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告白をして振られる

 さて……緊張するなぁ。


 落ち着け、まずは状況確認だ。


 始まってからテンパってはいけない。


 俺の名前は篠崎春馬、高校生二年生だ。

 どこにでもいる高校生男子だと思う。

 そんな俺は、本日とあることを決行する。


「そう……告白をする」


 そう、学校一の美少女である中村静香さんに……。

 同じクラスだったけど、最初はそこまでの接点がなかった。

 いわゆる高嶺の花だったので、俺とは話すこともなかった。

 ただ、1年の3月期あたりだったかな?


「何故か、急に話しかけてきたんだよな。しかも、人目を避けて……」


 そこから話すようになり……。

 俺は、好きになってしまったわけだ。

 もちろん、彼女の容姿や性格が良いこともあるけど……。

 あまり男子と関わらない彼女が、俺に話しかけてくるのが嬉しかったんだろうな。


「それに、なんか話しやすかったんだよな……」


 思ったほど緊張しないし、喋りやすかった。

 波長が合うって感じかな。

 お互いに口数が多い方じゃないから、静かなのが苦にならないというか……。

 もちろん、相手がどうかはわからないけど。


「俺に気を使ってそうしてただけかもしれないし……」


 ただ、嫌われてはないと思う……思いたい。

 連絡先こそ交換してないけど、ちょこちょこ話すようになったし……。

 放課後の帰り道なんかも、電車で会えば話したりしたし……。


「そのうちに、完全に好きになってしまったんだよな」


 だから、クラス替えがある二年生になる前に、告白しようと思ったんだ。

 終了式のこの日、校舎裏の木の下で……今、まさに俺がいる場所だ。


「手紙を入れておいたけど……」


 ……来た。

 歩きながら、長い綺麗な黒髪がなびいている。

 身長は165センチくらいで、均整のとれたスタイル。

 だが痩せすぎてもいない、最近の子は痩せすぎて良くないと思う。

 話がズレた……とにかく、とてつもなく綺麗だということだ。


「篠崎君……そう……やっぱり、そうなのね?」


 クールな見た目の彼女は、俺にそう問いかける。


「ええ、そうです」


 そりゃ気づくよな。

 ひと気のない場所に、手紙で呼び出したんだから。


「ふぅ……いいわよ」


 よし……勇気を出せ!


「中村静香さん——貴女のことが好きです! 付き合ってください!」


 ……言えた!


「………はい?」


 あれ?反応が変だな?

 それに、みるみるうちに顔が赤くなっていく……?


「ご、ごめんなさい!!」


「あっ——」


 中村さんはそう言うと、走り去ってしまった……。


「これは……それはそうだよな。高嶺の花の中村さんと付き合えるわけがないよな」


 どうやら……俺は振られたようだ。




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