第20話 天井から降ってきた女の子
「うわああああああ」
「きゃあああー」
僕らは同時に叫んだ。
女の子が墜落してきたショックで僕の左手からスマホが飛んでベッドの下に落ちた。
女の子はシーツのような薄い布をローブのように羽織っているだけで全裸だった。
お腹の上に落ちてきた女の子は、逃げようと少し後ろにのけぞるように後退して、僕の下腹部の上に跨る姿勢になった。
僕も女の子から逃げようとするが女の子の下になっていて動けない。
女の子が動揺して身体を動かした。
放電寸前の僕の上に下着をつけていない女の子が直に触れて動き回る結果となった。
その後、僕に起きたことは何も言うまい。
ただ彼女がすごい悲鳴を上げたとだけ言っておこう。
そして、僕の手を離れたスマホはアダルト動画を流し続け、女優さんがクライマックスに達する喘ぎ声と彼女の悲鳴とがベッドの上で微妙なハーモニーを奏でた。
僕は一刻も早くスマホを手に取り、動画を止めたいのだが、彼女が下腹部の真上に座っている状態なので下手に動くことはできなかった。
変な風に動くと子供が出来てしまいそうな大きな事故が起きてしまうかもしれない体勢だったからだ。
「どいて」
「何?」
「早くそこをどいてよ」
彼女はやっと自分が僕の上から立ち上がって離れればよいのだと気が付き立ち上がった。
そして、僕の顔の上をノーパンのまま、またぐような形になった。
その時、僕は見てはいけないものをもろに見てしまった。
それに気がついた彼女が怒りの唸り声を上げた。
そして、再びマウント状態になると、僕に拳を振り下ろした。
僕はブラックアウトした。