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第69話 魔王との戦い その3


 魔王が魔弾を撃った。


 ジョンとオクトパスが吹っ飛んだ。


「ジョン! オクトパス!」


 私は剣を握りしめた。


「おのれ、魔王」


 私は魔王のもとに駆けた。


 右の胴のあたりに隙きがあった。


 私はそこに剣を振った。


 しかし、魔王は飛び退いた。


「なかなかやるな」


 だが、魔王は笑っていた。


 遊んでいるようだった。


「くそう」


 私は剣を構えた。


 息を吐いた。


(落ち着きなさい。平常心よ)


 魔王が雷撃を放った。


 横に飛んだ。

 

 火炎が追いかけてくる。


 炎を剣で薙ぐと、私は魔王のもとに飛び込んだ。


(今だ!)


 私は魔法を放とうとした魔王の首を剣ではらった。


 魔王の首が落ちた。


 辺りは静まり返った。


「隊長!」


 まどかの声がした。


「やったんですね。魔王を倒したんですね」


 まどかが泣きながら駆け寄ってきた。


 だが、私は言いしれぬ不安を覚えていた。


 こんな簡単に魔王を倒せるはずがない。


 第一、私の使える魔法や魔力は子供だましのレベルだ。


 勇者の剣が帯びている魔力も、雑魚の魔物には効いても、魔王を完全に封じ込めるだけの力は無いはずだ。


 転がった魔王の首が動き始めた。


 くるくると回ると、首の下から胴体と手足が生え始めた。


「嘘」

 

 まどかが立ち止まり、悲鳴のような声をあげた。


 首を失くして立っていた魔王の胴体からは首が出てきた。


 魔王は二人になった。


「ハッハッハッハ」


 魔王が笑った。


「さて、今度はどうする?」


 私は絶望を感じた。


「二人がかりで戦う必要は無いな」


 そう言うと一体の魔王が空に浮かんだ。


「ワシは王都を落とす。お前はその小娘を始末しろ」


 胴体の方の魔王が、飛び去った。


「さて、どうするかな」


 頭の方の魔王がニヤニヤしながら、寄ってくる。


 そして手のひらを私に向けた。


 魔法攻撃をするつもりだ。


「これで終わりだ」


 魔王の手の平が赤くなった。


 火炎魔法を撃つつもりだ。


 私は目を閉じた。





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