5、お婆ちゃんと修行をする
まだ夢心地の最中、口の中に苦い味を感じた。すぐにそれは痛みへと変わった。
「ぺっ、ぺっ」
僕は一瞬で目が覚め口の中の物を必死で吐き出し、洗面所に直行した。
「ゴホッ、ゴホッ」
僕は口や胃の中を洗濯するかのように、しばらくの間ゆすいだり、吐き続けた。
危ない所だった。僕は寝室に戻り僕の寝ていた所の天井を見てみると、天井から枕の所に、ロープがたらされていた。そのロープを伝って僕の口にお婆ちゃんが猛毒を流し込んでいたようだ。
幸いすぐに気づき、間一髪助かったがもう少しで死ぬ所だった。僕は気を引き締めた。
リビングに着くとお婆ちゃんが少し意外そうな顔で、僕を見る。
「ほう死ななかったのかい。流石じゃ。じゃが今日からは修行の為に、本気で殺しにかかるよ」
お婆ちゃんが目の奥を光らせて言う。
「望む所です。僕もお婆ちゃんを本気で仕留めに行きます」
リビングには4人の笑い声が不気味に響いた。
パパとママは家で待っているということなので、僕はお婆ちゃん2人で修行の為、外へ出た。
「まずは、川で修行じゃ。付いて来な」
お婆ちゃんはそう言うと凄まじい勢いで森へ走り出した。
僕も木々の間を風のように疾走し、お婆ちゃんの後を必死で追った。




