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4、お婆ちゃんと対面

 家は外壁こそ汚れているものの、家の周りは落ち葉などがなく、薔薇やチューリップの花が植えてあり、良く手入れされていた。畑には人参や大根、ナス、キュウリなど様々なものが育てられていた。

 パパは玄関をコンコンとノックした。

 すると「どうぞお入り」という声が家の中から聞こえた。お婆ちゃんには今日家に行くことを伝えていたので、僕達だとわかったのだろう。

 パパが僕に玄関を開けるように促したので僕は玄関のドアノブを回しドアを開けた。

 ドアを開けると、なんとも言えない腐敗臭の様な臭いが鼻を刺激した。お婆ちゃんは数メートル先で笑っていた。白髪が多く、顔には皺が深く刻まれている。腰は曲がっていて、杖をついていた。どこか近寄りがたい雰囲気のあるお婆ちゃんだなと僕は思った。

「おや、お前がワシの孫の棘矢か、いい面構えをしておる」

 お婆ちゃんは興味深そうに僕を見た。

「修行に来たのだろう? まずは上がってお菓子でもどうだい?」

 お婆ちゃんが言ったので、僕達は家に入った。

 玄関に靴を綺麗に並べ僕が最初の一歩を踏み出すと、ガタンと音がして床が開いた。

 僕は突然のことに一瞬何が起こったのかわからなかった。穴へと深く落ちていく僕。嫌な予感がしたので僕は咄嗟に壁をパンチし、穴を開けることにより落下を食い止めた。

 僕は下を覗いてみた。怪しげな目がきらりと光っている。激しい息使いも下から聞こえた。

「大丈夫かー?」

 パパが上から僕のことを見下ろして聞く。

「大丈夫だよー」

 僕はそれに答える。

 するとママが上から懐中電灯で穴を照らしてくれた。

「ぎりぎりセーフだったわね」

 ママが言ったので僕は何のことかと思い、下を見てみた。

 数十センチ下には、十mはあろうかという巨大なワニが口を開けて僕を飲み込もうと待っていた。

 僕は急いで、壁に穴を開けながら上へと這い上がった。

 無事玄関まで戻り、僕が乱していた呼吸を整えているとお婆ちゃんが「流石はワシの孫じゃ鍛え甲斐がある」と上機嫌な様子で言った。

 もう日はすっかり暮れていた。僕達は夕食にすることにした。

 お婆ちゃんは畑から取って来た野菜や僕が持ってきたスズメバチの体を使って天ぷらを作ってくれた。

 料理を平らげ、お風呂に入り明日からの修行に備えるため早めに寝ることにした。

 今晩は逆立ちじゃなく普通に寝ることにした。

 おやすみなさい。

 僕は布団を頭まで被った。


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