帰還
コアの上で息を吐くと、胴鎧が切り崩される。
「上手く行ったね」
「あぁ」
現れた早坂に返事をしてコアから降りる。
「おっきいね、コアも」
「あぁ、俺よりちょっとデカいくらいか」
目玉のようなコアを見つめていると、結界刀を突き刺した箇所から亀裂が走る。
「お?」
その亀裂はコアを一周すると真っ二つにしたように割れる。
そして、その中にあった物をさらけ出した。
「これって……」
コアの中にあったもの。
それは巨大騎士に魔力を供給していた本体。
アーティファクトだった。
「これが中に入ってたんだ」
「だから魔法障壁を張りっぱなしに出来てたのか」
巨体を動かすにもかなりの魔力を消費する。
アーティファクトをコアにでもしないと、動かしようもないか。
「収穫だ。こいつは高く売れるぞ。俺たちで使っても良い」
「やったね」
ハイタッチを交わし、アーティファクトを持ってダンジョンを後にする。
最初はどうなることかと想ったけれど、案外、いいコンビになれそうだ。
「どうかした?」
「いいや。はやく帰ろう」
そう誤魔化して止まっていた足を動かした。
最近、色々と忙しくなり、体調不良もあって、余裕がなくなってきたので、申し訳ありませんがこれにて完結とします。
ありがとうございました。




