様々な免許
色々なものが免許制の世界になった。
僕は色々な免許を取得しようとしたが全て落ちてしまった。就職活動免許、バイト生活免許、ホームレス免許さえ落ちた。もう生きている気力が無かった。というよりも生きる方法そのものが無かった。僕は自殺することにして、高層ビルの屋上でフェンスをよじ登ろうとした。するとひとりの警官に呼び止められた。
「君!待ちなさい!」
「止めないで下さい。死ぬしかないんです。」
「それはいいが、自殺免許は持っているのかね?」
「……」
「無いようだね。なら見逃せないな。」
僕は渋々フェンスを降りた。
「身分証を見せなさい。」
「なら身分証提示強制免許を見せて下さい。」
警官は免許を見せる。
「身分証はありません。身分証所持免許に落ちたので…」
「なら名前を口頭で述べてください。」
「これは職務質問ですか、それとも取り調べですか。どちらにしても免許を見せて下さい。」
警官は職質免許と取り調べ免許一級を見せる。
「黙秘します。」
「黙秘免許を提示して下さい。」
「ありません。名前は島田一郎です。」
「無免許自殺は初めてですか?」
「三回目です。」
「なら常習犯になりますので逮捕します。」
「では緊急逮捕免許を見せて下さい。」
警官は緊急逮捕免許を見せる。
「 君、さっきから免許の提示を求めるが免許提示請求免許は持ってるんだろうね?」
「……」
「無免許免許提示請求罪も追加だね。」
僕は深いため息を吐いた。なんとも住みにくい世の中になったものだ。
「君、ため息なんて吐いてこの世の中に絶望しているのかい?まあ住みにくい世の中になったよな。君に同情するよ。ところで絶望免許は持っているんだよね?」




