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拝啓、そうなん者になりました。

 拝啓母上様ここはどこでしょうか?。

 見渡す限りの木、木、樹。よく見ると蔦見たいのまで見える。

 耳を澄ますと野鳥の声や川のせせらぎまで聴こえてくるようだ。


「う~ん、俺っては知らない間に記憶喪失か夢遊病でもかかったかな」

「確か今日は金曜日、学校が終って…ゲームショップを行くのに近道をするのに塀を乗り越えて…」

「穴に落ちたんだよな……」


 取りあえず家に連絡しないとなと、ポケットから携帯を取り出すも案の定遠外。

 

「こんな山の中じゃなぁ、山だよな?でも携帯は夕方時間なのになんだこの周りの明るさはまだお昼っぽいし、昼と言えば小腹が減ったな」

「よし! 座っていてもどうしようもない、一先ず下山して電話借りよう」

 

 立ち上がり周りを見る、俺の格好は黒い学生服にズボン、夏なので半袖、教科書があまり入っていない鞄にこちらもお金があまり入っていない財布に携帯。

 節々を確認するも痛い所も取りあえずはない。

 山で道に迷った時は2つの方法がある、ひたすら山を下って運を頼りに下山するか、一度頂上まで上り、上から下山の道を探す。

 東西南北もわからない状態。


「取りあえず川の音が聞こえるからそっから下ってみるか、川があるんだから川下には家があるでしょ」

「しかし参ったな~携帯も繋がらないし、暑いし、山だし、川が見えるし、疲れてきたし…」

「後ろから黒猫が付いてきてるし……」

「うわーもふもふしたい!野良猫の割りに毛並みが良さそうだな。お、良く見たら後ろ足は靴下履いた見たい白いのか、こんな事なら缶詰でも鞄に入れて置くんだった」

「さて川に付いたは、付いたが……思ったよりも大きな川だな」


 横幅3メートル弱流れはまぁまぁ。

 後ろを見ると黒猫はまだ付いてきている。

 川の中には綺麗な赤色の魚も泳いでいる、ああ、綺麗だな~ってオイ。

 俺が知ってる中で魚で赤色って言ったら鯛と金魚しかしらんぞ。

 冷や汗をかきつつ、とりあえず喉の渇きを取るために、そっと川の水を飲んでみる。

 喉の渇きが収まると頭の中で嫌な期待と興奮した期待が心の中でぐるぐる回っている。

 

 オカルト好きな友人から良く聴かされた神隠しの事件。ゲーム好きな友人と語り合う異世界ファンタジーの話。科学しか信じない学友からの夢遊病や記憶喪失。タイムトラベルやパラレルワールドの話も思い出してくる。


 そして見たことも無い色の魚に、振り返ると黙って付いてきてる黒猫が1匹。

 振り返って目が合った瞬間に黒猫がため息を付いた気がしたし


 全てにおいて何かかおかしい、何かおかしいが体は解かっていても頭で理解が出来ない。

 理解したくないと思い込んでるのかもしれない。

 後ろから付いてきた黒猫が今にも喋りそうだ。ほら、口を開けば…


「「どう?少しは落ち着きました?」」 


 黒猫から可愛い女性の声で思った通りに突如喋りだしたのを見て、驚くより早く納得してしまった。

 

「やっぱし…」

 

「あら!私がしゃべっても驚かないとは、変わったお人、もしかしてこっち世界の人?この場所はさ異邦の森なのを知っていて入った?アレかな道に迷っただけ?」

「あれ?でも服装や行動などは異邦人そのも出し~、神経が太い人?何度もこっちに来てるとか?」

「んーこっちに暮らしてるのに体の線が細いな~所で君お腹減ってない?さっきの猫缶ってのはあの銀色の奴だよね?持ってるの??もってるならほしいな」

「麓に出たいんならこの川を真っ直ぐ下ったら直ぐだよ、この森は危険だし一緒にいこっか」

「あ、そういえば自己紹介がまだったね、私はエイミー。体は小さいけど麓の魔女の使い魔みたいなもん、この場所は危険が多いからね。たまに迷う人を保護してるの」


 あまりの相手の饒舌じょうぜつ に思わず閉口してしまう。

 深呼吸をしながら手のひらを抓りつつ、ぼーっと見てしまう。


「あら、やっぱし異邦の人なのね、異邦の人は私と最初に喋る時に自分で抓る人が多いもん」


「あ、ごめん自己紹介だよね。俺の名は速見 時貞。古臭い名前なんだけど婆ちゃんが時代劇ファンでつけれくれた名前で自分では気に入ってるんだけど、とっきー、や、はやみんって呼んでくれるといいかな」

 名前だけで良いはずなのに何故か愛称まで紹介しちゃって、それもこれも声が可愛いからだと自分に言い聞かせる。

 女の子を呼び捨てに出来るわけもなく、自然に声が丁寧に。

「えっと…、エイミーさんでしたっけ?」

「ええ、そうよ。エイミーで良いわよ。町に帰りながら話しましょう? 何かしら?」


 川沿いに下りながら話をし始める。 


「最初に、多分俺はエイミーさ…エイミーのいう異邦人とおもう、そして神経が太いというか、こんな事は初めてだし、騒ぎ立てたいんだけど…納得というか。ゲームや本の中でこういう話が多くて、え~っと…ゲームってのは」

「あら、ゲームや本ぐらい知ってるわよ、でもそういうお話が多いって事は帰還者さんが多い証拠よね」 

「帰還者!? エイミーさん、いま帰還者って言った?」

「ええ、エイミーでいいわ、とっきー。そりゃ迷ってくる人が居るもの送り返すのが礼儀じゃないかしら、不思議な顔してどうしたの?」


 可愛い声でとっきー。ああ、拝啓母上様生んでくれて有難う。


「おっと…いや、俺の知っている話ではこういう世界に迷い込んだら、魔王を倒せや、聖なる剣を抜けや、選ばれ士者だったり、永久に帰れないってのが多いから」

「あら、そうなの? 帰りたくないなら住民手続きもするし、純粋な魔王も倒してくれるなら倒してもいいわよ、でも倒した所で犯罪者ね」

「聖なる剣ってのはあったかしら、でも、とっきーは剣扱えそうにないんだけど、異邦の人は魔力が多い人が多いから剣より魔法よね」

「選ばれ士者っては、う~ん見た感じそんな風には見えないわね~特技とかあるの?」


 さらっと言われて思考が止まりそうになったけど、魔王って居るの!?

「特技は特にないかな……所で魔王を倒したら犯罪って?」

「魔王は自ら王って名乗ってるだけだからね。知能の低い魔物や暴れまわる魔物を抑えてるのが仕事なのよ」

「でも中には偽魔王を名乗って、あ、本当は偽も本物もないんだけど。そういう知能の低い魔物を統一して町や人を襲う集団が居るわね。そいうのは倒すと報奨金が出るわよ」


 この世界の事を少し知りつつ会話をしてると建物が見えてきた。

 

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