第2話 出動
アンは服を脱ぎ捨てながら走った。
自室に入ると、メイドがタクティカルスーツを広げて待っていた。
緊急通報は、同時にアンのメイドの待機室にも繋がっていてブザーが鳴る仕組みだった。
「姫様!」
「頼むぞ」
メイドに手伝ってもらってすばやくタクティカルスーツを着てブーツを履き、装備を装着した。
「行ってくる」
そう言うと自分の部屋に作らせたシューターに飛び込んだ。
すべり台のようになっており階下で待っている特殊装備急襲隊、通称アサルトチームの車輌の前に降り立つことができる。
王宮の地下通路の前にアンが降りると、既に車輌は着いていた。
「隊長、乗ってください」
アンは後部のハッチから特殊車両に乗り込んだ。
アンが乗るとすぐに車は発車した。
「状況は?」
「パン屋に刃物を持った男が立てこもっています」
「人質は?」
「パン屋の娘が捕まっています」
「人質は一人か」
「一人です」
「何が目的だ」
「まだわかりません」
車輌はほどなくして現場に着いた。
アンたちが車から降りると、野次馬たちが寄ってきた。
「アサルトチームが到着したぞ」
「あれが異世界の技術で作られた鉄の馬車か」
「異世界の技術を見るのは初めてだぞ」
物珍しげに野次馬たちが集まってきた。
アンは現場の治安部隊の隊長を呼んだ。
「規制線をもっと広げろ、野次馬を中に入れさせるな」
「はっ」
アンはチームの皆に向き合った。
アンが指揮するチームのメンバーは5人いた。
「まず、ジルはパン屋の向かいの銀行の屋上に行って。まどかは、ジルのバックアップよ。私が合図したら狙撃して」
「了解」
ジルは長身のスナイパーライフルを抱えて、犯人が立てこもっている建物の向かいの銀行の屋上に向かった。
「オクトパスとジョンは正面で待機。私達が中に入り、人質の安全を確保したら、正面から突入よ」
「了解」
ジョンはアサルトライフル、オクトパスは大型の機関銃を肩に担ぎ正面に向かった。
「ラットは私と来て。裏から回って、中に入るわ」
アンはラットと店の裏側に回った。
店の店主から内部の構造は事前に聞いていた。
裏口の前に来た。
アンはそっとノブを回してみた。
ドアには鍵がかかっていた。
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