プロローグ
初めまして、Liyと申します。
読むばかりでしたが、思い付きで書いてみることにしました。
文章のアウトプットは苦手のため、おかしな文章などもあるかと思いますがご容赦ください。
不定期更新かつ続くかもわからない物語ではありますが、手が空いているときに少しずつ投稿していきたいと思います。
プロローグ
世界は大概理不尽である。
十分に警戒していた。装備も準備も万端で不足など何もなかった。
頼れる相棒もすぐ隣にいた。
いつもと変わらない日常のはずだった。
しかし、この日だけは違ったのだ。
遠くから近づいてくる脅威を確認した。
態勢を整え、士気を整え、装備を整え、考え得るすべてを万端に整え迎え撃った。
だが、こちらの努力や労力など意に介さずにいとも容易く蹂躙された。
砦は破壊されて崩れ落ち、相棒を含め仲間だった者たちは、ほとんどがすでに血と臓物を周囲にまき散らして物言わぬ肉塊となり果てている。
全体を確認している余裕などなく、残っている者は私と同じく混乱に乗じて咄嗟に別棟に逃げ隠れることのできた僅か数人しか把握できない。
薄壁一枚隔てたその裏で四方八方から悲鳴と怒号が響き渡り、何かが叩き潰されるような音やビシャビシャと水音が聞こえてくる。そしてすぐに鉄錆を思わせる悪臭が立ち込め吐き気を催さずにはいられないほどだ。
家財道具をつかい扉や窓から出入りできないようにバリケードにしているが、砦の壁さえ破壊する相手に効果を期待することはできないだろう。
この建物に秘密の抜け道などあるはずもなく、残されている手段は玉砕覚悟で散り散りに逃げるか、相手がこちらに気付かないことを神に祈りつつここに留まり続けるかの二択しかない。
だが、どちらも大差はないだろう。結局のところ私たちは……死ぬのだ。
簒奪の神により生み出された魔物『収穫者』によって。