夢心地くずまんじゅう
硝子の器にぷるるんとたたずむ。
冷蔵庫で冷やしておけば、美味しさはさらにアップする。魅惑のくずまんじゅう。
透き通るまではいかない、その半透明な姿が逆に私の気持ちを高ぶらせる。すりガラスごしに見る世界のように、半透明に包まれたくず餅の中は、すべてをさらけ出さない。
そこに隠しているのは、そう、こしあんだ。
つぶあんとは違い、小豆を感じることは少ないが、舌触りのよい、滑らかなこしあんは私を自然と笑顔にさせる。
そんなこしあんが上品な甘さのくずに包まれ、静かに眠っている。それを、目覚めさせるのは私の仕事。いや、私の祝福。
大事に、隠してきたこしあんを守るかのように、スプーンの侵入をやんわりと防ぐ。
しかし、私は負けられない。
私の祝福は、誰にも邪魔をすることは出来ないのだ。
銀色の凶器への反抗もむなしく、あっというまに隠していたものを晒される。
すくいとったそれらは私の喜び。
一口食べれば、夢心地。
ああ、大好きなくずまんじゅう。
すいません、完全に大好きな和菓子紹介です(笑)
ですが、これを機にみなさんもくずまんじゅう食べてみてください!
ありがとうございました。
2017/9 彼方わた雨