第76話 王都決戦 その3
「タケル! 魔王には魔法攻撃しか効かないの。物理的な攻撃では倒せないの」
私はタケルに向かって叫んだ。
「分かった」
タケルは刀を鞘に収めた。
そして右手の人差し指を伸ばして握り、拳銃のような形を作った。
「アサルト!」
タケルの指先から凝縮されて貫通力が増した魔弾が発射された。
魔王が避けた。
だが、タケルはそれを連射した。
魔王が避けきれず、魔法でシールドを張った。
しかし、タケルの魔弾はそのシールドを破った。
魔王がひっくり返った。
右肩のあたりが、溶けていた。
「おのれ小癪な」
魔王の魔法攻撃がタケルを襲った。
火炎、氷結、雷、その全てはタケルには届かなかった。
手前のタケルのシールドにすべて阻まれた。
タケルは両手を前に出すようにして突き出した。
タケルから螺旋を巻いた閃光が発した。
魔王に閃光の束が直撃した。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
魔王の断末魔で王宮が揺れた。
大地震のようだった。
タケルが刀を抜いた。
刀の刃に手を触れた。
刃が青白い魔法の炎に包まれた。
「はあああああ」
タケルが魔王に斬り込んでいった。
魔王が斬り刻まれて行く。
タケルは刀を納めると、手をかざした。
光の束が手から出て魔王の残骸を焼いて行く。
「勇者が魔王を倒したぞ!」
王が叫んだ。