058.俺の小説家人生はどこか歪んでいるのですが……?
こんばんは、そして第二章は今日で完結します!!
もっとも彼、彼女達らしい終わりを迎えます。。ここまで読んでくださった方には感謝しかありません。。その点少し手を貸していただきたいのですが、アンケートをしてくださると嬉しいです。中身は次回からの第三章の投稿についてです。
明日から一週間に一度更新する or 一か月後毎日更新
のどちらかを選んでいただけたら、と。リンク先はこちら→https://twitter.com/Shintsukiatsuki/status/1048099132403933186?s=09です、どうか投票していただけると嬉しいです。
それでは第二章「~これが新聞記事を完成させる道筋なのだろうか~」
最後の幕引き、どうかお見届けを…………
一週間の境目である悪夢の水曜を乗り越え、ようやく休日が目の先にある場所まで辿り着いた本日、金曜日。
ここまで部活動という活動やら仕事は何もせず、低堕落な生活を送っていた。とは言ってもあの編集者の赤文字を修正する作業ばかりで堕天使らしいライフを過ごしていたわけではないが。
新しくクリエイター人生を迎えた神無月も……
「あなた、こんなに言ってるのにまだ分からないのかしら?」
「癖が付いちゃってるんだよ~~」
一難去ってまた一難と、無限地獄に入り浸っているようだ。クリエイターへの門を叩いた神無月は、先を行く水無月が師となって何度も説教を喰らっている。
そういえば水無月はどうして小説のみならずイラストまで携わっているのか俺は疑問だったので訊いたことがあった。イラストレーターになったこともない水無月がどうしてそこまでアドバイス出来るのか、と。すると何も包み隠さずこう答えたのだ。
「挿絵ぐらい作家も一緒に検討するということが頭にないのかしら?それともそこまで考慮出来ない脳無しなのかしら?あ、失敬失敬、羽虫だったわね。てっきり体が人間だったもので皆目見当が付かなかったわ」
まあ……あいつの言葉の大半は関係ないが。
水無月は今まで小説家として何度もイラストを見てきたようだ。どう描けばいいか、悪いのか、一般人よりも知識があるということ。それならば本業のイラストレーターに修行を頼めば良いのでは、と提案したがそう簡単に事が上手く運ぶわけないと、念を押されたのだった。
まあ、要は知り合いの中で最もイラスト関係に近いのは水無月しかいなかった、というわけだ。
だからといって俺は何もしないわけにはいかない。同じクリエイター同士なのだから、せめて何か助言やらアドバイスをすることにした。
「癖なんてすぐには治らないだろ?そこまで言うことないんじゃないか……」
「ん、見てみなさい」
そう言って紙を突きつけられたので俺は、破れないように(一応描いた作品なので)しわくちゃになった画用紙を広げる。
「なぜ…………だ?」
「だから言ったでしょう、私がここまで主張するのにはそれなりの訳があってよ」
イラストにはとある家屋の屋内を描いたようなのだが、金メッキで塗装された長椅子、シンデレラベッドやらゴージャス感溢れている部屋である。
しかし、
「これが日本の代表的なTHE和風の部屋なのか……?」
作品のタイトル記入欄に「日本を象徴する家屋」と記載されているのだが……
唯一、和風だと感じられるのは畳が敷かれているぐらいだ。これは何がなんでも支離滅裂すぎる。
すると、頭のどこかのセンサーでも反応したのか、ペンを進めていた神無月の手が止まり、俺の方に視線を移してきた。
「どうしてマガトが見てるんだぁーー!!それは失敗作なんだから見れるレベルじゃないよ、ってみな!!」
一言も耳にいれずに水無月は次の一枚を俺に渡してきた。どうやら日本の街角風景というタイトルらしい。
「これも…………だな。ははははははは…………」
俺は笑うことしか出来ない。
やはりというか、想像通り和風よりも西洋に近い造形物。しかし……
「これじゃあ明治維新頃の日本じゃないか?」
今でいうところのマンションやらビルなどの建造物は赤レンガで建てられ、信号機もない。灯は電灯ではなくまさかのガス灯と思しきものばかり。しかも人々の交通手段がまさかの馬車。
「違うわ」と俺を否定する水無月。どこが違うのか、俺にはさっぱり分からない。何せこのイラストを歴史の教科書に載せてもいいのではないかと誤認してしまうほど昔の日本を忠実に再現している。
「明治維新ではなく、『文明開化』よ」
そこかよっ!!
「つまりは、だ。日本の代表的な建造物を表すっても、この時代を選ぶのはよくないんじゃないか?」
「そ、そう。たとえば室町時代なんかはどうだ?」
俺は訪日外国人観光客が想像しているような和風な建築様式の建物を提案した。時代は違うが、法隆寺の五重塔のような金属は一切使用しない木造建築。日本のシンボルと言っても過言ではないだろう。
「そうではないの」
神無月に問いかけた俺に横から槍を投げてきたのは、水無月。彼女は眉間に皺を寄せながら吐息混じりに答えた。なるほど、そんな簡単な問題なら悩んでいないってことだな。
「そんな話ならとっくに解決しているわ」
ビンゴッ。
「心の中でどこかガッツポーズを取っているようにどこか見えなくもないのだけれど、今はそこまで深追いはしないでおくわ。とどのつまり……描けないのよ」
鋭く俺の心臓にナイフを突き付けたかのような勢いで俺は一瞬ひるんだが……描けない、それは一体どういうことなのか。癖とは神無月自身も理解しているようだが、画風が、ということではないのだろうか。
基本的な絵の描写は描き方が彼女自身に連なっているわけで、容易には変えられない。それはつまり、自分の筆跡を強引に変えることと同じぐらい難易度が上がるのだろう。
「…………なんで西洋チックになるんだ?」
だから俺は、どうして神無月のペン癖を変えられないのか、その原因の正体は何であるのか、訊くことにしたのだ。
何も知らずに、俺の間違いだと何の気付きもせずに。
「あなたのせいよ。もっと言わせてもらうと、あなたの『作品』の為ね」
「は?どうしたって俺の責任なんだ?俺が神無月が描けなくなるような因果やらの発端になった覚えはないぞ」
「だから作品って言ってるでしょ」
水無月と俺との間に割って入るように神無月は自分の問題の捌け口を答えた。
「なんか……早苗月先生のイラストばっか描いてきたから日本の物とかをどうやって描くのか分からなくて」
なるほど。それで俺が原因か。確かに俺は異世界系、つまるところ現代の日本から飛んで全く異郷の場所で冒険するーーなんて話を書いている。無論、登場する人物や物、背景は全て西洋がベース。
「私って昔から早苗月先生の作品に出てくるキャラクターの人物画とか風景画しか描いてこなかったからさ…………ね?」
ね?じゃないって。そんな目で俺を見つめられても俺には何も出来ないから。
「あなたの責任よ」
「二人から責められて俺には反対すら出来ないんだが……って水無月も俺だけに非があると?」
「そうよ。何しろあなたの作品の影響で神無月さんという作家が生まれたのだから、当たり前よ」
酷だ、酷すぎるッ。
「責任…………とってくれるよね?」と神無月。その首をかしげながら、下から覗いてくる姿勢を止めてくれい。あと、その言い方は誤解を生みかねないぞ。
俺は飛んでくる視線を手で遮り、面倒事を避けるために自宅へ帰還の準備をするが…………
「アナタ、忘れているかもしれないけど」
突如、廊下に繋がる扉のドアノブに手を掛けようとした時。冷たい感触が俺の腕から掌に移っていった。
つまり、だ。嫌な予感というやつだ。
「アシスタントの件よろしく頼むわね」
新聞記事を作成する前の事前会議(31話.アシスタントとは何をするのですか……?)の話。いつだったか覚えていない頃の話が今更のように降りかかってきた。
嗚呼……どうして俺はこんな面倒な小説家人生を辿ることになってしまったのか。
このいびつな運命から逃れることは出来まいか、俺は切実にそう願うのだった…………
(第三章へ続く)
ありがとうございました!!
ホント読んでいらっしゃる人がいてくださったお陰で書き上げられ、現在も第三章を書き進められることが出来ています。感謝しかありません…………
本編についてですが、これで完結!!とは言わせません!!!!
次回第三章から本格的に執筆開始……と言いたいところですがまたまたトラブルが発生して……とまあコメディー要素を含めながらシリアスに発展します。ハラハラとすることもあり、また第二章と違った味もあるのでおススメです。
さらに第二章で振り撒いた謎も現れますので、お楽しみを。
そこで読者の皆様にご協力願いたいのですが、第三章の更新を、
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それでは明日お会いするか、はたまた一か月かは分かりませんがまたお会いしましょう。。




