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拝啓 転移者

 黒猫エイミーに連れられて小さな柵を越え。小屋の裏庭みたいな所にでる。

 そこでは小さな子が木刀や槍。手裏剣みたいな者を投げていた。


 「エイミーせんせい~これが今回の人間~?」

 「わー真っ黒い服だー」

 「あんまりかっこよくないね」

 「このおっさん弱そう…」


 小さな子供達に好き勝手言われると、心がへこむ。

 さらにおっさん…って俺はまだ17歳だ!ギャンブルも女の煙草だって禁止されてる大人未満子供以上だ!

 と思うものの、ふと疑問が起こる。言葉がわかる?日本語?

 隣のエイミーを見下ろすと、意味を悟ったかのように答えてくる


 「あ~言葉のことよね?君が転移した時に魔法でちょいちょいっとね。部族特有の言葉じゃない限り通じるは思うわよ。第一言葉がわからないと何も出来ないじゃない。」

 「はいはい~君たちどいて~このおっさんはこれから試練の間行きますからね~必要以上にかかわらないように。」


 エイミーに連れられて小屋に入ると小さな部屋に通された。

 そこには日本人形みたいなおかっぱの少女が此方を向いていた


 「・・・・・・・」


 「・・・・・・ねーさん。遅い。・・・・・・」


 「ごめんごめん。でもちゃんと連れて来たし許してぇ」


 ね・・・ねーさん!?ねーさんってこの黒猫?見るからに少女いや少女というより子供。

 服装は簡単な布で出来た服に…おっぱいが2つ。

 いやおっぱいは誰でも2個あるのだかなんというかロリ巨乳、この時貞だんじでロリコンではないが、触って見たいと見とれてしまう。

 

 「はーい、そこ!スケベなおっさん、うちの可愛いベスの胸を見つめない。」

 「おっさんじゃない!まだ17歳だ!」

 「んー17歳かーそれじゃちょっとおっさんだね。」

 「なんでやねん。」


 こっちの世界ではおっさんになるのか。

 

 「・・・・・・漫才・・・終った?」

 「ん~ぼちぼち終ったわよ。」

 「紹介するわね、こっちが可愛い妹のベス。」

 「んでこっちが、今回の転移者。」


 二人のやり取りを漫才の一言で片付けられてしまったがエイミーに聞いてみる


 「えっと・・・この部屋と、さっき言っていた試練って?」


 よくぞ聴いてくれたとばかりにエイミーの金色の目が輝く。

 

 「んー簡単に世界を説明したと思うんだけど、この世界に移住するか帰るか…」

 「帰ります!」

 「話は最後まで聴く様に、この世界は多分貴方の世界から見ると異質な事が多いの、森にはゴブリンに始まり竜や魚、食べ物、医術、種族だってそう人間っぽくても人間じゃないものや姿形は人間とは違っても人間と同じ考えの種族だって居るわ。」

 「魔力もそうね、人間には基本魔力が無いのよ。無いっても少しわあるのよ。でも稀に魔力が多い人間が、魔女や魔王になるケースも多いわね。」

 「そして目の前にいる私やベスも魔力が多い人間。」

 「話が少しそれたわね。転移する人間は元からなのか最初なのか魔力が多いのよ。貴方…いえ時貞にかけた言霊の術も魔力が多い人間しか聞かないの。」


 真面目な顔、猫の真面目な顔ってのがわからないが真面目そうな顔で語るエイミーとそれを見る巨乳のベス


 「そこで、転移された人を育て上げて村や国を守って貰おうと世界は思ってるわけね。」

 「勿論守ってもらったら御礼はでるし、人によっては美女も選び放題よ。」

 

 最後は甘えた声を出し、そこで一呼吸するように此方をみる。

 美女選び放題!?彼女居ない暦17年!あ、でも幼稚園の頃には相手いたか。17年もとい12年。

 母さん僕にも春がやってきそうです。

 

 「ただし。」

 「え?何か条件あるの?」

 驚いてつい会話に入ってしまったが今回は怒られない。

 「ねえさん!」

 即座にベスが反応するが、エイミーは言葉を続ける。

 「いいのよ。ええ、私達は魔女、あえて全ては語らないけどこれは取引とは言わない。」

 「此方に残るのであれば、速見 時貞。貴方は人を殺す勇気はありますか。?」


 エイミーの最後の言葉が発せられた後、周りの音が消えたような錯覚に陥った。

 音が消えたわけではない、外では子供達の声や訓練の音も聞こえる。

 最初は冗談かと思った言葉だったが、二人の顔、主にベスの顔をみると真剣その物だ。

 人を殺す勇気っても殴り合いの喧嘩もしたこと無い、せいぜいゲームでは銃など撃つゲームで遊ぶがリアルで試す事なんて勿論ない。

 心の表面では、この世界に興味も持ち始めてる。

 でも奥底では、両親の顔、友人の顔、ましてや行き成り人を殺す事は出来ますか?って聴かれてどう答えて良いかわからない。

 『ギュウウウウウウウ』

 あまりに考えていたらお腹が盛大に鳴ってしまった。

 何もこんな時に鳴らなくてもいいじゃないか。

 顔が赤くなるのが自分でも解かる。

 

 その音で空気が戻ったのかエイミーも笑ってる

 

 「そうね、もう貴方がついてから結構な時間にもなるし夕方だもんね。答えは明日聞きましょう。」

 「ベス~今日のご飯は~?」

 「・・・・・・だいじょうぶ、魚の美味しいの貰った・・・」

 「よし、何もおもてなし出来ないけどトッキーも食べて、寝て、明日にしよ。私も疲れちゃったしお風呂入るわよ。トッキー覗かないでね」


 相変わらず冗談みたいな声で喋るエイミー。

 猫なのに風呂好きなのかよ。


 「誰も猫の体何かに興味ないよ」


 その一言でエイミー、ベスの体がピタっと止まる。


 「え?俺何か変な事いった?」

 

 「きみぃ~」

 「・・・ねえさんダメ。・・・男は皆、おおかみ・・・」

 「あ~ときさだくん。君は私の事喋る変な猫と見ていたんだ。ふ~ん。へ~。あ、っそう~」

 

 文句も言いながら、声は笑っている。

 

 「そーよね~私にはベスみたいな大きな山も無いもんね~。でも、小ぶりの山はあるんだよ~」

 「そもそも正確にはベスの使い間じゃないし、猫のままじゃ何も手伝えないでしょ?」


 うん、確かに猫のままじゃ何も出来ないだろうなとは思っていた。

 ベスがオロオロしながらエイミーを見てる。


 「私、一応魔女だし、これ変化よ。」


 オロオロするベスを残して扉の向こうへ消えてしまった。


 「・・・ねーさん・・・」

 「・・・結界でこの建物からはでれません・・・ご飯の用意が出来たらお呼びします・・・」


 ペコリと挨拶をしてベスも扉の向こうへ行ってしまった。

 まじですか。あまりの事にさっきの質問さえも飛んでしまって脳内では『小ぶりの山はあるんだよ~』がいつまでも山彦されていた。

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