賢い者と愚か者8
誤字脱字の可能性、大です。
校門を出ると萌葱のガードマンの桜弥さんが待っていた。
「お疲れ様でした、氷雨くんのスピーチ、なかなか面白かったですよ」
「からかわないでください」
「それは失礼しました」
前述のとおり桜弥さんは、萌葱のガードマンだ。
俺が知っている中で最強の人類である。
昔、機関にいた時、萌葱が夜に俺の部屋に来ようとしたらしい。
その時に萌葱がなにかやらかさないように見張りをしていた桜弥さんにスタンガンを最大出力で浴びせたのだが全く効かなかったらしい。
怒らせてはいけない人ランキングの上位に位置している。
「すぐに車を出しますね」
「お願いします」
帰りは車のようだ。
よかった、この服装の萌葱と帰るのはリスクが高すぎる。
車の中では何もなかったのでカット。
さて、家に着いた。
ハッキリ言ってこの家にはまだ慣れていない。
世界には機関と呼ばれる組織がある。
機関は全寮制で小学校1年生から中学校3年までの教育をしている。
機関に入るためには小学校1年生の時点で6年生の授業が理解している必要があり、6年生になる頃には超難関大学レベルのことをする。
その上、進級の際にはテストがあり、テストに合格しないと機関にはいられない。
だから毎年世界中で両手で数えられるくらいの人数しか機関の中学校を卒業できる人はいない。
去年の日本からの卒業生は多く、俺と萌葱と菫の三人が卒業できた。
機関の卒業生は高校、大学などに入る時に何よりも優先される。
機関の卒業生がいるというだけでその学校にとってのステータスになるからだ。
よって、去年の卒業生の三人全員がいる橋姫高校は結構な資金援助を得られているということになる。
まあ、今はそんな事はどうでもいい。
俺がこの家の養子になったのは小学校2年生くらいからだ。
もちろんその頃には機関にいるのでこの家に来るのは夏休みなどの休みの日だけだ。
さすがは世界一の財閥だけあって家というよりは屋敷みたいな感じだ。
広すぎる。
そこらの学校より広い。
意味が分からない。
なんかメイドみたいな人が十人くらいいる。
無駄すぎる人件費。
そして男の執事みたいな人がいない。
父、要するに白崎(夫)曰く、
『年頃の娘にむやみに異性を近寄らせるべきではないのでは?』
らしい。
やっぱり意味が分からない。
思いっきり杞憂だと思う。
広すぎる屋敷に関しては、
『とりあえず広い家があれば場所に困らないんじゃないかな?みたいな?』
らしい。
いや、どれだけ家に物を置くつもりなんだよ。
こんなに適当でいいのか?
別にいいけど。
いや、やっぱりよくない。
迷う。こんなに家が広すぎると迷う。
家で迷子になるとか恥ずかしすぎる。
まあそのうち慣れるか・・・。
そんな事を考えながら俺は玄関のドアに手をかけた。
その瞬間、手に電流が流れた。
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