表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺を振った女の子が義妹になった件について~すれ違う両片想い~  作者: おとら@9シリーズ商業化


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/55

ヒロイン視点

 助けてもらっちゃったな……篠崎君に。


 私にはそんな資格もないし、そんなつもりもなかったのに。


 つい、隣を見て……甘えてしまった。


 きっと短い期間だけど、彼がとても優しく、程よい距離を置いてくれるから。


 それに、意外と頼りになり……こんなんじゃいけないよね。


 私はもっと役に立たないと、良い子でいないと……捨てられちゃうから。





「さて、この辺で良いか」


 前を歩く吉野先生が、突然そう言います。


「えっ?」


(そういえば、篠崎君に言われるままに、ついてきたけど……)


「あれだろ? あいつと兄妹になったんだろ?」


「は、はい」


「安心しろ、誰かに言うつもりはない。知ってるのも、校長と教頭、学年主任と俺だけだ」


「あの……個人的に、篠崎君と知り合いなんですか?」


(去年も一緒だったけど、男子のことなんて目に入ってなかったから)


「そうだな……まあ、気になるなら聞いてみると良い。じゃあな、中村。もし相談があるなら、いつでも言うと良い」


 そう言い、先生は去っていきます。

 タイプではないけど、相変わらずカッコいい人だと思う。

 女子たちに人気なのも理解できるかな。






 家に帰ってきた私は、まだ篠崎君が帰ってないことを確認し……。


「やだなぁ……また大きくなってる」


(ブラのサイズをわざと小さめにしたり、色々工夫はしてるけど……。男子の視線が増えるから、嫌だし……それに女子達も、おっぱいまで大きいの!?とか聞いてきて……あんまり目立ちたくないのに。私は、もう……可哀想な目で見られたくない)


「もう、あんな目にはあいたくない。せっかく、知り合いのいない高校に入ったのに」


(前の父親が仕事をクビになって、私やお母さんに暴力を振るって……離婚した時、みんなの視線が変わった。それに異性にモテていたから、一部の女子からイジメられたり……だから、今の学校では異性と話さないようにしてるし、クールを装って男子を遠ざけたり……たまに、今日みたいなことがあるけど)


「あの人、女子に人気あるから断ると角が立っちゃうし……はぁ、嫌だなぁ」


(篠崎君が助けてくれて、本当に助かったなぁ。きちんとお礼しないと)


「それにしても……いい人だよね。私が振ったのに、変わらず接してくれて……」


 私は、毎日つけている自分の日記を眺める。


「最初の日……彼は私の部屋の掃除や、お母さんの荷物整理も嫌な顔一つしないで手伝ってくれた」


(きちんと家族になろうとしてくれたってことだよね……私を異性として見ないようにしてくれてるし……たまに感じることはあるけど、嫌な感じはしない)


「それに、買い物だって……」


(一人で行こうと思ったけど、つい押し切られちゃって……ああいう言い方されたの初めてで……ああいうところは素敵だなって思う)


「料理も手伝ってくれたし……」


(ものすごく楽しくて、穏やかな時間だったと思う。適切な距離間で、接してくれて……何より、美味しいって言ってくれた。それが、こんなにも嬉しいなんて)


「次の日……朝ごはんを一緒に食べた」


(人と一緒に食事するなんて久しぶりで……美味しい美味しいって食べてくれて……父親は黙って食べて、美味しそうにしなかったから、なおさらのこと嬉しかった。やっぱり、きちんと言葉にしてくれると嬉しい)


「きちんと洗い物もしてくれたし……散歩に行くって時も、どこに行くとか聞かなくて……やっぱり、彼も母親と何かあったのかな?」


(だから、距離間というか……そういうのが心地よいのかも。こう、拒否してるわけじゃなくて……うん、線引きをしてくれるというか……)


「バイトを見に行って……」


(店の中を忙しく動いて、すごいなって思った。意外とガッチリしてて、着痩せするタイプなんだって思ったり……。働いてて偉いよね……私はバイトもしたことないし……どうしても、男性と話さないといけないから)


「それに……ううん、これは自分勝手が過ぎるよね」


(可愛らしい女の人と、仲よさそうに話してたなぁ……学校では女子とも話さないから、私だけ話すのかなとか思ったり……嫉妬? 酷いね、私って)


「どうしよう? ……好きなのかな?」


(自分から振っておいて、自分から家族になろうって提案しておいて……)


「そんな自分勝手が許されるわけがないよね……そんな人が一番嫌いだったのに」


 でも……勝手に好きでいるぶんには許してくれるかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ