やってきたのは裏世界?
「…できた……できたっ、できたできたできたできたできたできたできたできたできたできたっ!!!!」
どことも分からぬ、星の海の中、女は狂気的な笑顔で自らが創り出した4枚の真っ黒なカードを見つめながら叫ぶ。それを作り出すために、彼女は悠久の時間を費やしたのだ。
「はぁ…永かった…本当に永かった………これで私の計画は次の段階に進めるっ!」
女は今にもスキンシップをして踊り狂いたい衝動を何とか抑えながら4枚の黒いカードに不備がないかを念入りに確認する。
「問題なし……あとはこれをみんなに渡すだけ………ふふ、ふふふふふふふふふっ!!」
そう言って女は自らの側にあった泉に4枚のカードを放り込んだ。カードは水面を揺らすことはなく、まるで吸い込まれるように消えていった。
「さあっ、私の世界に来てっ! 久来っ、綾っ、美奈っ、直っ! そして、始めましょう、ずっと一緒に、異世界ライフをっ!」
女は目を爛々と輝かせ、四人の来訪者を待ち続ける。それは、全ての悲劇の始まりだった。
◇ ◇ ◇
「3点で600円になります。」
客が出してきた商品を会計してお釣りをトレーに乗せる。
「…ど…どうもですっ!」
そして客は怯えた顔でトレーの金をひったくるようにしてコンビニから出て行った。
「…………はぁっ。」
俺はそれをみてデカいため息をつく。
「縁くんいい加減慣れなよ〜。これでも君限定でお釣りの手渡し禁止条例敷いてマシになったほうなんだからさぁ。」
奥から出て来た店長が半笑いで言う。
「アイドルの握手会かなんかですか? いや、あれはむしろ触られるのがご褒美だから…俺の場合逆か。」
「縁君マジで見た目厳ついからさ〜拳もでかいし立ってるだけで圧力すごいし。直接触るくらいならお釣りいらないとか言うお客さんもいたくらいだからねぇ。」
俺は生まれてこの方、筋骨隆々な体格に加えて三白眼、いわゆる強面で周りからビビられてばかりだ。
「ならもういっそレジの仕事回さんでくださいよ店長。」
「いやいや人手不足のコンビニでそんな特殊配置するわけにゃいかんよ〜。縁くんが自分の顔を何とかする方が早いって。」
「表情と言ってください店長。顔は悪口でしょ。」
「顔であってるよ〜いつも睨み効かせてさ〜なにぃ、私生活充実してないからそんな顔なの?」
「あ、でも俺この間同級生から告られましたよ。」
俺が自慢げに親指で自分を指差す。
「へぇ、縁君のどこが好きになったの?」
「顔。」
「嘘つけ。」
「流石に酷くないすか…?」
「コラッ! 縁久来ってな感じで駅前の指名手配の顔に載ってても違和感ないよ。」
「マジで人手不足の中入った数少ないバイトに良くそこまで悪し様言えるもんですよ。」
まぁこの人に拾ってもらってなかったらバイトになんてありつけなかったろうから感謝してはいるけど。
「ははっ、で、告白どうせ断ったんでしょ? あ、それとも妄想?」
「事実ですよ。…まぁ断りましたけど。」
「ほんっと焦ったいなぁ君とあの子の関係は。」
やばい、またあの話になってしまう。
「はいはい時間なんで上がらせてもらいますよっ、お疲れ様ですっ。」
「おう、お疲れさ〜ん。明日も頼むね〜。」
見た目で損する苦労人。俺、縁久来 は、そう言ってそそくさとその場を後にした。
大食らいの強面少年: 縁久来 学生
そういや昨日俺を勝手に生徒会選に立候補させようとしたあのアホ毛金髪のバカの制裁を忘れてた。俺は携帯を取り出す。
「………出やがらねぇ。あの野郎、次見つけたらタダじゃおかねぇ。」
アホ毛金髪の番号に鬼電するも出ず。
「ひぃ…タダじゃおかないだって…あの人、縁久来だっ…万引きしようとした人をその怒気だけで殺し、食ったって言う…。」
またビビられてる…ていうか食うってなんだよ。食うのは飯だけだろ…。
この縁久来、生まれつきの大食漢で、家の食いもんを食い潰し続けて、高校合格と同時に実家を追い出されたのが1年前、今は格安のアパートに一人暮らしをしている。
一人暮らしを始めて自分の食費を稼ぐのがいかに大変か実感した。
…それとも俺が食い過ぎなだけ? 分からん。人は食ってない。
今も両手には今日の夕食のナポリタン弁当4つとおにぎり6個、肉まん4つの入ったレジ袋を持っている。
「あぁ〜…早く飯にすっか。」
「ひっ…食事だってよ…逃げろっ食われるっ…!」
もういいわ…。
アパートの前まで来た時に、扉の側に黒いカードが落ちているのを見つけた。
「何だこれ? カード? 容疑王のカードか?」
もしレアなやつなら儲けモンじゃん。高いやつなら100万とかするらしいし。ラッキー。
俺は人がいないのを確認してカードを拾った。
あれ? 容疑王じゃない…デョエマでもない、というか何も模様すらない。真っ黒なカードだった。
「なんだよレアカードじゃないのかよ。ていうか何のカード…って」
俺がため息をついた時、真っ黒なカードが激しく発光し、辺り一帯が光に包まれた。
「うぉっ、何だっ!?」
◇ ◇ ◇
「なんか久来の兄貴からめっちゃ鬼電来てんなぁ。多分アタシが勝手に兄貴の名前で生徒会長選に立候補したのがバレたのかもしんねぇ。」
ファミレスでお茶していた鳴海美奈はそう言いながらスマホをスワイプして着信拒否を押す。
アホ毛金髪後輩: 鳴海美奈 学生
「自らの預かり知れぬ所で全校生徒の代表になる危険があるのは久来くらいだよ。美奈ちゃんそろそろ殺されるんじゃないかなぁ?」
正面に座る結城綾はおっとりとした声で言い、パフェをつついている。
才色兼備な優等生少女: 結城綾 学生
「久来とくらい掛けたんすか? 姉貴寒いっすよ。」
「南半球のペンギンたちも寒がるギャグを言う南高校の美奈さんは自らの行ないを見直して猛省して全校生徒皆さんの前で身投げしてください。」
「みな、って6回も言ってるし。ゴリ押しが過ぎるでしょ綾先輩。」
ゲーム機から目を離さずに美奈の隣に座っている小此木直が言う。
怠惰なオタク男子後輩: 小此木直 学生
「人との会話をする時は顔を上げて目を合わせて会話しようか直くん? 私は君のつむじと会話してるのかな?」
綾が笑顔で言う。
「大丈夫です。俺会話マスターなんで。あるゲームで習ったんです。人との会話は『なるほど』『すごいな』『君は悪く無い』の3つで成り立つそうです。」
「だめだこりゃ、何を言ってるのかさっぱりわからねぇ。ていうか直、お前マジで今日こそ自分で頼んだ分は自分で会計しろよ?」
「やだよ。財布に10円しかない。」
「じゃあお前が今食ってるそのフライドポテトはどうやって払うつもりなの?」
「お前にツケとく。」
「やだよ、もう10万くらい借金してるぞ。まじて人をATM化すんなや。」
「悪いとは思っている。」
直はゲーム機から相変わらず顔を上げない反省ゼロの態度で言う。
「思ってねぇから今回もそんなうめぇ棒一本しか買えない金財布に入れてここ来てんだろうが。」
「美奈ちゃん、うんめぇ棒値上げして12円になっちゃったよ。」
「それ以前に10円って税別価格だからうんめぇ棒すら買えないだろうが馬鹿め。」
「は? 直、お前アタシに今馬鹿って言った? うんめぇ棒一本すら買えない財布の中身してるアタシに10万借金した多重債務者の分際でアタシにバカって言った??」
「まぁな。」
直は相変わらず顔を上げないで言う。
「大体お前はこの年で同い年のアタシから借金とか人として終わってると思わねぇのか?」
「なるほど。」
「これでも友達だからだいぶ多めに見てやってんだぞ? その優しさに少しでも誠意を見せようとは考えねぇのか?」
「すごいな。」
「はぁ…アタシは悲しいよ。直に金貸しすぎて貢いでんじゃね? とか変な噂立つし。お前とつるむとアタシの格まで落ちそうだわ…。」
「君は悪くない。」
「お前次口開いたらマジでしばき倒すぞ。」
美奈が額に青筋を浮かべる。
「むしろ返済能力のない人にそれだけ貸す美奈ちゃんがアホなんじゃないかなぁ。」
綾が合いの手を入れる。
「あぁん? 後輩のアタシにバストサイズ周回遅れの偽乳特戦隊がなんかいってんのかぁ?」
「……は?」
「何でもありません…。」
煽り返した美奈だが綾の圧に秒で屈する。
「心弱えぇ〜。口だけ番長乙であります。」
「おい直、アタシが金払わなかったらお前無銭飲食になること忘れてないか?」
「それよりこのポテトどうするの? カロリー多すぎて私は食べられないよぉ。」
綾はポテトを見ながら言う。
「姉貴はもって食って胸大きくした方がいいって言おうとしたけど、どうせ下っ腹にしか栄養行かないだろうしなぁ。」
「美奈、お前殺されるぞ。……美奈? ……死んでる…。」
美奈は綾の弾丸のようなデコピンに眉間を撃ち抜かれて白目を剥いていた。
…しばらくして、3人は店を出た。
「頭蓋骨の形変わった。多分粉末骨折してる。」
「粉砕骨折だろ。」
直がヘロヘロ歩く美奈の手を引いて帰ろうとする。
「ん? 空から何か降ってくる。」
綾が空を指差す。見てみると3枚の黒いカードが降ってくる。
「親方っ、空からポカモンカードがっ!」
美奈はダッシュジャンプでキャッチ。
「なんだよポカモンレアカードじゃないのかよ〜。」
美奈が肩を落とす中、綾と直もカードを手にとる。
「なんだろこれ? って、眩しっ。」
「あまりにもレア過ぎて輝いちまってるのか。」
するとカードが激しく発光し、辺りが光に包まれた。
◇ ◇ ◇
「ったく、なんだったんだ。」
俺はカードからの光がおさまると辺りを見回す。
そこは先ほど自分がいた場所となにも変わっておらず、相変わらずカードは自分の手の中に収まっている。
変わった所があるとすれば、先ほどの黒いカードは赤く変化しており、何か文字が浮かんでいる。
「何だ、『食料変換』? 自分の体重の…」
暗くてよく見えない。
「まぁ、後で見りゃいいか。」
俺は自宅のドアを開けた。
すると、そこにはジャージを着た知らない女性がテレビを見ていた。
「ん? なんだい君は? 不良の凸とは物騒になったもんだ。」
女はまるで、この家の主人であるかのような言い草だ。また不良扱いされた…。じゃなくて……なっ、なっ…!?
「…ふ…ふふふ不法侵入!?」
「…き…ききき君、その外見に似つかぬ狼狽えぶりだな。」
女はわざとこちらのテンパった口調を真似て言う。
え…? ここ俺の家だよな…? 何で知らない女が我が物顔で寛いでビールまで開けちゃってんの?
俺は携帯を取り出した。
ピッ…1…ピッ…1…ピッ…0…プルルルル…
「ももももしもし、警察ですか? ふふ不法侵入ですっ。」
「ななな何だい君、不法侵入って。ここは私の家だが。」
俺の家でビールを飲んでテレビを見ているジャージ女は首だけ振り向いたまま続ける。
やべぇマジで腹立ってきた反射的に殴りそう…。
この女がどうやって俺の部屋に入ったのかは謎だが、この女がどうゴネたところでこの部屋が俺のものであることを証明する手段はいくらでもある。
きっと他人の部屋を自分のものとか主張しちゃうくらい頭の可哀想なアル中なのだろう。
警察に引き取って丁重に出て行っていただく。
「待て待て、私は嘘などついていないよ。そのホオジロザメのような目はやめるんだ。」
ジャージ女はビールを飲みながら俺を宥めるように言う。そんなに俺は惨めに見えるのか。
「いやいやいやっ、ここは俺の家なのっ。ほら、これ見ろ、〇〇市△△アパート104号室。俺の住所なのっ。食うぞっ!?」
俺は机の上のビールを退けて弁当を広げ、住所が書いてある学生証をジャージ女に見せる。
「作り物か。最近の不良はこんな偽装工作までやるなんて手が込んでいるね。」
「違う違うっ、え、マジでこれは俺が追い出される流れなのっ? やだもうっ!」
「まぁまぁ落ち着くんだ。君は今ストレスで情緒が不安定になっているんだ。深呼吸だ。ひっひっふぅ〜。」
「ひっひっふぅ〜。」
「ふっふっふぅ〜。」
「ふっふっふ…けほっ! 全部吐いてるじゃないかっ! 息が保たないっ! ナチュラルに騙すなっ!」
「はっはっは、少しは緊張がとれたか。…それに君が持ってるそのカード。なかなか面白いことになってるんじゃないか。」
女は一人何か合点がいった顔でニヤつきながら何か呟いている。だが、こっちには何がなんだかさっぱりだ…。
ウゥーッ、ウゥーッ
その時、外からサイレンの音が聞こえてくる。さっき呼んだ警察が来たようだ。
「すいませーん。こちらでしょうかー。」
「え、は、はーい! こっちです!」
何はともあれ、役所への確認なりなんなりして貰えば良いはずだ。後は警察に任せよう。
警察に事情を説明し、確認が始まった。
ー二時間後ー
「バ、バカな…。」
「不法侵入は君の方だったようだね。」
あれから役所など色々確認してもらって、この家の住民はこの神宮とかいう女であることがわかった。
また、俺の学生証の名前の学校は存在していないことが明らかになった。
「これで分かったろう? この家に住んでいるのは私だ。」
神宮…さんは椅子に座り、再びビールを飲みながら言う。
「うぅ…だったらなんで不審者の俺を助けてくれたんだ。」
そう、学生証が偽物、そして他人の家を自分の家だと言い張ったことで、こちらが不審者として連行されそうになったが、この神宮という女が、俺を自分の身内だということにして誤魔化してくれた。
普通はそれでも簡単に済むとは思えなかったが、この神宮が一言添えてくれただけで、俺は無罪放免になった。
この女、いったい何者? ていうか俺の家は? 学校は? なにがなんだかさっぱりだ。夢? 夢かな?
そんな俺の思考を表情から読み取ったのか、神宮が笑い出した。
「はっはっは! 困惑するのも無理ないね。ひとまず、これは夢でも何でもないよ。まぁとりあえず座れ、とりあえずどういうことが起きたのか説明してみなよ。」
他にどうしようもなかった俺は藁にもすがる思いでバイト帰りから自分の部屋のドアを開けるまでに起きたことを話した。
「そうか…これは向こうと偶然繋がってしまったのか…? 何の偶然か…しかし非常に興味深い…」
俺の話を聞いている間、神宮さんは1人合点がいったかのようにうなずき、何かブツブツと呟いていた。
「これが何かわかるかな?」
そう言って神宮さんは謎のカードを俺に見せる。
「分かりません。」
「君が手に持っているカードはついさっき拾ったものかな?」
「はい。」
「なるほどね。やはり私の推測通りみたいだね。とりあえず答えから言ってしまうと、ここは君が元いた世界じゃないんだよ。」
俺の話を聞き終わると、神宮さんはビール缶をもう一つ開けて言った。
元の俺が居た世界じゃない…? え、なに、四次元? パラレルワールドとかいうやつ? 何で? どういう原理で?
「無茶苦茶だけどそれくらいしか説明付かないのか…? でも待てよ。外観は俺がいた世界と全く変わらないぞ。それに言葉も文明も全く同じだし…,」
「まぁ、確かにほとんどが君のいる世界と同じだろうね。ただ、一点だけ大きく違う点があるのだがね。」
神宮さんはそう言って俺が拾った赤いカードを見た。
「まぁでも、それについては明日ゆっくり話そう。隣の部屋はちょうど私の後輩が長期間出払ってる部屋なんだ。鍵を渡すから今日の所は休みたまえ。」
そう言って神宮さんは俺に鍵を放ってくる。結局の所、俺は状況が一切分からないわけだが、神宮さんは俺にきちんとした説明をしてくれるらしい…。
確かに、ちょっと横になりたい…バイトで疲れてるし…この人が何か悪いこと企んでるとか、そこまで深く考えるのすら億劫なのでお言葉に甘えることにした。
「なんかすいません。何から何まで。それで一つだけ聞きたいんですけど、この世界は一体何なんですか。」
俺が居た世界とは違う世界…その割には外観が俺の居た世界とほとんど変わっていないのはどういうことなのだろう。
「そうだね。君が元いた世界が表だとするなら、「裏世界」とでも言っておこうか。」
「裏世界…?」
◇ ◇ ◇
「ねぇ〜マジでここで寝るのかよ〜…?」
空き地のドカンの近くに段ボールを集めている美奈が言った。
「だってこうするしかないじゃん。何か俺たちの住んでる場所とは違う世界に迷い込んじまったっぽいし。ホテル代もないしな。」
直は動き回る美奈に対して寝転がりながら言う。
「異世界ってやつか? なんでっ!? アタシトラックに轢かれても、ブラック企業で過重労働の果てに死んでもいないのにっ!」
「甘いな美奈。異世界への移動には、異世界転生と異世界転移の2種類があるんだ。ていうか、どう考えてもこの変なカードのせいだろ。」
直は先ほど空から降ってきたカードを見ながら言った。
「だったらアタシ、試したいことがある。」
「なんだ?」
美奈はてくてくと公園の中央まで歩き、手をバッと空に突き上げる。
「ステータスオープン!!!」
「………………………。」
「なにしてんだお前? 頭大丈夫か?」
「だってこの間見たな◯う小説だとこれでステータスでてきたんだよぉ!!」
美奈が地団駄を踏む。
「そしてモンスターにいきなり襲われるところまでがデフォだな。ここどう見ても普通の街中だけど。」
「「…………………。」」
「もうやめようぜ。現実逃避は。」
「そうだな。まず夜を凌がないと死ぬ。」
2人してため息を吐く。
「何で俺たちはホームレスの真似事してるんだろう。ホテル代くらいないのか美奈。」
「今日銀行から下ろそうと思ってたから金無いわ。」
「綾先輩は?」
「見ろ、草木と一体化するように眠っている。」
美奈の側には木に寄りかかり眠る綾。
「女子学生が無防備に寝るなんて…。」
「姉貴を襲う奴がいたらそいつが死ぬだけだろ。」
それもそうか。と直が頷く。
「この世界、クレカも銀行も使えないし、札もよく見たらユキチじゃない誰かになってたし、ホームレスに転生する羽目になっちまったな。まぁ明日のことは明日考えよう。俺はあっちで寝るから。」
直はそう言って空き地の土管の中に潜って行った。
「うぅぅぅ〜…何でこんなことになったんじゃあああああ!!」
美奈の咆哮が夜空に響き渡った。
異能力モノです。気に入っていただけたら是非ブクマよろしくお願いします。