異世界探索する話
さてと。
さっきのことが本当なのか嘘なのかは置いといて、俺はまずはその「異世界」とやらを探索することにした。
「とはいえ・・・まずは、どうすりゃいいんだ?」
俺は戸惑った。
普通のRPGなら「ギルド」とか、「戦士登録」的なものがあるだろうが・・・ここはリアルな世界なのだ(たぶん)。だからそういったものがあるとは思えないが───
と、頭の中に声が響いた。先ほど聞いたような声だ。
「ひとつ言い忘れました」
ガブリエルの声。
「おわっ!?な、なんだ、おどかすなよ。バケモノかと思ったよ」
「からかわないで下さい。私はたまにこうやって、あなたに話しかけ手伝いをすることがあるので、悪しからず」
はーん、さいで。
「おお、そりゃありがたいな」
「ですがあなたがからかうのでそれはやめときますね」
は、はあ!?
「お、おい、悪かったって」
すると、向こうからクスッという笑い声が聞こえてきた。
「冗談ですよ」
・・・・・天使もひとをからかうのか・・・。
「それはそうと、ガブリエル、まずはどうすりゃいいんだ?そういや装備ってのもないし」
呼び捨てにしちゃったけど、いいよな。
天使だけど、いいよな。うん。
「──わかりました。まずは、装備です」
次の瞬間、ポワッという音を立てて俺の体は白煙に包まれた。
「お・・・おおっ!?」
すると、見事にキラキラした白銀の装備が現れたではないか。
「おお、サンキューな。んで、どうすりゃいいんだ?まだ戦い方も分かんないし、何よりその、凶竜ってのがどこにいるのかも───」
「無茶を。あなたの実力では凶竜には敵いません」
まじかよ。
「まずは、凶竜を含めたモンスターを倒すための許可をもらいに、都市拠点というところへ行ってください。場所は光で示しておきます」
そう言い終えると、突如俺の目の前に光の線が現れた。これを辿って、都市拠点とやらへ行けばいいのか。
「ああ、分かった、ありがとう」
それ以降はガブリエルは何も言わなかった。
俺は、とりあえずそこを目指して異世界を探索することにした。
さて、何が待ち受けているのやら─────