『含まれていない』ってどう解釈するか
「あくまで一般論で答えたもので、個別の案件は回答に含まれていない」
これを読むと色々な単語が省略・置き換えされていることがわかる。
あくまで・・・この部分は創作でしょう。ビジネスマンなら使わない。
一般論で答えた・・・一般論なんて言葉も使わない。それこそ決まりが無い。まともな対応なら『社内規則に沿って』とかいうはずである。例外は無いといっている時点で、一般論かどうかは意味の無い話だ。
ここまでは、秘書の解釈とみるべきだろう。
おそらく、「回答の根拠は?」という問いに「社内規則に沿って回答」とでも答えたのだろう。
問題は、秘書がどのように尋ねたかが明かされていない。質問の仕方によっては、このような回答になるのは当然だろう。質問内容が明らかになると困るので、書面で出せないわけである。
案件・・・政治用語でビジネスなら『契約』というはず。
回答には含まれていない・・・個々の案件について個別に答えてはいないということだ。そのような質問がないのだから、答えてない。首相の主張のようにいうならば、『含まれていない』ではなく、『適用されない』とか、『適宜に運用している』などという表現でなければならない。
つまり、ホテルへの質問と回答を正確に表現しているのではなく、恣意的な質問をして、その回答を都合よく言いなおしただけである。
どのような、質問に対して、どう答えたのか。それを明かさない限り、この言葉はそれこそ意味の無い回答ということになるだろう。
真っ先に明らかにするのは、ホテルの回答よりも、政権側の質問内容であるはずだ。
補足:
ビジネスマンが対外的に『あくまで』を使わない理由として、これは複数の意味をもつ単語だからです。つまり真意が伝わらない単語。『原則』とか『建前』とか『内内』といった限定した表現を使います。本来この部分を抜いても意味が伝わらなくてはいけないため、わざわざ使う意味が無いのです。
案件はまったく別の意味として用いられ、『提案』(決まっていないこと)という意味になります。