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悪の組織一家シリーズ

パパは悪の組織の首領 ブラックジャスティス≠ダークコンドルオリジン

9年前、太陽系外の探査から帰ってきた宇宙飛行士達はある物を見つけた

宇宙から持ち帰った無人の異星人エイリアンの宇宙船だった、しかも三隻もだ

この頃から、宇宙船に残された異星人のテクノロジーを使った

新兵器(通称変身システム)や怪人変化装置が作られ使われ始めた

人為的なモノか科学者のミスかは真相は定かではないが

突如宇宙船の装置が暴走した

そして現代世界は異世界へと繋がった

廃棄された三隻の宇宙船の中に異世界へとつながる時空の裂け目が出来た

以外にも異世界の人間達とはすぐに交渉を成立させ平和条約が結ばれ交易などの国交が始まった

しかし、急激な変化に世界はついてこれず

異世界のモンスターが暴れ、魔法や超能力を己の欲望のために行使する者が後を絶たず

反政府組織(悪の組織)の乱立、それによる軍隊や警察組織の弱体化もあり

それによる世界的な治安の悪化が著しかった


そして、ヒーローが誕生した


世界各国はこの事態に対処するために

国連組織「英雄の光」(ヒーローライトニング)を立ち上げた

所属するヒーローには魔法や異星人の超兵器を使う許可を与えるための公的機関

ま、やってることはお金を払って警察の代わりの治安維持活動

公務員・・・みたいなものかな

それは人々には希望に写っていた、そのことは俺にとっておおきな誇りとなっていた

人々はヒーローブーム、ヒーローを賞賛し支持する声が鳴りやまなかった


そんな世の中で、俺は一家のパパで街を守るヒーローだ


俺は生真真38歳の男性、ヒーローの仕事している以外はごく普通の男である

「じゃあ、行ってくるよ」

午前6時、朝起きて歯磨きをしてスーツに着替えて朝ごはんを食べ

家族に行ってきますと言って仕事に行く

当たり前のいつも通りの日常だ

リビングには俺を見送ってくれる愛する妻と子供たちがいた

「はいいってらっしゃい」

妻の美代と

「お父さん、お弁当持った?」

「あるよ・・・最近お母さんに似てきたな」

今年から社会人の長女の愛と

「おう」

「パパいってらしゃい」

大学生の長男の生に、中学生の次女の翼

「生も翼も学校に遅刻しないようにな」

「夕飯までには帰ってくるつもりだから」

「気お使わなくても大丈夫、私も今日は友達と海崎へ遊びに行くから」

俺は大切で愛する家族に向けて、玄関を出る

今日も変わり映えのない平和な一日になるそう思ていた、この時までは・・・


俺は、自動運転の車で国連組織「英雄の光」の地方支部の事務所兼待機所が

入居してるビルの玄関まで乗りつける

車は自動運転なので出社の後は自動的に帰ってくれる

昔はぎゅうぎゅうの満員電車で通勤していたが便利になったものだ

「おはおう、夜勤お疲れさん」

俺は事務所に入るなり、夜勤開けの同僚達に挨拶していく

「おう、さすがにもう眠くてやばい」

「真さんはいいよな~美人の奥さんもいて夜勤もたまにでいいし」

「あはは・・・悪いと思ってるよ、その分頑張るって」

「今度、一杯おごってやるから」

「さすがこの支部のエースヒーロー!懐が違う」

仲間達からは、冗談まじりのいつも通りやり取りを交える

彼等も本気では言ってない、お互いに信頼しているからここまで言い合える

ま、エースヒーローなんて呼ばれているけど

あくまでこの日本支部でそれなりに強いってだけで、全国を見れば上は沢山いる


「お、来たか真・・・悪いがさっそく仕事だよ」

「お、優良おはよう、場所は?」

現れた中年男性は同じヒーローで同じチームに入ってる俺の相棒バディ

三佐優良だ

彼は俺の昔からの幼馴染で、子供の頃のヒーロー番組に一緒に夢中になったり

一緒に遊んだ仲だ

その関係が今日まで続いていて、お互いに脱サラして一緒にやろうって誘われた

それが8年前に一緒にヒーローライトニングに入るきっかけとなっていた

「金四季町のD番地Bの12金四季駅ビルの水夫銀行で組織的な強盗事件が起こった」

金四季町か・・・子供の通う学校に近いな

「反抗集団はその場から既に・・・まぁ逃走用のトラック車両数台が現在海崎方面に向けて逃走中だ」

良かった・・・って言ったら不謹慎だな

幸い子供達の学校とは逆方向に逃げてる

しかし、そうなると後は奴らの目的と逃げた先にあるものだな

「サポート班の分析した結果だと・・・」

優良は地図の港を指さす

「逃走先は、海崎港の白レンガ倉庫か・・」

その先には海しかない

普通なら自ら袋小路にいくようなものだ

ま、この時代どこにどこに逃げても隠れても監視衛星やドローンやら探知魔法やらあるので前時代的な銀行強盗が成功するとは思えないけど

それこそ海を潜って泳ぐなんて無茶をしない限り・・・

ん・・・まてよ、確か美代が今日海崎に遊びにいくと行っていたな

・・・まずいな、最悪の事態にならなければいいが

「・・・その港には不審な船舶が最近海上保安庁に何回か補足されてるらしい」

優良のその言葉にやはりかと俺も頷く

「潜水艦まで用意できるってことは場当たり的な犯行じゃなく組織的な反政府組織が関わってる可能性があるな」

潜水艦なんてものを用意できる

それだけの資金力がある強盗はもはやただの犯罪者ではない

9年前から現れた乱立してる反政府勢力・・・一般人の間では悪の組織と呼ばれるもだ

相手はNBC兵器(毒ガス)や生物兵器を有してる可能性が高い

俺達だけ最悪死ぬのは仕方ないが、広範囲に影響を及ぼす核拡散・生物・化学・禁止条約兵器は一般人の命にも関わってくる可能性が高い

慎重に行く必要があるな

「ああ、慎重に行く必要があるけど逃げ切る前になんとしてでも捕まえたいとこだ」


その後、俺と優良それとチーム組んでる同僚4人達はサポート班の用意したVTOL航空機に乗り込み

奴らの逃走先の港に向かっていた

窓には他に航空機が二機追従している

俺達の他に制圧選ばれたヒーローチームが一機6名づつがのってる

合計で18名で制圧作戦を行うことになる

「って、制圧に俺達と後2チームだけか?」

「ああ、なんでも他のヒーロー達は今G30各国首脳会談の警護とかやらで忙しいらしい」

「お偉いさんの命の方が大事って訳だな・・・やれやれ」

俺はそれとなく、疑問に思っていたことを優良に聞いた

「それにしても奴らの目的、金だけじゃ潜水艦諸々と釣り合わない」

「奴ら目的は金品だけじゃなくて何か他の重要なものを盗んでる可能性が高い」

「重要な物?」

「ああ、水夫銀行に聞いても現金以外に盗まれたものは無いってよ」

「隠蔽ねつ造裏工作・・・この国のトップはそんなんばっかだ」

優良の顔は心底そういうのを嫌ってる顔だった

昔からそうだ、優良はすごい正義感が強いんだ

そうやってあ互いに話し合ってる間に、俺達は犯行グループのトラックが一般道路を速度違反しながら走ってる、その頭上まで来ていた

だけど、逃亡までのタイムリミットからかなりギリギリだった

彼等はもう港についていて、警察の監視ドローンを撃ち落として積み荷を降ろしてる最中だった

「お喋りはここまでだな、いくぞ!」

「おう」

航空機の後部ハッチが開く

それぞれの武器えものを持ち

「降下開始!」「「降下!」」

合図と共に、犯行グループのトラックめがけて降りていく


「変・・・身!ブラックジャスティス!」

降下中

俺は腕のブレスレットに認証機キーを差し込んでヒーローへ「変身」する

ブレスレットに超圧縮されていた異星人の超科学物質が解放・再構成し黒色の特殊スーツが衣服ごと体を包む

肩と胸部に鷹の羽の意匠がついたプロテクターが装備される

最後にコンドルをモチーフしたヘルメットが装着された

「GO!レッドトレジャー!」

相棒の優良もヒーローへと変身する

赤色のスーツに体を包み

剣の意匠のプロテクターが腕と胸に装備され

最後にライオンをモチーフとしたヘルメットが装着された

他の同僚達4人も変身し奴らに向かっていく


俺は体を捻り、犯行グループの先頭トラック目がけて飛び蹴りを行う

俺・・・いやブラックジャスティスの蹴りは金属できたトラックのボディをいとも容易く破り

一気に貫き、煙を上げながら地面に着地

エンジン周りを破壊されたトラックは動きを止めて爆発し炎上した

異変に気づいた後続の犯行グループのトラックの荷台からは武装した多数の悪党が降りてきた


「なんだ!?なにが起きた!」

「こ、こいつらヒーローだ!・・・クソ!お前ら武器を取れ積み荷を守らせろ!」

続いて地面に降下した優良ことレッドトレジャーは高速で走行するトラックの前行く手を阻むように体を横向きして立ちはだかった

「構わねぇ、やっちまえ!」

当然、相手の命などお構いなしの犯行グループのトラックはレッドトレジャーをのまま轢こうとするが

レッドトレジャーは横向きのまま左手を前にかざしてトラックのバンパーに置いただけで、トラック動きを止めてしまった

「何だこいつ!?動け・・・動け!」

止められたトラックはさらにスピードを上げようとアクセルを限界までべた踏みするが

タイヤは白煙を上げその場で空回りするだけでその場からびくともしなかった

「焦るな焦るな・・・」

「パーティは始まったばっかだぜ」

にやりと笑みを浮かべたレッドトレジャーは、右手に出現させたライオンの意匠が付いた剣で

トラックを縦に一刀両断した

その後、トラックは爆発する、恐らく火花がガソリンに引火したのだろう

その後戦いはほとんど俺達が圧倒的に有利進んだ

武装した犯行グループはアサルトライフルや火炎魔法で攻撃してくるが

力任せに乱射してるだけのまったく素人だった

アサルトライフルの銃弾程度では、変身したスーツに傷一つつけることができず銃弾は弾かれ地面にただ落ちていく

魔法を使った攻撃も同様に

こちらのヒーローにも魔法を専門する魔法使いや魔術師のヒーローがいるので

それれらの防御魔法や反対呪文・攻撃魔法で相殺されてしまう

普段から訓練してる我々と素人では勝負にならないと言っていいだろう

「はぁ!」

俺は右から撃ってきた悪党を

手持ちの武器である二丁拳銃ファルコンガンで撃ち気絶させる

その後、両手を広げ、左右の敵を撃ち

次に正面の魔法防を展開してる悪党に両手の二丁で連射を浴びせる

ファルコンガンの乱射を受けた相手の魔法防御はバリンと音を立てて破れ、乱射をもろに体を受け吹き飛んで行く

「これでも食らえ!」

さらに後方からの悪党二人が対戦車兵器であるジャベリンを撃つ

俺はバク天のように飛んで回避する

俺の背中には鷹の翼を思わせる羽がでている

俺の周りに、茶色い羽が舞う

この羽は変身スーツの能力の一つで、自在に空を飛ぶことができる

羽で力で羽ばたき悪党の二人の上空を取った

「ど、どこだ!?どこいった!」

「上だ馬鹿!」

ジャベリンの爆発と爆音で視覚と聴覚が制限されたおかげで、奴らは俺も見失った

「ワイヤークロ―!」

俺は逆さまの状態で拳銃を向ける

二つ目のスーツの能力、拳銃からワイヤーが発射される

先端が鷹の爪のワイヤーは、そのまま悪党に向かっていき

右のワイヤーは相手の手に突き刺さりジャベリンを無力化する

左のワイヤーは相手の首に巻き付き締め上げ苦しめる

そして、ワイヤーを巻き上げ、悪党二人にを持ち上げ

体を勢いよく回転させ渾身の力で蹴り飛ばす

悪党二人は折り重なって、倉庫の壁を破って吹き飛ばさた

そして、俺はそこら編の街路灯にワイヤーを絡ませ移動する

い一方で相棒レッドトレジャーも大活躍していた

「サウンドバスター・ソード!」

獣、ライオンの咆哮を思わせるような音波衝撃波を剣から放出させると

辺りにいた数人の悪党は吹き飛んで行く

さらに相手の魔法使いの火炎魔法を切り裂いてく

銃弾を剣で跳ね返して当てる

剣で次々に切り倒し、剣から出す衝撃波で遠距離の悪党も倒していく

他の同僚達も、武器や徒手空拳で殴ったちして犯行グループを気絶させ制圧していく

一人、また一人と数を減らしていく犯行グループ

完璧だと思われた計画で突然のヒーロー襲撃に焦っていら立っているいるリーダー格の男は

自らの腕に注射器を刺した、中の緑色の液体が体に入っていく

「こうなったら・・・」

まずいな・・・こいつ怪人化するつもりか

「こいつ・・・怪人化するぞ!」

同僚の叫びと共に、犯行グループのリーダー格の男の容姿が変わっていく

筋肉や皮膚はボコボコと盛り上がって形を変えていき

体色は黒色と黄色に変化し顔はおよそ人間とは思えないほどにドロドロに溶けたあと再構成され変わっていった

目玉が形が不揃いの8つに増え

背中から8本の足が生える

彼は体を人型の蜘蛛ような怪人となっていた

「ぎゃっはは、最高の気分だ・・・・この力が有れば誰にだって負けねぇ!」

蜘蛛怪人と化した男は、辺りに凄まじい魔力を放出させる

魔力の衝撃波だけで一般人なら吹き飛ばされかねない

蜘蛛は、手と口から糸を発射する

俺と優良は避けれたが、同僚達二人が当たってしまう

「うわっ、くそ動けない」

「燃やすのも時間かかるかっ・・・」

どうやら、粘着性のある糸らしいな

蜘蛛だから当然か

しかも、ある程度火にも強いのか

抜け出すのは時間がかかりそうだ

当たらないよう慎重に行く必要があるな

「こないならこっちからいくぜぇ!」

反撃がないのに調子にのった蜘蛛男は

がむしゃらに拳や蹴りで攻撃していく

その一撃一撃がコンクリートの壁や床を容易く破壊してしまうほどの威力だった

違法に人体を改造した人間・・・否怪人の身体能力は常人の何十倍、五輪選手をゆうに超える

それこそ俺達ヒーロー変身と同等レベルの奴もいる

同僚一人人が隙をつかれ殴り飛ばされ

フォローに来た二人目も蹴られ壁まで飛ばされて行動不能のダメージを受ける

俺と優良だけで何とかしなくちゃな・・・

俺はある作戦を思いつく

優良へ目配せをすると、こちらの意図に気づいて頷いた

俺は奴の注意を引くためあえて翼で飛び、空中で左右に動いて挑発した

「こっちだ弱虫野郎!」

「空を飛べるからって調子に乗るなよ!」

挑発に上手く乗せられた蜘蛛男は壁に横向きで張り付き、俺に向かって蜘蛛糸を手当たり次第俺に向かって吹き付ける

俺は、障害物を盾と活用し左右に移動しながら辛うじて避けていく

しかし、ついに捉えられてしまった

一瞬、壁際に寄ってしまったことが原因だ

腕に粘着性のある糸をくっつく、その腕と糸が壁にくっついて離れない

「ぎゃぎゃぎゃ終わりだ、鳥野郎!」

そこへ、蜘蛛怪人は炎魔法を撃ちこもうと手に魔力を貯めていく

「なんてな、隙あり!」

しかし、そこへ俺より高い位置倉庫の屋根に移動していたレッドトレジャーが

屋根からジャンプして、蜘蛛男に切りかかる

「鳥野郎は囮ってか、そんくらい分かってたんだよ!」

俺を囮にしてレッドトレジャーが奇襲をかける

普通ならそう思うだろう

「それはどうかな」

だけど、俺達の絆と信頼はそれを上回る!

「なにぃ!?」

ここでようやく蜘蛛男は気づいた

「しまった・・・上にばら撒いた糸が・・・・絡まる・・!」

自分が上空に撒いた粘着性のある糸が、自分にもかかってしまっていたことに

自らの糸で動きを封じられる

それが俺達の真の狙いだった

腕の糸を腕だけ変身解除することで解き

俺と優良のは渾身の必殺技を上空から奴に撃ちこむ

「「終わりだ!」」

「「必殺」」

俺の飛び蹴りとレッドトレジャーの剣が奴の体のど真ん中に直撃する

すさまじい衝撃波が発生し辺りはの建物や地面がバキバキに破壊される

「ジャスティスフェザー・キック」

「百獣王斬!」

「ぎゃああああ!」

蜘蛛男は悲鳴を上げ、気絶し倒された


蜘蛛男に勝利した後、俺達は犯行グループ全員に手錠をかけ縄で縛った後

付近で待機していた警察に引き渡してる最中だった

警察の規制線が敷かれてる向かうに大勢の一般の人達、野次馬が集まってきた

「勝てたか・・・危ない所だったな」

「ああ、他のチームも終わったってさ」

「でも楽勝だったな!蜘蛛男以外数だけ多いだけの雑魚だ」

「おい、まだ油断はしない方がいいぞ」

「でもあの蜘蛛男・・・いつもの怪人よりちょっと強かったよな」

そうやって軽口を叩き合っていた時だった

妻の声が聞こえた

野次馬の中でも見間違えることはない

美代だ

海崎に遊びに行くと言っていたがやっぱり近くにいたか

「あなた」

「美代、やっぱりいたか」

「ボロボロね」

美代は俺のボロボロのスーツを見るなり苦笑した

だけど俺は恥ずかしげなく胸をはって自慢気に語る

「ああ、今日もヒーローとして大活躍だったさ」

「ふふ、あんまり無茶はしないでね、翼だってまだ貴方が必要な年なんだから」

「分かってる、でも子供に負けましたなんてヒーローとして恥ずかしい姿は晒せないからね」

俺と美代はそんな他愛もない会話を弾ませ笑い合う

「あれ、そういえば優良は・・・」

俺は優良がいないことに気づいて、辺りを探し始める


俺は犯行グループが運んでいたある物を見た

いや見てしまった

しかもそれは、優良が裏で「それ」をこっそり回収しようとしていた時にだ

「これは・・・なんだ?おい優良・・・」


そこにあった物は・・・

人間を怪人化させるための

さっき蜘蛛男が使用したあの注射器だ


「見てしまったか・・・真」

「お別れだ、真と過ごした時間は楽しかったよ」

「騙されてるともしらずにな!」

そう言った優良は、俺が見たことない表情

で分かれの言葉を告げる

例えるなら、悪党の顔だった


「俺は英雄の光の猟犬だ・・・・・だから」

それが優良の最後の言葉だった


その瞬間、優良は爆発と炎に包まれた

優良だけじゃない、全てだ

港全てが地獄のように燃え盛っていた

白レンガ倉庫に何物かが仕掛けた大量の爆発物が爆発した


俺は、炎に包まれた優良のことも考えることができず

ただ爆発を受けて痛む体を肩を押さえ引きづりながら

妻の元へ向かう

さっきまでい場所は、地獄の様だった

倒れてる警察官、同僚達

体に爆弾が仕掛けられていたのだろうか、木端微塵になった犯行グループの・・・人間

そして、美代

俺はすぐ様、かけより体を起こす

「美代・・・目を開けてくれ・・・頼む!」

だけど、その体はもう冷たかった

周りはこんなに熱いのに・・・何かの冗談であるなら

これはただの悪夢であるならどれだけ良かっただろう

「そんな・・・・・・そんな・・・・・そんな!」

「うあああああああああ!」

一人の男の叫びが炎の中でむなしく響いていた


しばらくして、雨が降ってきた

妻の亡骸を呆然と抱きかかえる俺に近づく「鬼」が来た

実態のない怪物、紫色の影のような者だった

「やあ、私は天邪鬼」

「君の奥さんを助ける方法、あるんだけど」

「っ!?」

呆然としてた俺はその言葉にはっと正気に帰る

天邪鬼とかいう鬼を見上げる

美代を助ける

何だってするそのためなら悪魔でも鬼にでも魂を売ってやる

「そのために、その体を貰おうか」

「そして協力してほしいんだ・・・私の悪の組織に」

その日から妻の体には天邪鬼が入ってる


護送車

ある男が蜘蛛男に近づく

「逃げていいぞ」

「お前は・・・・くく・・・・くくく」

「ははははは!ついてるついてるぞ俺・・・まさかヒーローにあんな奴がいたとはな!こんなとこで捕まってたまるか!」

捕まっていたはずの蜘蛛男は逃げた

「まずい逃げたぞ!追え」


英雄の光側の死者6名、重傷者11名、行方不明者1名

警察官6名死亡、3名重体

犯行グループメンバー40名は全員死亡

民間人の犠牲者9名

倉庫は跡形もなく吹き飛んでしまった

彼等の運んでた積み荷も同様に

だから

彼等の目的、本当は何を運んでいたいたのか分からずだった

ただ一人を除いて・・・

大惨事を引き起こしたこの事件は後に白煉瓦爆発事件と呼ばれた


その後も彼の不幸は続く

「娘が自殺・・・?」

「頼む・・・天邪鬼・・・娘を助けてくれ」

「どんな代償だって払う」

神は・・・英雄の光は

俺から娘まで奪おうっていうのか・・・?


俺はこの事件で大切な妻と親友を失くした

優良が最後に言った言葉「英雄の光」

それがずっと俺の心の中でもやもやとくすぶっていた


命からがら助かった俺は、後に政府の人間と面会することとなった

「この度は事故から回復おめでとう・・・奥さんのことは残念でしたな」」

「真君、君が優秀なのは知ってる・・・だから聞きたい」

「あの日、三佐優良は何をしていたのか知っていたら教えて欲しい」

そう聞かれた

俺は何も知ってません見てません聞いてませんと答えた


英雄の光は何かを隠している

そして隠している英雄の光はいずれ家族にも危害を加えるかもしない

だから俺は決意する

真実を知るため、守るため

「お父さんお願い、私も・・・手伝わせて」

俺は、ベットの上で長女の手を握る


そして月日は流れ一年後

生真真・・・ブラックジャスティス・・・否

「ダークコンドル」は玉座に座り言う

「俺は家族を守るなら悪にだってなってやる」

隣には長女・愛、最高幹部で秘書を務める

その両脇に幹部として長男・生と次女・翼がいた

生真真は一家で悪の組織を立ち上げ、その悪の組織の頭領とダークコンドルとなった

そう、これは彼のオリジンの物語


ほんの始まりに過ぎないさ

天邪鬼の私が言うのも可笑しいか

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