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ドン爺神になる

これは増えるゲイル騒動が起きる直前のお話。



「おー、ようやく見つけたぞゲイルよ」


「ドン爺お久しぶり。ずいぶんと遅かったね」


「エイブリックが嘘を教えよったんじゃっ」


撒いたとか酷ぇこと言ってたからな。


「でも俺がたまたまここに居るときで良かったよ」


と、ゲイルは久しぶりに会ったドン爺と再会を喜んだ。


「ゲイルは何をしておるんじゃ?」


「星を作ろうってやつなんだけどね。自分で星を作って発展させていく物の管理を代行してるんだよ」


とシステムを説明する。


「ふんふん、では星の王ということになるのじゃな?」


「王というか神だね。上手く発展するとこんな風にお供えが届いたり、実体化してそこで遊べたりするよ。責任はあるけど思う存分遊べるから自分でもやってみたら?」


「ここはゲイルの星か?」


「いや、ドン爺が元居た星だよ。ここの神様はまだ実体化が解けなくてね、変わりに俺が管理してるんだよ」


「ぼっちゃまー」


「おう、ミーシャ戻ってこれたのか」


「あっ、王様お久しぶりです」


「おーおー、ミーシャではないか。元気にしておったか」


母と子のイメージより前の方が強いんだな。俺のイメージがそうさせてるのかもしれない。


「マリアは?」


「ひふばーたひとふっとあふぉんでいまふよ」


勝手にめぐみのお供えを食うミーシャ。まぁ、めぐみは食わないからいいけど。


「ミーシャも星を作ったのか?」


「お肉と甘いものの星を作ったんですけど失敗でしたえへへ」


「ならワシがミーシャの為に素晴らしい星を作ってやろう」


「本当ですか?やったーっ!」


「ドン爺、手伝ってあげようか?」


「いーや、ワシがちゃんと作ってやるわい」


そう言うので注意点とバランスの事を説明しておく。



「ほれ、ミーシャ。ワシが発展させる様子を見ておきなさい」


「はいっ、美味しいお肉がたくさん届く星にしてください♪」


ドン爺はミーシャに自慢したいんだな。ならば頑張って発展させてくれたまえ。





よし、始めるか。ゲイルはバランスが重要と言っておったの。ふむふむ、魔法は使えた方がええの、種族も色々いた方が発展するのが早いのじゃな。


なんじゃこの種族は?


ほう、新しく追加された魔族とな。フムフム、人類共通の敵として君臨し、人類同士の争い防止に役立つのじゃな。


これも追加じゃな。


えーっ、星のこの辺に魔族の国を作ってと、人類はこの辺に集中して配置すれば良いな。元のウエストランド王国を参考にすれば余裕じゃの。



フムフム、レア魂ガチャは何が当たるかな?


ガチャガチャっと。


「うぉーー、見ろミーシャ。魔王がガチャで当たったぞ。これで人類の敵として君臨してくれるじゃろう」


「ぼっちゃの奥さんのラムザさんも魔王ですねぇ。綺麗で可愛い人なんですよぉ」


「む?ゲイルは魔王を嫁にしたのか?」


「女神様とシルフィードもお嫁さんですよ」


「なんとっ、頑なに結婚せぬと言っておったのに3人も妻を娶ったのか。まぁ、ゲイルならそれぐらいおってもおかしくはなかろう。ミーシャは嫁にしてもらわんのか?」


「ぼっちゃまのお嫁さんにしてもらえますかね?」


「ワシはてっきりミーシャとゲイルが結婚すると思っておったがの」


「へへへっ、ぼっちゃまはお父さんでしたからね。またお父さんになってくれるか聞いてみますね。それにザックさんが来てぼっちゃまのお嫁さんになってたらびっくりしちゃいますし」


「そうか。また昔みたいに仲良く一緒にバーベキューやらなんやら出来るといいの。で、ゲイルの嫁の魔王は可愛くて綺麗なのじゃな?ならばこの魂も女性にするかの」


魔王を女性にして初期配置するドン爺。


おっほーっ、魔王とは何とも魅力的な女性になるものじゃの。ムホホホホッ


「王様?」


「こほんっ、いや何でもない。これで他の魂も初期配置完了じゃ」


・・・

・・・・

・・・・・


「これはいつまで待てばいいんじゃ?」


「ぼっちゃんは100年とか200年とか待たないとダメだと言ってましたよ」


「ずーっと待ってるのも暇じゃの」


「始めたばっかりは時間進められるオプションっていうのがありますよ」


と、ミーシャが時間の進め方を教えてくれる。


ピピピピピっ


「おお、人間が増えて来おった。街らしきものも出来たの。しかし、思ったよりショボいではないのか?」


「もっと時間を進めないとダメかもしれませんね」


ピピピピピピピピ


「あんまり変わらんの?」


「ちょっとぼっちゃま呼んで来ますね」




「どうしたの?あんまり上手くいかない?」


「思ったように発展せんのじゃ」


「あー、初めはそうだね。誰かレアな魂が発展のきっかけを作ってくれたら早いんだけどね。初期配置の魂はまず子孫をたくさん増やすのを優先するんだよ。だからデイリーガチャで魂貯めてどんどんセットしてやるんだ。そのガチャにレア魂とか混ざってんだよ」


「ほう」


「あ、魔族も入れたんだね」


新しく実装された魔族。ラムザ達のように汚魂を駆除するわけではなく、人類の敵として存在する新しい種族だ。人間をやみくもに攻撃するわけではなく防衛優先だが人々には恐怖を与える。人間同士が争うとそこに混じって恐怖を与えるのだ。戦争防止システムとして採用された。


ドン爺は超レア魔族の魔王を引き当てたらしく、強さも美しさも兼ね備えた魔王だった。


「発展はレア魂待ちしかないのか?」


「普通はね。試しにおやっさんの星は俺たちが直接介入して初期の発展をやったんだけどね、それが良いことなのか悪いことなのかまだ分かんないんだよ」


「ほう、そんな事が出来るのか?」


「実体化してやるんだよ。実体化せずに星の中に入ると皆は見えないから、魂を触って見えるようにしてやることも出来る。それで直接やらなくてもお告げみたいな感じでその人に発展させる為のアドバイスも出来るよ」


「なるほどのぅ。ではお告げなら問題ないのじゃな?」


「多分」


「じゃ、早速やってみるわい」


とドン爺は星の中入って行った。



ドン爺は昔、ゲイルに教えて貰ったようなやり方で魔法を使わせてみたり、ロドリゲス商会をより発展させた商売のやり方とかをお告げで教えているようだ。


「ミーシャ、俺は戻らないとダメだからドン爺が帰って来たら伝えといて。あとめぐみの星のお供えは好きに食っていいぞ」


「はいっ」


こっちに来るか?と聞いたらマリアが戻って来るかもしれないし、お供え食べ放題なら大丈夫と言った。



ドン爺が戻って来てまた時間を進めると順調に発展しだした。が、それに伴い争いが発生するようになる。


「おお、見よっ魔族が乱入して、人間対人間が人間対魔族になりおったぞ」


魔族は人間のヘイトを集めたら魔族の国に帰って行く。


「うむ、良く出来ておるのぅ。魔族は強いし、人間同士の争いも収めてくれおった。それにこの魔王は、ムホホホホッ」


ドン爺はきょぬー派だった。


全く魔族に歯が立たなかった人間達は魔族に対抗するために武器を発達させ、軍備を整えていく。そして魔法も急激に発達していった。


「うむうむ、この調子で行けばワシがいたウエストランドより発展するかも・・・ん?」


急速に発展した人類は魔族の国へと進行を開始した。特に魔法と魔法陣が発達し、少しずつ転送ゲートで道を繋げ魔族の国までやってきたのだ。



「あの人間、魔族より強いのでは無いのか?」


「凄いですね」


早送りしていた時間を普通に戻してドン爺は星の中に入った。やたら強い人間に魔族は本当は敵では無いと伝える為だ。このままだとお気に入りの魔王が倒されてしまうかもしれない。



やたら強い人間の魂をぺろんと触ってやるとその人間が驚く。


「なっ、何だこのじじぃ?どっから来やがった?」


「ワシはこの世界を作った神じゃ。魔族は人間の敵ではない。人間同士を争わせない為の存在なのじゃ。じゃからこれ以上攻め込んではならん」


「いい加減な事を言うなっ。俺達は魔族を倒す為の勇者として召喚されたんだ。魔族は人類の敵だっ」


「召喚?なんじゃそれは?」


勇者と名乗った者は自分が召喚された事を怪しい爺さんに話した。


「ふむ、それは気の毒じゃったのう。しかし、ワシは戻してやることが出来ぬ。どうかその力をこの世界を発展させる為に使ってはくれぬか?」


勇者はドン爺の言うことを信じられなかったが、パーティーメンバーには姿どころか声すらも聞こえていないようなので剣を収めた。魔族も特に攻撃をして来なかったのが剣を収めた理由でもある。


「本当に神様なのか?」


「さよう、仲間達にもワシの姿を見えるようにしてやろう」


ドン爺は女性メンバーの魂には少し長めに触っていた。


「うぉっ!」「きゃっ」


「皆にも見えたようじゃな。では勇者よ、人間達の発展を頼んだぞ」


そうしてドン爺が消えたことで、勇者一向はその言葉を信じて引き上げて行ったのであった。



この物語はドン爺が自分の力で星を発展させて行くお話です。さて、上手く発展させられるのでしょうか?


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― 新着の感想 ―
[気になる点] ランキングの完結済み作品から来まして同作者さんの作品初見なんで、ドン爺がどういったキャラクターであるかの説明と、他作品関連の登場人物と事件と固有名詞についての説明が簡単な物で良いので本…
[一言] ドン爺はやっぱり、きょぬー派なんですね(笑) ドン爺編も楽しみです♬
[良い点] やったー スピンオフだけどドン爺が主人公だぁ〜(笑) 更新楽しみにしております。
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