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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

現実

作者: 夏川 涼流

いつも通り起きて学校に行く。学校に行って友達と会話して、授業を受けて帰る。帰ったらスマホを見て、時間が過ぎる。夕飯の時間になれば家族が少し話しかけてきて、それに言葉を返す。その後もスマホを見て勉強をやらなくてはいけないとわかっているができずに結局寝る。別に嫌なわけじゃない。でも、何か足りない気がする。小さい頃はまるで世界がカラフルに彩られているように見えたし、新しい発見ばかりで楽しかった。大人になっても今の自分を見てそう言っていると思う。このまま生きて終わっていくのは少し悲しく感じた。

いつも通りの朝だ。

(最近は頭痛が酷いな、夜遅くまでアニメを観ているせいか?一昨日は3時間しか寝ていないし、昨日も4時間くらいだな...そろそろちゃんと寝ないとな。)

朝ごはんを食べる。テレビをつけるとニュースがやっていた。近くの駅で人身事故があったらしい。

自分はこんなニュースを見てもほとんど何も思わない。

「うわぁ〜もぉ〜朝からこんなニュースやめてよ...」声は震えていた。

親は特に子供にまつわる悲惨なニュースには悲しみの感情が出るらしい。このニュースも中学生くらいの子のニュースなだけあってそれが顕著に出ていた。こんな反応を見て嫌悪感を薄らと抱く自分が嫌いになる。

最近は人付き合いも頑張って友達と話すことも多いし、普通に楽しい。でも、会話をすることなく自分の好きなことをできればもっと楽しいと思う自分もいる。こんな感情は、気まぐれでやっぱり友達と遊ぶと楽しいと思ったりするし、時には全然楽しくないとも思う。こんな無駄な思考ばかり巡らせていてそれに気がつくと、ハッとする。少し前には定期テストがあり、僕は人生で一番良い順位を取れた。少しだけ嬉しくなって生きていて楽しいと思えた。

こういうことがあった次の日はすごく気持ちが良い。清々しい朝を迎えられた。その日のことだ、帰りの電車の中で自分は運命の人を見つけた。その人の周囲だけ周りが光って見えるほど笑顔が美しかった。儚く消えてしまいそうで、髪の色は綺麗な狐のような色をしていて言うなれば秋のようだった。驚くことにその人は僕に話かけてきてくれた。

「ねぇ君、何処の高校の子なの?」

彼女は、はにかんで聞いてきた。

「神田北高校」

好きなのに、無愛想に答えてしまった。

(うわぁやっちまった〜)

でも彼女は太陽のような笑顔で明るく言葉返してくれた。

その日の夜は嬉しすぎて眠れなかった。次の日の朝、僕はその子を見つけるのに必死になりながら駅のホームまで歩いていた。

(あッ!!やっと見つけた!!)

僕は気づいてないふりをして電車を待っていた。

(ん?)

気づけば僕は線路の上に投げ出されていた。理解が追いつかなかった。自分の立っていたところに同じ高校の友達が居た。

(まさかこいつが突き落としたのか?なんで?)

電車はもうすぐぼくの横まで来ていてもう自分の人生は終わったと確信した。

(なぜ自分がこんな目に?最近はうまくいっていた。なんで!なんで!なんで!!?おかしい!!俺は何もしてない!!嫌だ!!まだ終われない....せっかく好きな子だって...)

運命の子は驚きと絶望が混じったような顔をして、ぼくを見ていた。

(最期にあの子が悲しんでくれて良かった。)

(いや普通に考えて終われるわけが無いだろ...こんなの...嘘だろ)

(突然人生が変わってしまうことなんて現実ではざらにある。アニメみたいにはいかないんだよな普通に。笑えるわ)

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