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後日談:美少女暗黒騎士、スケベ犬に悩みを打ち明ける

突然思いついたので後日談を投下してみます。

 勇者様との結婚生活も慣れて来た今日この頃。

 私には悩みがあった。


 それは勇者様が、散歩がてら洞窟探検にでも行って来ると言って朝から出掛けた日の出来事。


 その悩みのおかげで気分がイマイチ晴れない私は、ちょっと外をぶらぶらしてこようと屋敷の庭に出た。

 そこでクロちゃんが寄って来てくれたので話しかけてみる。


「おはようクロちゃん」

「ワン!」

「ふふ、今日も元気だね」

「クゥ~ン」


 「お前は元気ないな?どうした?」って言ってくれてるみたい。

 そうね……クロちゃんになら打ち明けてみてもいいかな。


「あのね……私と勇者様って結婚して夫婦になったでしょ?」

「ワン!」

「でも勇者様がね、エルザさんとの夜遊びをやめてくれないの」

「ウゥ~……」


 クロちゃんは私の為に怒ってくれている。

 とっても優しいわんちゃんだよね。


「でも夜遊びは結婚する前からやってた事だし……夫婦になったからってどうこう言うのは意地悪……というか、心が狭いのかなって」

「クゥ~ン」


 「そんな事ないよ」って言ってくれてる。

 でも本当にそうなのかな……。


 私は他に結婚してる女の子の知り合いがいないから、旦那さんの夜遊びをどう対処してるのかがよくわからない。

 だから自信がないんだよね……。


「やっぱりもっとエルザさんと遊ばせてあげた方がいいかな?」

「ウゥ~……」

「じゃあもっと『魅了』してずっと私の側にいてもらうくらいでもいいのかな?」

「ワンワン!ワン!ワオ~ン!!」


 「そうだ!そうだ!いいぞお!レッツゴ~!」って言ってる。

 そうよね、やっぱり他の女の人と夜遊びなんて嫌だもの。

 やめてくれないなら力を使わなきゃ!


 でも少しくらい遊ばせてあげても……。

 ううん、だめ!クロちゃんもそう言ってるんだから。


「ありがとうクロちゃん。おかげで元気出たよ」

「ワン!」


 そしてその日の夕方頃。

 洞窟探検(本当かな?)を終えた勇者様が帰って来た。


 部屋の外に響く足音。

 少しずつ勇者様が近づいて来ている。


 夫婦になってから、私たちは一緒に大きな部屋を使っていた。

 私はベッドの上で勇者様を待ち受ける。


 足音が部屋の前で止まり、少し妙な間が空いてから扉が開く。


「ただいま~」

「お帰りなさ……」


 そこまで言って、私の時は止まってしまった。


 部屋に入って来た勇者様はどうしてか、目隠しをしていたから。

 当然目は見えていないらしく、勇者様の足取りは不安定だ。


「えっと……勇者様……?」

「ククク……ハッハッハ!!どうだリリス!!いつまでもお前のいいようにやられる俺じゃない!!これならお前の力も通じないだろ!!ハッハッハ!!」


 どうしよう……私が力を使い過ぎたから、勇者様がおかしくなっちゃったのかな……?

 「魅了」って、心を傷つけたりする副作用があったのかな……?

 私が真剣に悩んでいると、勇者様は続けた。


「実は今日はな、この目隠しを造るために隣村でドワーフが経営している生活雑貨店に行って来たんだ!視界が塞がるのはネックだが、魔力は完全に遮断する!もうお前の好きにはさせないぞ!!」


 別に私の「魅了」を防ぐなら視界を塞ぐだけで充分なのに……。

 どうしちゃんったんだろう……。


 これが自分のせいだと思うと悲しくなり、私は勇者様に近付いてその胸に顔をうずめた。

 勇者様は手探りで私の頭を触る。


「ん……?どうしたリリス?何急に甘えてんだ、あれ、これ頭?」

「ごめんなさい……勇者様」

「どうしたんだよ急に。まあ、もうちょっと夜遊びはさせて欲しいけどな」


 むう……。

 可哀そうだと思ってたけど、調子に乗るのは違うんじゃないかな。

 やっぱり懲らしめちゃおっと。


「わかりました、いいですよ。エルザさんのところへ行っても」

「お、本当か?でもな安心しろ、俺が一番愛してるのはおま……」

「ただし……私の力から逃げられたら、ですけどね?」


 私は、スルッと勇者様の目隠しを外した。


「リリス大好き~~~~!!!!」


 私たちは今日も仲良しです♪

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