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銀色と少年

また新作、書きかけの小説もそのうち頑張ります。

新しいの書き始めまた、よろしくお願いします。

 少年は必死で走る。

 どれだけの角を曲がり、どれだけの路地を進んだかわからない。息が詰まり、吐きそうになる。

 しかし、前に進むのを止めない。

 何が追いかけて来ているかなんて知らない、ただ走ることだけが今できる事だと信じてただ前に前に進んで行く。

 頭に過ぎるあの光景を払拭する為に、追いかけてくる足音と遠ざける為に何が起きているのか分からない恐怖から逃げる為にただ足を前に出し続ける。

 少年はがむしゃらに前に進む。





「まてや!そこで止まらんかい!そのまま、動くんじゃねえぞ!」


 不意に聞こえた大きな声に、少年は大きくビクつく。

 心臓が跳ね上がったような、衝撃が体を駆ける。体は長時間の逃走に悲鳴を上げ、立ち止まるともう動くことは叶わない。

 その状況で少年は、立ち止まってしまった。

 ギギギと音がしそうになる振り向き方で、少年は後ろを見てしまう。

 しかし、そこには誰もいなかった。

 想像していたのは、ヤクザのような見て目の男がガンをつけながらこちらに近づいてくる姿、しかし広がっていた光景はただの路地裏だった。

 

「だから、そこで止まれって言ってんだろ!こっちにはこれがあるんだぞ!」


 声が響いた後、ガシャリと音がした。

 ずっしりと重い物を取り出した音がした。そこから想像するに決していいものを想像できない。

 少年は再びあたりを見渡すが、誰もいない。

 止まった足が震えだす、一度止まる次の一歩が踏み出せない。

 壁を支えに這いずるように、路地の先に踏み出すとそこには想像通りの光景が広がっていた。


 「いいからそこで大人しくしていろよ!」


 恰幅のいい男が、震える手で拳銃を持ち銃口を向けている。

 少年が顔を出したのは、男の真後ろで男は少年とは逆向きに銃口を向けていた。

 

 男の先には銀舞っていた。

 白ではない。その線一本一本から眩いばかりの銀が光っている。

 少年は、その銀に目を奪われる。

 男の向こう側で銃を突きつけれているのは、限りない銀色だった。

 モデルのような長身で、銃を突きつけられて事など何でもないように佇んでいる。

 キリッとした目は、蔑むか憐れむかのような目をして男を見ている。

 その姿勢から、抜き身の刀身のようなイメージ少年は受けた。

 

 「そのままだ、頼むからそのままでいてくれよ」


 銃口を向けているにも関わらず、男の最初の威勢が削がれ虚勢に代わってきているのその場の力関係を意味している。

 理解しがたいが、そのシーンを覗くように見いている少年も銀色の女が男に屈服する所が想像できないでいた。

 いや、一瞬でも気を抜けば・・・・


 「やぁ、少年久しぶりだね。こんな所でどうしたんだい?市街地でもないこんな誰もいない所で出会うなんて、お姉さんとしては予想外だよ」

 

 「な!誰だぁてめぇは!こっち見てんじゃね・・・あゲェ!」

 

 不意に声を掛けられると同時に、男も少年が覗いているいる事に気づき振り返った。

 苛立っていたのか、少年を見つけると荒げたように声を出し威嚇する。が言葉を紡ぐ過程で男は何かを思い出したかの言葉を止め、顔から表情を消える。

 そして男の視界は回転するかのように、360度を映し出し景色が消えただろう。

 なぜなら、男が意識を外した瞬間に銀色が空に線を描き首が文字通りくびれた。


 少年の意識はねじれた首の男が体制を崩す途中で銀色と甘い匂いに襲われた。

 銀色は流れるような動きで、少年を抱きしめる。

 少年の身長は160前後であり、あまり高くない事と女の身長が180強ある長身であるのも相まって少年のすべてが銀色に染まる。


 「うむ、助かった少年。あの男に付きまとわれて少々懲りていたところさ。何かお礼をしたいのだけどねぇ、何をしたものか?」

 

 抱きしめながら、大切なもので見つけたようにその手は少年を撫でる。まるで見つけた物にマーキングをしているかのようだ。

 少年はそのまま動く事ができない。

 状況の変化についていけいない頭は、体に指令を与えないまま情緒が落ち着くのを待つ。

 

 「今すぐ、連れていきたいのだけどこっちにも準備があるからね。少年にもこんな所にいるのだから事情があるのだろう。お姉さんとはひとまずここでお別れだよ。お姉さんは、少年の見方だよ。今度会ったときは、必ずこの時のお礼はしよう。じゃあね!」

 

 耳元でそう呟く声が、頭に届いた時には銀色そこに無く男の死体と誰もいない路地だけが広がっていた。

 

 「あ、そうだ少年。鬼には気を付けるんだよ、黒い鬼に!」


 誰もいない路地そんな言葉が響く中、少年はまた駆けだす。

 どこへ向かうでもなくひたすら、その場を離れる為に。

 


 

 どれぐらい駆けただろうか?

 日はオレンジ色の光を放ち、空は所々黒く青に染まっていく。

 周りの光景も入り組んだ迷路のような路地裏から、寂れゴーストタウンのような商店街の中をとぼとぼと歩いている。

 いや、ゴーストタウンで間違いない。荒れて誰もいないその場所を他にどのように表現すればいいのだろうか。

 そんな場所を体を引きずるように、前に進む。

 疲労がピークに達し、これ以上はそんな気持ち押し殺して前に前に。

 どこか、隠れられそうな場所をひたすらがむしゃらに探している。

 人のいないいくつも店を、探しているの食品を扱っていた場所だ。

 姿を隠す場所と、生きるための食い物その両方を満たすその場所をどこにあるの商店街をひたすら歩く。

 見えてきたのは、小さなドラッグストア。中に入り、缶詰などが置いてあったであろう食品売り場を目指す。

 少年の希望通り、そこには缶詰が並んでいた。

 別のエリアからは、食品腐敗した匂いがするが今は気にはならない。

 食料と人目を避けられる室内をひとまず得られた事に少年は安心から力が抜けていくのを感じる。

 世界を襲ったパンデミック、自身の逃亡の原因となっているそれが少年にこのような隠れ家を用意しているのだ。

 なんて皮肉だと思いながら、一息つける事に安心する。


 「誰・・・・?」


 そんな誰もいないと思った場所で、声がする。

 振り返り、目に映ったのは金色。

 その瞬間、熱が体を駆け巡り地面が迫ってくる。

 ドンと衝撃が走り、冷たい地面感覚だけが体に伝わる。


 「あれ?間違えた?」


 そんな感じの声が、鈴を鳴らしたように辺りに響いていた。


読んで頂きありがとうございます。

書いているといろいろと言葉が思いつかないものですね。ネーミングセンスなんて壊滅的。

いろいろと指摘頂けると幸いです。

ゴールデンウィーク中にどうにかしたいのですが、もうあきらめ気味です。頑張って書き続けるのでどうぞよろしくお願いします。

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