賢い者と愚か者6
なかなかストーリーに進展が見られないのは仕様です。
入学式が終わって解散になると皆思い思いのことを始めた。
友達作りに勤しむ奴、早々と帰宅する奴などいろいろだ。
そんな中一人だけ職員室に向かって歩く変人がいた。
まあ、もちろん俺のことなんだけど。
知っての通りスピーチが原因だ。
気分は罪人。
まさか萌葱の囚人服は伏線だったのか。
・・・違うか。
そんな事を考えていると職員室前まできた。
入学式の日に2度もここに来ることになろうとは。
さて、さっさと怒られて帰るとするか。
「なんで呼び出された分かっているよね」
癒し系先生から有無を言わさぬ威圧が発せられてる。
「怒らないから理由を言って、怒らないから」
あっ、大事なことだから2回言った。
「1時間半で考えるのは無理です」
「開きなるな」
「ごめんなさい」
あれ?怒らないって言ってなかった?しかも2回。
「あのね、なんで僕がこんなに怒っているか分かる?」
やっぱり怒っていらっしゃる・・・。
「スピーチの内容が酷かったからですかね?」
「もちろんそれもあるよ。だけどね、それ以上にね、5分間もスピーチとは到底言えないあれを続けたことに怒っているの」
「いや、だって、5分間しろと言われたから頑張ってやったんですよ」
「それは長くてもの話でしょ」
「えっ、そうなんですか」
「えっ、総角先生から聞いてないの?」
「総角先生?」
「ああ、スピーチの担当の先生のこと」
「そうですか、いや、あの先生は『5分間しろ』としか言ってなかったです」
癒し系先生が総角先生の席の方を向くと、総角先生は顔をそらした。
様子を伺っていたらしい。
「ちょっと、行ってくる」
「あ、どうぞ」
うわ、癒し系先生マジで怖い。
少し待つと癒し系先生が総角先生を連れて来た。
「えっと、どうしました?」
「あの、その、・・・説明不足ですまなかった」
「いや、別にいいですよ、済んだことですから、気にしてません」
「そうね、君はスピーチの内容について気にしなさい」
「・・・・はい」
やべえ、癒し系先生は怒らせないようにしなきゃ。
「そもそもね、これからよろしくみたいなこと言うだけでいいものを何であそこまでひどいことになるの。他にも・・・・・・」
この後10分ほど怒られた。
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