるけど……吉野先生は、自主性を重んじるとか言ってたかな。


「それじゃ、なにする?」

「じゃあ、狩りに行こうぜ」

「モンハ○か。ああ、良いよ」


 二人でスイッ○を起動させ……ゲームを開始する。

 このゲームの良いところの一つに、会話しながらでも出来ることだ。

 もちろん……俺達クラスのゲーマーの話だけど。


「どうだ? 新しい母親とは?」

「上手くいってると思う……良い人だし」

「お前の母ちゃん怖かっ……悪い」

「いやいや、そこは気にされると困る」

「それもそうか。じゃあ……良かったな」

「ありがとう、トシ」

「よせやい、俺とお前の仲じゃねえか」


(こいつだけは、俺の家のことを知っても変わらなかった……だから、本当なら悩みを聞いて欲しいんだけど……静香さんに確認してみるか)





 そして、この手のゲームにありがちだが……。


「げっ!? もうお昼過ぎてるぜ?」

「ほんとだ……飯どうする?」

「カップ麺とかあるか?」

「それでいい?」

「もちろん。人の家来て贅沢なんか言わないさ。それに、さっさと続きしたいし」


 これもまた、このゲームにありがちなことである。

 二人でさっさとカップ麺を食べ……再開する。


「そういやさ……」

「うん?」

「お前と中村さんって……なんかあるのか?」

「……へっ?」

「お、おい! 本体を落とすなよ!」

「お、お前が変なこと言うからだ! だいたい、会話なんかしてないぞ?」


(ど、どういう意味だ?)


「いや、そうなんだが……雰囲気か? あと、中村さんがたまにお前を見てんだよ。ほら、俺はお前の前の席じゃん? 振り返る時に視界に入るわけよ」

「……そうなの?」

「まあ、俺の勘違いかもしれないけどな……ほら、あの子も片親で……すまん、忘れてくれ」


(……あれ? なんで、こいつが知ってるんだ? 俺と一緒の中学だから、知り合いってわけでもないし……ただ、俺が知ってるって言うと変だし……)


「あ、ああ……」

「人様の家のことは口出しちゃいけねえな……まあ、お前は言いふらすような奴じゃないから良かったよ」

「そりゃ、もちろん」

「悪い悪い、続きやろうぜ」


 そして、ひとしきり遊んだあと、トシは帰ったが……。


 俺の心は、色々な意味でモヤモヤするのだった……。

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