表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/81

第47話 異世界の王女 「それはデートをしてから」と言う



「あー、美味しかった」


 王女は家に帰ると部屋着に着替えて、ソファーにもたれかかっていた。


 部屋着はショートパンツとキャミソールだった。


 肌の露出が多いので目のやり場に困った。


 ショートパンツはやや大きめのボクサーパンツと言ってもよく、見ようによっては下着そのものだ。


 キャミは細い紐で吊っただけの薄いものだ。


 熱帯夜で蒸し暑く、お腹がパンパンなので、ウエストを締め付けられない楽なものでなおかつ涼しい格好を王女が選んだ結果、ある意味とても刺激的なビジュアルになっていた。


 僕は、王女の隣に座った。


 王女が身体を寄せてきた。


 埋立地の公園で花火を見ながらキスした晩から、僕らの間でキスは解禁になっていた。


 僕は王女の肩に手を置き、抱き寄せた。


 そして唇を重ねた。


 そうやって、リビングでキスをしながら抱き合っていると僕はもう抑えきれなくなって王女のショートパンツに手を伸ばした。


 その手を王女はつかむと横にやった。


「それはダメ」


 僕は塩をかけられたワームのようになった。


「ごめん」


 こうやって同棲をしていて、キスまで許されたからと言って調子にのりすぎたようだった。


(そうだよな。彼女は異世界の王女だ。僕とそんな関係になれるわけないよな)


 僕は身体を離した。


 王女は僕のことを見つめていた。


(まさか、もうキスもダメとか、私の身体には触れないでとか言わないよね)


 僕はブルーな気持ちになった。


「そういうことはきちんとデートをしてから。だって私達まだ、ちゃんとしたデートをしていないでしょ」


(はぁ????)


 王女は僕に見つめられて恥ずかしそうに横を向いた。


(えっ、じゃあ、デートしたら、その後はそういうことアリってことなの?)


 口には出さなかったが僕は動揺した。


(この発想はもしや……)


 王女が、僕が剣道の稽古や夏期講習の授業を受けている間、家でネットフリックスで恋愛ドラマを観まくっていたことを思い出した。


(あれだ。コミックとかが原作の恋愛ドラマにありがちな、3回デートしたらHに進むとか、進まないとかいうあれか。つまりはネットフリックスの影響か?)


 王女が少し恥ずかしそうな仕草で僕の手を握りしめた。


(ネットフリックス様、ありがとう。異世界のお姫様をよくぞ教育してくださいました)


 僕はコホンと咳をした。


「そ、そうだったね。じゃあ、デートしよう。どこに行きたい?」


「原宿でクレープが食べたい。それから水族館にも行きたいし、ディズニーランドにも行きたいな」


 こうして僕は王女とちゃんとしたデートすることになった。


 そしてデートの後に待ち受けているものは……。


 言うまでもない。


 僕は期待ではちきれそうになった。


 どこがという愚問は問わないでほしい。


 まずは王女を満足させるデートをするというミッションをクリアすることが先決だ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ