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第58話 御前会議



 私は御前会議に出ていた。


 学校が魔物に襲撃されたことで王宮には衝撃が走った。


「魔王が復活したのか」


 そうささやく声が、いたるところで聞かれた。


 王が皆の前に出てきた。


「もう王女からの報告を聞いていると思うが、魔王が復活したようだ」


 王の口から魔王復活の言葉を聞き、どよめきが起きた。


「しかし、陛下、恐れながらお言葉を返すようですが、魔王の姿はまだ確認されておりません」


「魔物は魔王なしに出現しない。既に魔王が降臨したと考えるしかない」


 座は静まり返った。


「幸い、既に異世界から勇者候補となる若者を3人召喚している。さらに頼りになる勇者候補者を召喚する予定だ。魔王復活となれば、我らは異世界の勇者に頼るしかない」


 王が後藤に頼み、異世界からSAT隊員や陸上自衛隊の特殊部隊の隊員を派遣してもらえるということを私は聞いていた。


 後藤の話では彼らは異世界最強の兵士だという。


 それでも私は不安を拭えなかった。


 御前会議のさなかにあらたな報告が入った。


「辺境の村が、リザード族に襲われているということです」


「何、リザード族だと」


「どうしてリザード族が人間の住む場所まで出てきている」


「やはり、魔王の再降臨が影響しているのか」


 リザード族は、トカゲの一種だ。


 魔族ではないし、見かけは恐ろしげだが知能は低く戦闘能力も低い。


 普段は人間が住んでいない地の果で暮らして、人里に出てくることは無い。


 魔力は持っていないが、やはり何か魔王降臨の影響を受けているのだろうか。


「リザード族は辺境の村の住民を捕獲しているようです」


 王の舌打ちの音が響いた。


 リザード族は人間をペットのように飼う。


 だがその飼い方は残酷だ。


 身体の一部を切り取って玩具にする。


「リザード族を撃退して捕獲された住民を救出せねばなるまい」


「しかし、陛下、治安部隊を派遣しても魔物が出るかもしれません。魔物が出たらお手上げです」


「数少ない勇者は、王都の防衛のために必要で遠征には出せない」


「私が行きます」


 私は手を挙げた。


「アン、お前は王宮にいなさい」


「勇者がまだ復活して生まれていない以上、今魔物を倒せるのは私だけです。それにリザード族なら何匹いようとも異世界の武器で武装したアサルトチームの敵ではありません」


 王は即答しなかった。


「私に行かせて下さい」


「分かった。よかろう。リザード族のことはお前に任せた」


 私は辺境の地に行って、リザード族に捕われた人たちを救出する作戦を指揮することになった。





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