第48話 異世界の王女 原宿でデートする
「ここがそうなの」
「ああ」
僕はネットフリックスの視聴履歴を分析し、王女が観た恋愛ドラマで出てきた店をネットで検索して調べておいた。
まずは原宿のクレープ屋から攻略ということで、竹下通りに来ていた。
「可愛い」
イチゴとクリームでいっぱいのクレープのイラストの看板を見て王女が言った。
「すごい、こんなに種類があるの」
ショーケースには見本のクレープが並んでいた。
どれもフルーツや、クリーム、アイス、ケーキなどをふんだんにトッピングして色鮮やかでボリューム満点のクレープだ。
「どうしよう。タケル、どれにしたらいい?」
王女が目を輝かせて、困ったように言う。
ドラマの主人公が食べてていたのは定番の「ストロベリーバナナアイス」だった。
「ヒロインの女の子はこれを食べていたよね」
僕はさりげなくショウケースの中の「ストロベリーバナナアイス」を指さした。
「そう、これ、これ、これが食べたかったの」
「じゃあ、生クリーム増量にして、これにする」
「えっ、生クリーム増量なんてできるの」
「もちろんだよ」
「嬉しい」
王女はパフェのように円錐状に巻いた生クリーム2倍のストロベリーバナナアイスを受け取ると、本当に幸せそうな顔をして竹下通りを歩きながら食べ始めた。
周りは王女くらいの年齢の女の子ばかりだった。
食べ終わった王女の口には生クリームがひげのようにくっついていた。
僕は王女の口をティシュで拭いてあげた。
その後、日が暮れるまで、王女は竹下通りや表参道のお店を見て回った。
小物、アクセサリー、洋服、どれも王女は夢中になって見ていた。
僕は王女にアクセサリーや服を買ってあげた。
王女は大満足のようだった。
その晩、王女はシャワーを浴びた後、僕の部屋に来て、好きなだけキスをさせてくれた。
まずは1回目のミッション、クリア。