表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
壊れた意識を取り戻せ!  作者: できれば匿名希望でお願いいたします
1 異世界に飛ばされた理由
2/13

俺が殴られた話

「いやー、雄人、今日はすごかったな」

俺の親友である、田中正人が俺に言った。

「サンキューな。あの時は俺も必死でさー・・・いや、必死なのは当たり前なんだけどさ」

今日は、俺たちが所属するサッカー部の大会があった。

前半、1ー1の同点になってから後半どちらも一点も決められず、結局延長戦となった。

延長戦開始早々、俺たちのチームは一点を失った。

もうだめだと、誰もが諦める中、俺は無我夢中でボールを追いかけ、グラウンドを走り抜け、そして二点を取り返した。

2ー3──俺たちのチームは、見事優勝を遂げた。

「わかってるさ。だけど、みんな諦めてる中、お前だけすごかったぜー」

「いや、褒めても何も出ねーよ。だって決勝戦まで行ったんだから、優勝しないと嘘だろ?」

俺は、笑って言う。これが俗に言う、微笑むってやつか。

「全く、お前はすげーよ・・・。ま、県大会出場だし、頑張ろーな」

俺と正人は家が別方向なので、ここで別れる。

「じゃな。また明日」

ふう・・・。

いやー、今日は疲れた!

我ながら、よく頑張ったとは思う。何せ、四ヶ月前まで補欠だったんだからな。

ザッザッザッ・・・。

俺は道を歩いていた。

だが──例えるなら、それは地獄へのレッドカーペットか──

いや、レッドカーペットという言い方はよそう。これだと、いいこともありそうに聞こえるからな。

なぜ、地獄かって?

それは、その時の俺に聞かれても分からない。この1分後に、あれが起きるんだからな。

ふわーと、大きな欠伸をした。

すると、道端から──

「ハッ!」

後ろから、短い呼気が聞こえた。

何かと思って後ろを振り向くと・・・

振り下ろされる鈍器。

(え・・・?)

ガアアァァァァァン・・・という音が、俺の頭の中に響く。

その次に見たものは──

血だった。

(うっ・・・)

頭から流れる血と共に、俺の意識も薄くなっていく。

そのまま、そこにドサッと倒れる。

「・・・」

俺を殴った謎の男──男とは分かった──は、無言でその場を離れた。

少なくとも、俺はそう感じた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ