第53話 異世界の王女 ディズニーランドに行く
「しっかりつかまって」
僕はスクーターのアクセルを捻った。
道路に出た。
道の両脇にはワシントンヤシが植えてある。
ディズニーリゾートをかかえる浦安市のシンボルのような街路樹だ。
西海岸のような椰子の木の街路樹が連なる海岸通りを僕はアンを後ろに乗せて走った。
夏だが朝の大気は爽やかだった。
潮風が僕らを包んだ。
ディズニーランドまでは10分もかからなかった。
着いた時は開園の5分前だった。
「わあー」
アンはメイン・エントランスを抜けてワールドバザールに入ると、子供のような歓声を上げた。
おなじみのキャラクターたちが僕らを出迎えてくれた。
「かわいい」
アンはミニーと握手をしていた。
「ほらね。本当にネズミの夢の国でしょ」
「そうね」
僕はさっそくミニーの耳のカチューシャを買った。
アンは喜んでそれを着けた。
「こっちだよ」
僕はアンの手を握ると奥にあるスプラッシュ・マウンテンを目指した。
夏と言えばやはりスプラッシュ・マウンテンだ。
開園と同時に入ったので、ほとんど待たないですぐに乗ることができ、しかもラッキーなことに先頭の座席だった。
アンは何が始まるのか分からない様子で、ただただ周りの眺めては、興味深々という様子で楽しんでいた。
最後の落差が16メートル以上、最大傾斜45度で滝壺に真っ逆さまにダイブするところではアンは本当に絶叫した。
僕らは水しぶきを浴びて着水した。
アトラクションから出てくると、アンは言葉にならないという風な様子だった。
「大丈夫? 怖くなかった」
「うんうん。最高よ! これは何の魔法なの」
「魔法なんかじゃないさ」
僕は思わず笑って答えた。
「次は何に乗る?」
「これにもう一度乗りたい!」
アンは僕の手を引っ張ってスプラッシュ・マウンテンの入り口に向かった。
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