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きず

作者: 東雲 朱四

体育祭の練習で思ったことがありまして…まぁいろいろと…

私の前の人


みんなが転んだ


いたいいたいと


声をあげた


それを誰かのせいにした


みんなに痛みを自慢した


ただのかすり傷


血なんて流れ落ちる訳でもなくその場にとどまり




おもしろいね





「それ」が痛いの?


そんな小さい「それ」がいたいの?


すぐ消えるだろうが


三日もたたないうちに


どうでもいいことになるだろうが


じゃあ君らには与えよう


消えない傷を


見えない傷を


そして見せられない、自慢できない「ジョウキョウ」を


おもしろいね


ははは


みんなおもしろいよ


わたしは胸にあいた穴を布でおおった

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