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取り巻きCと牡丹百合 ふつかめ そのいち

明けてしまった……orz

お待たせして申し訳ありません


取り巻きC・エリアル視点

前話続き


伸びに伸びて三分割になっています

中盤は明日、最後は明後日の投稿予定です


出血を伴う怪我の描写がございます

苦手な方はご注意下さいませ

 

 

 

 相性が悪い、と言って良いのかな。


 相対するものと睨み合って、複雑な気持ちになる。


 べつにこれと言って、恨みも悪意もないのだけれど。


 左腰に差した曲刀に、手を掛けた。


 どうやらあなたとは、殺し合う運命みたいだ。


 取り巻きC、ただいま演習合宿二日目です。




 みなさまこんにちは。お雑煮は具たっぷり角餅派、中のお餅はちゃんと焼いてね!な取り巻きCことエリアル・サヴァンです。


 え?どうして突然お雑煮の話をし始めたかって?いや、ここ最近、お餅を食べていないなぁって。最近って、ここ十六年くらいね。うん。うるち米は手に入ったけれど、餅米は見つからなくて、吾平餅と柏餅(柏なし)が限界だった。

 桜の塩漬けが手に入らないから、桜餅も出来なかったし……。


 そうだよ現実逃避だよ。


 ウル先輩ことウルリエ・プロイス先輩と、ラフ先輩ことラファエル・アーベントロート先輩にはさまれて、来たる運命の先を目の当たりにしている現状から、目をそらそうとしているのだよ!!


 筋骨隆々とした柄の悪い男性が、弾き飛ばされてくずおれるのなんて、見えていない。見えていないってばぁ!


 まぁ……ぶっちゃけ、言うほど無茶振りはされていないのだけれどね。




「ひとりでやるものではないでしょう、処分竜馬(リュウバ)の、魔法なしでの討伐なんて」


 ウル先輩のひと言に、わたしは苦笑して首を傾げ、るーちゃんことブルーノ・メーベルト先輩は瞬間目を見開いてから、隣に座るジャック・フリージンガー団長を睨んだ。


 竜馬と言うのは鱗と翼を持つ、大型の馬だ。体高は雌でも2mを越え、巨体を覆う鱗は硬く、筋肉質な脚から放たれる蹴りは強烈。筋肉質になり過ぎて重くなった身体は飛行に耐えず、自由に飛ぶことこそ出来ないが、翼により推進力を得て飛ぶように駆ける。

 サラブレッドを優に越える巨体で、同等の速度を見せると言うだけでも脅威だが、特筆すべきは性格面で、竜馬の性格は、一般的な馬の繊細で臆病な性格とは真逆。恐れ知らずの狂暴で好戦的な性格をしている。


 肉体の強さと性格の強さから、軍馬としての利用が望まれているらしいけれど、狂暴過ぎて使いものにならない個体が多いとか。


 それでもバルキア王国の軍部では、めげずに利用へ向けた取り組みが続けられているらしいね。こうして、軍事利用に適さない個体の、廃棄が行われていると言うことは。


 そこのところの是非は置いておくとして、竜馬は兵の訓練相手として有用だ。輸送不可能ではない大きさで、強く堅い上、それなりに知能もある、絶好の強敵だから。


 まあ、危険だし、下手打てば死ぬし、ウル先輩の言う通り単独で相手取るような相手と言うよりは、小隊で策をろうして倒すものだけれど。


 しかし。


「……あなたには言われたくないものですが」


 同じく首を傾げたフリージンガー団長の思い浮かべたものは、


「複数体の亜翼竜アヨクリュウに無謀にもふたりで挑み掛かったのは、どなたでしたか」


 やはり、わたしと同じだったらしい。


「それは、」

「監督者は付けますし、ブルーノも近くに控えさせます。あなた方が昨年やった蛮勇に比べれば、よほどまともだと思いますが」

「僕は」

「実力を示した方が安全。本人の言葉ですよ。この土地の人間に犯罪を諦めさせようと言うのであれば、それだけの実力が必要と言っているのです。まあ」


 るーちゃんに口出しを許さず意見を述べたフリージンガー団長が、余裕の表情をわたしへと向ける。


「出来ないとおっしゃるならそれでも構いませんが。安全圏から出なければ、そこまで危険もないですから」


 その顔は完全に、さぁ、どうしますか?とわたしを挑発していた。

 挑発に乗ることもなく、答える。


「何頭ですか?」

「はい?」

「竜馬です。何頭相手にすれば良いのですか?」


 訊きながら、頭のなかで算盤そろばんを弾く。

 条件は魔法なし。ほかは未知だけれど、剣すら持たせないとは言わないだろう。慣れた得物を使わせてくれると言うならば、何頭倒せるか。


「逆に訊きますが、何頭なら倒せるのですか?」

「え?」


 脳内シミュレーションを止めて、フリージンガー団長と視線を合わせる。


「条件と状態によりますけれど」

「魔法と魔道具、火器を使わなければあとはご自由に。場所はここの訓練場ですので、足元のならされた、十(けん)四方の野外空間ですね」


 と言うことは、学院で練習試合をするときより広いくらいの試合場か。竜馬は大きいから、あまり多いと身動きが取れなくなるし、


「……八頭、くらいでしたら、おそらく」


 魔法使用可ならば音魔法のみで倍は行けるけれど、魔法不可ならこれくらいが無理なく倒せる限度だろう。って。


 どうして、みなさま黙り込んでいるのかな?


 とりわけえげつない睨みを利かせるウル先輩に、へろりとした笑みを向けて問う。


「ええと、なにか?」

「お前、相手は馬じゃねぇぞ?わかってるか?」

「はい。竜馬ですよね」

「わかってて八頭倒せるっつってんのか」

「必要であれば、倒しますよ」


 質問の意図を掴みきれないながら、頷く。倒そうと思えば倒せるけれど、出来れば殺したくない相手だ。竜馬はお肉が固過ぎて食用に向かないから。


 ええと、だから、どうしてみなさま変な顔するのかな。


 沈黙や表情の意味がわからなくて、眉が下がる。

 フリージンガー団長が、肩をすくめた。


「倒してくれると言っているのに申し訳ないですが、相手は一頭です。今回は、市民も参加しますので」

「一頭だけ?と言うことは、頭数ではなく討伐の手際を競うのですか?それとも、時間を?」

「時間です。上限を十五名とした団体で参加表明をして頂き、合図から討伐完了までに掛かった時間で競います」


 スピード勝負、か。まあ、竜馬であれば一頭でも討伐に時間は掛かるだろうし、討伐数で競うよりは危険も少ない。

 なるほどと頷くわたしから目を移し、フリージンガー団長はウル先輩へと目をやった。


「本人は余裕のようですが?」

「アル、竜馬の実物との接触経験は」

「見たことでしたら。剣で切ったことはありませんが、まあ……亜翼竜アヨクリュウよりは倒しやすいのでは?」


 亜翼竜、に反応したのはウル先輩と、ラフ先輩にるーちゃん。ウル先輩は自分が倒したことがあるから、るーちゃんはわたしが亜翼竜を倒したことを知っているから、ラフ先輩はその両方だろう。


「鱗の強度なら、竜馬が上だ。速度と大きさは亜翼竜が上だし、飛ぶから、確かに倒しにくさでは亜翼竜だろうが、性格の狂暴さなら確実に竜馬に軍配が上がる。危険度は大して変わらねぇよ」

「……それでもエリアルなら、倒せるとは、思うけどぉ」


 厳しい顔で警告するウル先輩と、苦い表情のるーちゃん。


「アルは速いし、剣撃が鋭い。竜馬にも亜翼竜にも、遅れは取らないだろう」


 ラフ先輩だけが心配なく、わたしの言葉を支援してくれる。


 そんなわたしたちを眺めて、フリージンガー団長は、ふむ、と興味深そうに嗤った。


「どうやら、過保護なのはウルリエだけではないようですね、ブルーノ」

「僕は」

「おや、私はあなたが過保護だとは言っていませんよ」


 性格悪いな、と思いながら、ステーキを口に運ぶ。サシの入らない赤身のお肉をかじって、黒毛和牛が食べたいななんて、贅沢なことを考える。残念ながら、筋肉に脂肪交雑が見られる牛のお肉なんて、この世界では見たことがない。


 赤身肉も嫌いなわけじゃない。健康を考えるならば余分な肪なんて入っていない方が良いのだし。


 でも、やっぱり大トロのあの口どけが、たまには恋しくなってしまうもので。


 自分の思考に気を取られ、スープのなかのお米で自分をなぐさめていたら、集まる視線に気付かなかった。


「アぁルぅう?」


 ウル先輩に呼ばれて、はた、と顔を上げれば、三者三様で怖い笑みを浮かべたウル先輩、るーちゃん、フリージンガー団長と目が合った。


「お前の話をしてるっつー、自覚はあるか?」

「いやあのえーっと、その」


 目を泳がせて、とりあえず、へら、と笑みを返す。


 だって、ごちゃごちゃ言われたところで、


「とにかく一頭、魔法なしで倒して見せれば良いのでしょう?動物虐待は気が進みませんが、必要なことであればそれくらいやりますよ」


 わたしのやるべきことは、変わらないのだから。


 誰に心配されようと。誰の反感を買おうと。誰が畏れを抱こうと。


 物理的な攻撃手段を持たないツェツィーリア・ミュラーの剣であり盾であるものとして、わたしは誰を相手にも侮られるわけには行かないのだ。


 当然のことと宣言したわたしを、ウル先輩は馬鹿野郎と罵る目線で、るーちゃんは悔しさのにじむ瞳で見つめてため息を吐き、フリージンガー団長は興味深おもしろいと言いたげに口端を持ち上げて見据えた。


 ひとつひとつを見返して、折れるつもりはないと言う意思を示す。そんななか、


「竜馬の単独討伐……フリージンガー団長、私も単独で挑戦してみても良いだろうか。やってみたい」

「ラフお前」

「ラフ……」


 張りつめかけた空気をぶった切って投げ込まれたウル先輩の言葉が、さくりと緊張をほどかせる。


 呆れ顔のウル先輩、るーちゃんをしり目に、微笑んだ。こういうひとだから、ラフ先輩は班長や副班長に選ばれるのだろう。


「良いですね。競争しましょう!良いでしょう?フリージンガー団長」

「ええ。危険を承知の上でしたら、止めはしませんよ」

「負けませんよ、ラフ先輩」

「ふ。私も負ける気はない」


 ラフ先輩は強い。そして、負けず嫌いだ。夏期演習合宿で班を同じくしてから、剣術の授業でしばしば試合をしているけれど、勝敗はぎりぎりわたしが勝ち越しているもののほぼ五分。スー先輩相手でも勝率六割を叩き出しているわたしとしては、悔しい結果を強いられているのだ。


 それはひとえに、ラフ先輩が愚直とすら思えるほどひたむきに研鑽を行っているためで、その、研鑽の原動力は負けたくない気持ち。そして、研鑽の手助けをしているのは彼の素直さだろう。


 ラフ先輩は、格好付けない。自分よりも優れていると思えば後輩にも教えを乞うし、なんでもまずは挑戦してみる。失敗を恐れないし、失敗しても簡単には諦めない。


 その、まっすぐな姿が、時に眩しく、時に温かい。


 きっと竜馬に負けず劣らず好戦的なわたしたちに、ウル先輩もるーちゃんも、ため息ひとつ呆れを吐き出した。


「はぁ、もぅ、しょうがないんだから」

「ったっく、良いか?死ぬなよ?」

「ウルは単独討伐挑戦しないのか?」

「俺はお前と違って、一緒に出て欲しいっつぅ誘いがいっぱい来てんの。そいつらと組んで、団結力でお前らに勝ってやるよ」


 やっぱり実は負けず嫌いなウル先輩が、へんっと鼻を鳴らして宣戦布告し、


「みんな、勝負は良いけど無茶は禁物だからねぇ?」


 仕方ないと言いたげな笑みでるーちゃんが釘を挿した。


 それからは比較的和やかに食事が進み、夕食後にまた少し仕事を与えられてから休み、やって来た本日。


 朝食後に設営手伝い(わたしをはじめとした料理の得意な面子は厨房手伝いだった)からの、始まった竜馬討伐大会。まずはほかの出場者の倒し方を見て学べと、参加予定の学生もそうでない学生も、2班と3班の学生は全員が騎士団用の観覧席に詰め込まれた。例外は1班で、班長のるーちゃんをはじめとした数人が、救護補助要員として救護所に連れて行かれた。


 わたしは参加者なので、救護班には入れられず、観覧席でウル先輩とラフ先輩にはさまれて、竜馬とひととの戦いを見学中なのだけれど……。




「竜馬って」


 竜馬を倒せぬまま棄権して行く一般人の団体を見て、しみじみと呟く。


「狂暴なのですね……」


 大の男がよってたかっても苦戦して負ける姿は、わたしには驚きだったのだが。


「今さらなに言ってんだよ」


 ウル先輩にはわたしの感想の方が驚きだったらしい。


「あれは手に負えないから廃棄された個体だぜ?狂暴なのは前提条件だろうが」

「そうなのですけれど」


 わたしの見た竜馬は言うことを聞く個体たちだったから、狂暴性はわからなかったのだ。


 また次の団体が出て来て、竜馬相手に苦戦している。


 確かに、想定より狂暴ではあるけれど。


 わたしだったら、あんなに苦戦しないだろうと思う。


「人間は、脆いですね」

「自分を棚に上げるんじゃねぇよ」

「これでも鍛えているので、一般人よりは丈夫ですよ」


 エリアル・サヴァンの身体は、健康で丈夫だ。前世とは真逆の、普通のひとよりよほど丈夫で、無理が利く身体。そんな身体をさらに鍛え上げたから、たとえ重さや筋肉が貧弱でも、簡単には負けない自信がある。


 それでも負けるのが、今左右にいる先輩方なのだけれど。それでも、勝ち越し中だから!


「本当かぁ?簡単に折れそうじゃねぇ?」


 ウル先輩が片目をすがめ、ひょいとわたしの片腕を持ち上げる。


「それは、ウル先輩と比べたら細いですけれど、腕相撲、あなたに勝っていますからね?今のところ不敗ですからね?」

「うっ、それは言うな!」


 わちゃわちゃと会話しながら、試合や客席を見る。客席にカレーパンやコロッケをかじっている観客がしばしば見えて、少し口許がゆるんだ。


 わたしの隣で興味深げに試合を見ていたラフ先輩が、ふと声を出す。


「ルシフルの新人隊だ」

「新人隊?」

「ああ、今年入団の新人だけっつぅ隊か」

「クルタスの卒業生もいらっしゃったりするのですか?」

「いや」


 問い掛ければ、ウル先輩が首を振る。


「ルシフルの団員は、一般兵上がりの平民や、問題を起こして左遷された騎士が多いからな。基本的に、クルタスみてぇな貴族学校卒業で配属されるやつはいねぇよ。ま、志願すれば別だけどな」

「それで、年齢にばらつきがあるのですね」


 言われて見れば高等部卒と言うには年嵩なひとが多い。いわゆる、叩き上げで騎士の地位を得た方々なのだろう。


「平民を積極的に採用してる騎士団は、バルキアじゃルシフルか国境周りくらいなもんだからな。どこ所属だろうが騎士は騎士で、一般兵よりゃ良い給料を貰えるから、危険を承知でそれでもルシフル騎士団に入りてぇっつぅ平民はそれなりにいる」

「平民出だろうが、騎士になれば身分は準貴族だ。評価されればほかの騎士団に転属もあり得るし、功績を上げれば叙爵も狙える」


 狭い道だが、とラフ先輩は付け足した。


 新人隊は苦戦しつつも、棄権とはならず竜馬を倒して見せた。強い、と言うことだろう。


 ただ、与えられた地位に甘んじている者ではなく、自力で地位を掴み取り、しがみつく者。

 ルシフル騎士団が強いのは、そこも理由かもしれない。


「さて、そろそろ出番か」

「そうですね。いってらっしゃいませ」


 それから数組を見届け、ラフ先輩が立ち上がる。


「ああ、お前に敵わないと思わせる神速を叩き出してやる」


 見ていろ、と言うラフ先輩を、ウル先輩とふたりで見送った。試合場ではちょうど、中堅どころらしい騎士たちが竜馬に挑んでいる。さすがの危なげなさに、普段の訓練を思って遠い気持ちになった。


「よく、させられているのでしょうか、竜馬の討伐」

「だと思うぜ?見ろよ、的確に弱い箇所だけ狙ってる」


 ほかと比べても明らかに無駄のない討伐は、今のところ間違いなく一位だろう。


 その次は騎士団付属の一般兵団の精鋭部隊で、こちらも苦戦を見せずに討伐するもののさきほどの隊よりは速度で劣った。


「あっ、ラフ先輩、って」

「あぁ、まぁ、合理的っちゃ、合理的、だよな」


 続いて現れたラフ先輩は、得物をフランベルクからブラックジャックに持ち変えていた。一般的に武器として使われる警棒タイプのものではなく、おもり入りの袋を縄に繋いだ感じの、殺意高いタイプのやつだ。革の手袋をはめているあたり、しっかり重量もあるのだろう。


 切れないなら殴れば良いと言う、勝ちを狙う覚悟を感じる。


「投げナイフもやるって言ってましたものね。投擲は、得意なのでしょうね」

「いや、あれは投げないだ、」


 ウル先輩の言葉の途中で、ラフ先輩はブラックジャックとは逆の手に持っていたらしい球体を竜馬の横っ面に投げ付けた。


 どごっ、と言う音と、よろける竜馬。ごす、と落ちる球。


「……鉄球、ですかね」

「音と反応的に、そうだろうな」


 よろけた竜馬に立て直す隙を与えず、ラフ先輩がブラックジャックを振るう。


 ラフ先輩は余裕の表情で振っているが、当たった竜馬の反応から見るに、かなり中身の比重は大きいはずだ。竜馬でなく生身の人間が全力で頭を横凪ぎされれば、首から上がもげるレベルの凶器だと思う。


「た、倒し方として間違ってはいないのはわかるのですけれど。わかるのですけれど……!」

「ああ。騎士として大事なものが、決定的に間違ってる」


 命がけの場面で騎士の誇りとか言っている場合ではないとしても。なにかが駄目だ。


 たとえば、もしわたしがツェリを守るために、同じことをしたとしたら。


 脳内でツェリが、心底呆れた顔をした。


『あなた、山賊じゃないんだから』


 うん。そうだよね。あれじゃ騎士じゃなく山賊だよね。


「山賊から勧誘が来そうですね」

「今までの出場者のなかでいちばん受けが良いな」


 並んでふたり、チベスナ顔だったと思う。


 見た目と是非はどうあれ、殴打作戦は成功で、大した抵抗も出来ずに何度も殴られた竜馬はふらりとよろけ、どう、と地に倒れ伏す。……よく一撃で意識を飛ばさなかったよ、頑張ったね。


 ラフ先輩が倒れた竜馬の首にまたがり、頭をねじる。ごきりと、首の折れる音。条件が討伐だから確実に殺さなければいけないとは言え、非情な追い打ちだ。観客席から、黄色くはない歓声が飛ぶ。


「早いですね」

「暫定一位か?」


 さきの中堅騎士団体と良い勝負のストレート勝ちに、ウル先輩と囁きを交わす。


「これはアル、負けたんじゃねぇか?」

「諦めたらそこで試合終了ですよ」

「おう、良いこと言うな」

「受け売りです」


 バスケはしませんが。


「そろそろウル先輩も、出番ではないですか?」

「お?ま、もう一試合くらい見てって良いだろ」

「そうですか?次も善戦しそうですよね」


 次も騎士団からの出場だからと言えば、だから見ときてぇんだと返される。納得して試合を観ていると、ラフ先輩が帰って来た。


「お帰りなさいませ」

「私の勝ちだな」

「まだわかりませんよ」

「そうだぜ。んじゃ、俺は行って来るから」


 立ち上がり歩み去るウル先輩を見送って思う。


「……フリージンガー団長の指示ですか?」

「そうだな」


 端的な質問に端的な返事。ひくりと、頬が引きつった。


「ずいぶんと、甘く見られているようで」


 騎士団用の観客席ですらお守りが必要とは、なめられているにもほどがあるのではないだろうか。


「……逆だ」

「逆?」

「私やウルが守っているのは、アルではなく周りだ」

「暴れたりしませんよ?」

「反撃はするだろう」


 そうだね。今は周りが騎士だから、巻き込んだらとかの遠慮もなしに反撃する。

 年越えの市とは、状況が違う。


「お前のことだから殺しはしないだろうが、禍根を残しても面倒だろう」


 七日で立ち去るわたしたちと違い、騎士団はずっとここにある。


 迷惑を、掛けたくて来たわけじゃないのだけれどな。


「試合を見せれば黙るだろうがと、言っていた」

「え」


 うつむきかけたわたしの頭に、ラフ先輩の声が掛かる。


「昨日一日見た限り、実力以上の大言壮語はしないと判断したそうだ」

「……フリージンガー団長が、ですか」

「そうだ。籠絡して評価を得ているわけではないと、理解したんだろう」


 籠絡して評価を歪めている可能性も、考えられていたと言うことか。


「わたしは」

「アルは出来過ぎているところがあるからな。お前の生真面目さを知らなければ、なにか裏があると考える者もいるだろう」


 ……不名誉な評価に、落ち込む状況だったはずなのだけれどな。


「ラフ先輩は、裏などないと?」

「当たり前だろう」


 蓋を開けられた炭酸飲料みたいに、胸の辺りがしゅわしゅわと泡立った。


「アルが優れているのは、元々の出来もあるだろうが、お前がほかに真似出来ないくらいに努力家だからだ。努力に裏打ちされた実力に、裏などない」

「……ありがとうございます」


 ウル先輩も、ラフ先輩もだし、ここにいないるーちゃんやスー先輩も、ゴディ先輩ことゴッドフリート・クラウスナー先輩やシュヴァイツェル伯爵子息、ラグスター男爵子息も。わたしが夏の演習合宿で同じ班になった三年生は、どうしてこうも出来た方が多いのだろうか。

 そうでなければ国殺しの化け物のいる班なんてまかせられなかったのかもしれないけれど、ありがたい縁を与えて貰えて運が良い。


「思ったことを言っただけだ。ほら、ウルが出るぞ」

「はい」


 ウル先輩は一、二年生数人と組んでの参加だ。全員手に持つのは剣で、ウル先輩の指揮で切り掛かって行く。

 実力はウル先輩の一強らしく、ウル先輩が巧く補佐しているが圧され気味だ。たぶん、ウル先輩単独の方が良い戦いが出来たのではないだろうか。


 それでもウル先輩は指示を出し鼓舞をして、果敢に戦いを挑み続ける。


「ウル先輩は」


 たくさんのなかでも目立つ白銀が、眩しかった。


「強いですね」


 竜馬の突進を受けかけた下級生を守るために、ウル先輩が蹴りを放つ。無理な蹴りで転げながらも、すぐ立ち上がって微笑んだ。


「大丈夫だ。負けねぇぞ!怯んだ隙に掛かれ!脚の付け根が弱い!」


 大声の指示が、こちらまで聞こえる。


「ああ。あれは生まれついての指揮官だ。私には真似出来ない」


 足を引くものを厭わず、共に手を取って戦う。失敗を叱責せず、笑って鼓舞する。

 それが出来るひとが、いったいどれだけいるだろう。


 劣勢でも一致団結し折れない。そんな指揮を、いったいどれほどのひとが出来るだろう。


 気付けば会場全体が、手に汗を握り、固唾を飲んで、ウル先輩たちを応援していた。


 苦戦しつつも、しだいに竜馬に傷を作って行く。


「良いぞ!攻撃が通ってる!!このまま圧し切れ!負傷部位に追い打ち掛けろ!!」


 小さな怪我は、誰もが負っていた。弾き飛ばされ、転ぶ。剣が通らず、手から飛ばされる。

 それでも立ち上がる。それでも剣を拾う。

 誰の目にも、諦めの色はなかった。


「ぅおりゃあっ!!」


 ついにウル先輩の一太刀が、竜馬の脚を切り落とす。右前脚を亡くした竜馬が、体勢を崩して倒れた。起き上がらせまいと、ウル先輩がその首を踏み付ける。


「今だ、目を狙え!ためらうな!!」

「はい!!」


 指示を受けたひとりが、暴れる竜馬の目に剣を突き立てた。


「うおっ、っと」

「わっ」


 ひときは激しい動きに、ウル先輩も剣を突き立てた生徒も弾き飛ばされる。

 しかしそれが断末魔の抵抗だったらしく、すう、と竜馬から力が抜けた。


 沸き上がる、歓声。


「すごい、ですね」


 この人数を味方に付ける手腕に圧倒されて、そんなことしか言えない。


「ああ。良い戦いだったな」


 ラフ先輩が頷き、


「それでも記録は私が上だが」

「ソウデスネ」


 ラフ先輩らしい締め言葉を繋げた。


「ウルひとりで挑んだならもっと早く倒せていたかもしれないが、あれはそんなことは言わないだろう。私の勝ちだ」

「格好良いですね、ウル先輩」


 格好良いが、あのノリで心酔者を集めて行くのだと思うと空恐ろしくもある。


「……ひとりで挑んで倒した私も格好良いだろう」

「それはもちろん。武器には驚きましたが」

「私にはお前のような斬撃は打てないからな。だが、お前にも私のような戦い(やり)方は出来ないだろう」

「ええ。効果的だとわかっていても、わたしにはあの武器は扱えませんから」


 あれを振るっても、自分まで振り回されて怪我をするだけだ。


 出来ないことは出来ないと見切りを付け、代替の方法を考える。それは誰でもやることだけれど、ラフ先輩はその辺の見極めが素早く、的確だ。

 ……だからと言ってブラックジャックはぶっ飛び過ぎだと思うけれど。せめて戦斧くらいにして欲しかった。


「お、間に合ったな」


 そんな会話のうちに、顔に包帯を巻かれたウル先輩が帰って来る。


「大丈夫ですか?」

「単なる擦り傷だ。数日で治る」

「綺麗なお顔に傷を作ってしまって、まあ」


 粘着テープなんて便利なものがないこの世界では、擦り傷でも包帯を巻くことになる。軽傷だからこそ治癒魔法はかけて貰えなかったのだろうけれど、痛々しいものだ。


「このくらいの怪我、いつものことだろ」

「そうですけど、痛そうなものは痛そうですし、惜しいものは惜しいのです」

「アルにだけは言われたくねぇけどな。それより、ほら、優勝候補だ」


 どかりと隣に腰掛けたウル先輩が示すのは、一般参加らしい団体。


「毎年ここの騎士団と競ってるやつらだと。お前が実力を示さなきゃなんねぇ相手だぜ」

「大きいですね」


 腕の太さがわたしのウエストくらいありそうな中年男性に、目を奪われる。冬だと言うのに薄着だ。


「なんと言うか、筋肉達磨(だるま)……」

「だるま?」

「あ、いえ、あの、南瓜かぼちゃのようにどっしりした筋肉ですね」


 ボディービルダーも真っ青な筋肉アーマーに、思わずころりと前世の言葉がこぼれてしまった。

 ごまかしに言った言葉に、ああ、とラフ先輩が頷いた。


「アルは筋肉が好きだったな」


 その言い方は語弊があるよ……?


「好き、と言うか、自分にはないから羨ましく思いますね。少し分けて欲しいです」

「そうかぁ?」


 ラフ先輩の言葉に訂正を入れたわたしに、首を傾げたウル先輩が片目をすがめる。


「お前の戦闘様式なら、余計な筋肉は邪魔なだけだろ。重くなる」

「そうなのですけれど、やっぱり、スー先輩みたいな強さにも憧れがですね」

「にしたって、あっこまでの筋肉はいらねぇよ」


 ううっ、脳筋に見せ掛けて実は理論派のウル先輩の正論が刺さる……。


 理屈じゃないのだよ、筋肉は。浪漫なの。


 しかしやはり浪漫だけでは理論には勝てず。


「速度不足だな」

「だが、留めれさえすればあの攻撃力は有用だ」


 竜馬の速度に追い付けない筋肉達磨は、まず竜馬を捕らえることに苦戦した。

 しかし仲間の手により竜馬は動きを押さえ付けられ。


「一太刀、ですか……」


 筋肉達磨の持つ斧のような太剣で首を一太刀に落とされた。


「なるほど、剣自体の重さで斬撃速度を高めるか」

「ラフ先輩と同じく、有効性はわかっても誰にでも真似出来るわけではない手段ですね」

「ああ。あの太剣を持ちつつさらに速く動ければ、脅威になるな」


 飛ばされた首を見ながら言葉を交わすわたしとラフ先輩を、ウル先輩が苦笑しながら眺める。


「なんだかんだ言って、戦闘馬鹿だよな、ラフもアルも」

「ラフ先輩はそうかもしれませんが、わたしは違いますよ?」

「ウルも似たようなものだろう」


 否定するわたしと、ウル先輩も巻き込もうとするラフ先輩。


「「……」」


 お互いに、目が合った。


「私が戦闘馬鹿と言われるのに異論はないが、私はそうでアルは違うと言うのは認められないな」

「ラフ先輩ほどではありませんよ」

「ある」

「ありません」


 睨み合うわたしたちを呆れたように見て、ウル先輩がぺしりとわたしの後ろ頭をはたく。


「言い合いしてねぇで、見ろよ。今回騎士団から出るなかじゃ、いちばんの精鋭だ」

「出るなかだけ、ですか?」

「この騎士団最強は、フリージンガー団長だからな」


 肩をすくめて言われた言葉に、納得。


「副団長も強いが、出ていない」


 ラフ先輩の補足も入り、なるほどとつぶやく。


「フリージンガー団長が出てしまうと、勝ちが見えてしまいますものね」


 絶対王者がいる大会なんて、面白味がない。

 同等の力の者同士で戦ってこそ、試合は面白いのだ。


 そういう意味では、


「……手際が、良いですね」

「そうだな、早い」


 たぶんこの試合や、わたしの試合は面白味がないかもしれない。


「つか、アル次じゃね?」

「行かなくて良いのか?」

「いえ」


 中堅部隊よりもさらに無駄なく、的確に竜馬を殲滅した部隊が立ち去り、現れたのはフリージンガー団長だった。


「みなさま健闘お見事でした。さて、次が本日最後の出場者です」

「フリージンガー団長から、呼んだら出て来るようにと……」


 観客席へ目を向けたフリージンガー団長と、視線が合う。


「みなさま注目の人物でもあるでしょう。いらっしゃい、エリアル」


 ……ここからそこに行けと。


「はぁ……行って来ますね」

「おう。って、こっからどうやって」

「フリージンガー団長の情報収集能力は、素晴らしいようで」


 ため息と共に立ち上り、椅子の背を蹴る。

 音魔法で作った足場を進むわたしは、空中歩行でもしているように見えただろう。ざわめく観客の頭上を歩いて、すとっと試合場に降り立つ。


「便利なものですね」

「手の内を見せるのは好まないのですが」

「隠していないなら切り札でもないでしょう?」


 まあ、確かに音魔法(物理)を隠してはいないけれど。


 不服顔のわたしの背に手を添えて、フリージンガー団長は観客を見渡す。


「本日の目玉、エリアル・サヴァンです」


 こちらを見下ろし値踏みする、目、目、目、目、目。

 オークションの商品にでも、なった気分だった。


 ひそひそとした囁きが、渦巻き、まとわりつく。


「彼女は鬼才の魔法使いですが、本日はみなさまと同じく、魔法使用禁止の条件で戦って頂きます」


 頬笑むフリージンガー団長は、わたしにどんな値が付くと予想しているのだろうか。


「国殺しのサヴァンの実力、とくとご覧頂きましょう」


 とん、と。


 背を押されるままに歩み出る。

 歩み去るフリージンガー団長の気配と、現れる竜馬の気配。


 馬を名乗りながら、とても同じ馬とは思えない闘志に燃えた目を、黙って見返した。

 怖がって対戦相手にならないと困るから今日は魔力を抑え気味なので、恐らく獲物としてロックオンされているだろう。


 竜を喰おうと言う、不遜なやから


「始め」


 掛けられた声で、試合の開始を知る。


 左腰に差した曲刀のつかに、手を掛けた。

 こちらから仕掛ける必要はない。向こうから、襲い掛かって来るから。


 腰を落とし、駆け来る竜馬と接触する直前に、一歩避ける。


 キン、


 振り向いた先では、わたしにぶつからなかったことに苛立つ竜馬が、乱暴に己を反転させていた。


 また、駆けて来る。


 避ける。


 キン、


 駆けて来る。


 避ける。


 キン、


 振り向いた竜馬が、脚を止めた。


 目に怯えを浮かべた竜馬へと、今度はこちらから走り寄る。


 キン、


 キン、


 逃げる竜馬を、追い掛ける。


 キン、


 キン、


 フツ、


 吹き出る血に、跳び退って足を止める。返り血を浴びる趣味はない。

 血を払い、剣を納める。


 首を喪った竜馬が、どすりと横倒しになる。ごろりと、落ちた首が転がった。


 ラフ先輩と、どちらが早かっただろうか。


「あなたが一番ですね」

「──そうですか」


 いつの間に近付かれたのか。

 フリージンガー団長から掛けられた声に、わずかに眉を寄せたまま頷く。


 無駄に、命を奪ったのだ。

 それも、無駄に恐怖させ、無駄に苦しませて。

 気持ちの良いものではない。


「まるで魔法のようでしたね」

「魔法ではありません」


 わたしでは、竜馬の首を一太刀に落とすことは出来ない。最大威力の斬撃を当てようにも、位置が高過ぎるのだ。

 だから、繰り返し斬撃を重ねた。

 同じ位置に、何度も、何度も。


 その斬撃が鋭過ぎて切られた側が気付かなかったとしても、抜刀と納刀が早過ぎて抜いたことに気付かなかったとしても、それは魔法ではない。


「ただ、切っただけですよ」

「そうですね。ですが、そうは思わない方もいらっしゃるようで」


 すい、と目を細めたフリージンガー団長の、視線を追う。

 ああ、と、既視感を覚えた。


 あれは、入学したばかりの、剣術試合のことだったか。あのときは、スー先輩が助けてくれたのだった。


 けれどここに、わたしの無実を証明してくれる優しい先輩はいない。そもそも、クルタス側(味方)の擁護など、信じては貰えないだろう。


「そう言われても、悪魔の証明でしかないでしょう」


 魔法禁止が言い渡されていたので、わたしは魔法を使っていない。騎士団から審判も付いていた。けれど、絶対に魔法を使っていないなんて証明は、不可能だ。


「ええ。ですから」


 フリージンガー団長が優しげに頬笑む。まるで、チェシャ猫のような笑みだ。


「余興戦と行きましょう。魔法を使えばどれほどのものなのか、私も興味があります」

「……」


 それが、魂胆か。


 苦虫を噛み潰した顔になりたいのを堪えて、平静な声を心掛ける。


「動物虐待は、遠慮したいのですが」

「ええ。ですから」


 燃やしたくなるくらい優雅な笑みで、フリージンガー団長は行ってのけた。


「本来の力が出せれば、あなたはあんな無様な殺し方はしないでしょう?もっと苦痛が少なく、綺麗な殺し方が出来るはずです」


 無様。無様ね。


「今日の参加者のなかでは一番早く、無駄な傷を付けずに殺したと思うのですが」

「でも、怯えさせたでしょう。何度も、恐ろしい思いをさせて」


 その通りだ。腕力もなければ、身長も重量も足りない。技巧と速さしかないエリアル・サヴァンでは、あれが限界。


 だけれど。


 あなたの発言は、今日の参加者全員を無様と切って捨てるものだ。


「なにを怒っているのですか?私に?それとも」


 フリージンガー団長が、ふふ、と嗤う。


「自分の実力不足を棚に上げて、あなたがイカサマをしたと疑う観客にですか?」

「怒っていらっしゃるのは、あなたの方でしょう」


 似ているな。と、思ったら力が抜けてしまった。


 どうせ廃用。殺されるだけなのだ。

 それならわたしの手で、出来るだけ苦しませずに殺してやるのも優しさだろう。


 残念ながら、廃用の竜馬を救ってやる余裕は、持ち得ないのだから。


「わかりました。残る竜馬は、何頭ですか?」


 フリージンガー団長が怒っているのは、わたしにか、周りにか、両方にかはわからないけれど。


「十八です」


 実力を示してやれば、満足なのだろう。


「では、まず三頭倒して見せます。そのあと、残り全てを処理しましょう」

「おや?二回に分ける必要が?」


 興味深おもしろいと言いたげな表情に、頷きを返した。


「どうやら実力の足りない方々のようなので、程度を合わせてあげなければ、強さを理解出来ないでしょう。まずは理解の出来る程度に、実力を抑えて倒します」

「なるほど。わかりました」


 鮮やかに嗤った黒薔薇が、会場をくるりと睥睨する。


「国殺しが実力を見せて下さるそうです。見たところで真似は出来ないでしょうが、滅多にない機会ですのでとくとご覧あれ」


 ぽん、と肩が叩かれ、片付けられた竜馬の代わりに、三頭の竜馬が現れる。


「始め」


 掛けられた声に従い、竜馬に駆け寄った。

 

 

 

拙いお話をお読み頂きありがとうございます


合宿の年内完結は儚い夢でした……

クリスマスに別作品に浮気していたら予想外に手こずった上に

こちらも元気に伸びまして……orz

せめて二日目くらい昨年のうちに上げておきたかった……(´;ω;`)


続きも読んで頂けると嬉しいです

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― 新着の感想 ―
[一言] 遅くなりましたが、あけまして、おめでとうございます。 昨年は楽しいお話をありがとうございました。 本年も宜しくお願い致します。 年明け早々からラフ先輩とアルさん、かっ飛ばしておられますねえ…
[一言] 更新ありがとうございます。 イベントは竜馬との戦いだったのですね。そういえば、初合宿の裏話にて、るーちゃんがフリージンガー団長と竜馬の話をしていましたね。 ラフ先輩の山賊のよう、な戦闘や、ウ…
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