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第64話 魔王襲来



 鐘が鳴る音がした。


 私は顔を上げた。


「王女様」


 メイドが部屋に来た。


「どうした」


「魔王軍にコロネルの街が襲われているそうです」


 コロネルの街は王都から24キロほどのところにある。


 コロネルが落ちれば王都も魔王の攻撃にさらされる。


 私はタケルの頬にキスをした。


「タケル、魔王がもうすぐここまで来るんだって。私、行かなきゃ。だって民を守るのが王家の務めだから。タケル、これまでありがとう。タケルと過ごした異世界での夏が、私の人生で一番楽しくて、輝いている時だった」


 私はタケルの唇に自分の唇を重ねた。


「タケル、さようなら」


 私は覚悟を決めた。


 ずっとタケルのそばにいたかったが、私は王女だ。


 魔王がすぐそばまで侵攻して来ているのを黙って見ているわけにはいかない。


「タクティカルスーツの準備を」


 私はメイドに命じた。


「でも王女様」


「私も出撃する」


 謁見の間に行くと、王は驚いた顔をした。


「アン、まさかその格好は」


「私も出撃します」


「だめだ」


「勇者は復活したのですか」


「最初に召喚した3人は復活しなかった」


「その後は、どうなりましたか」


「これから出撃するところだ」


「今からで間に合うのですか」


「特殊部隊の装甲車で行けば30分で着く」


「それなら、なおさらのこと隊長である私が同乗して指揮をとります」


「ならぬ」


「なぜです」


「お前まで失ったらどうする」


「同じことです。ここで魔王を食い止めなければ、王都にまで来ます」


 王は下を向いて考えてから顔を上げた。


「よかろう。では行け。しかし、くれぐれも無理をするな」


「分かっております」






誤字脱字のご報告をありがとうございました。さっそく訂正いたしました。

また、感想やイイネもありがとうございます。

読者の皆様のリアクションが作者にとっては何よりのモチベになります。

物語はいよいよ終盤の佳境に入ります。

アン王女とタケルの運命はどうなるのか。

お楽しみ下さい。

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