1/38
第0幕 はじまり
気づけば僕は誰かを殺していた。
手に赤黒いものがついているーーー血だ。
殺した人はわからない。知らない人。でも武器を持っていた。
頭の中で悪魔が笑ってた。耳障りな声で。
なんで、なんで、僕が………
201x年4.7
大阪、梅田
夜の町を眼下に古いビルの屋上にいる少年二人。しかしただの少年ではない。
一人はライフルを、もう一人は弓を持っていた。
「なあ、リュージ。名古屋にすごいやつがおるらしいで」
「ほんまに?んーでもそんなすごいやつならどこかの軍に入ってたりせーへん?」
「それが、まだフリーらしい」
「なんやて?!これはチャンスやん!」
すると町が揺れた。ネオン街に黒い煙の固まりが浮上。
「出たな」
「行くで!」
彼らは魔法と武器を使い魔物を倒す術師と呼ばれる者だ。
魔物は人間の負の感情をエサにし夜な夜なネオン街などに現れる。それを倒すため彼らは戦っているのだ。
彼らは何の為に術師として戦っているのか?
それはこれから彼らも理解していくことだろう。