15/81
第14話 謎の襲撃者 その1
「王と王女はどこだ」
突然出現した男は刀を振り回しながら血走った目でそう言った。
「貴様」
制服姿の王宮警備官が剣を抜いて男を確保しようとした。
男の刀が一閃した。
警備官の首が落ちた。
「まどか! ジル!」
アンは叫んだ。
まどかたちが、メイドを引き連れてきた。
メイドはアンやジルたちの装備と拳銃を持っていた。
アンはティアラをメイドに渡しヒールを脱いだ。
そして、予備の弾薬などが入ったタクティカルベストを装着した。
スカートが邪魔なので引き裂いた。
グロック19をメイドから受け取るとスライドを引き、弾を弾倉からチャンバーに装填した。
そして、駆け出した。
オクトパスとジョンが刀の男と対峙していた。
「武器を捨てて投降しろ」
ジョンが銃の照準を相手の眉間に合わせてそう叫んだ。
男は無視して進んできた。
ジョンとオクトパスがトリガーを引いた。
国家の要人が大勢いるこの場所では、犯人を殺さずに確保することよりも、脅威を取り除くことの方が最優先だった。
弾は男の頭に向けて飛んだ。