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創造がもたらすアルテ  作者: 菖蒲
第1章
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ナツメの日常

平成28年1月17日(日)スタート

熱にうなされ、やることなーい...暇だし、小説書こう←


でも話とかどうしよう...えーい、どうとでもなるさ!


※序盤説明が多くなってしまいますが、ご了承ください。

 

 ジリリリリリリリリリ!!


 春眠暁を覚えず

 昔の人はなんて適切な言葉を生んだのか



 ジリリリッ



 そんなことを思いながらナツメは窓から差し込む朝の光を片手で遮り、もう片方の手で頭上でけたたましく鳴り続ける目覚ましのモーニングベルに終止符を打つ。



 「...ん、もう朝...なのか」



 気だるそうにそう呟きながら、窓から差し込む光を鬱陶しそうに見ながら頭まで布団に入った。


 もそもそと布団の中で あと五分だけ...

 なんてお約束なことを思っていると、ドアの向こうから 控えめなノックが聞こえてきた。



 トントンッ



 今日こそはあと五分....



 そんなノックの音を無視しつつ、あと五分だけという些細な願望を叶えるため、ナツメは布団から出ようとしない。



 トントンッ...トントンッ...........ガチャ



 そんなナツメの気を知ってか、知らずか、ドアをノックする人物はノックに反応しないナツメの部屋へと入ってきた。


 そして、ナツメのベッドの隣まで来ると、左手でナツメの布団を少しめくる。右手で枕付近に手をつき、次いで左足、右足と布団のなかに忍び込ませ、自分の身体をすっぽりと布団の中へ納めた。


 つまりは....添い寝である。


 だが、浸入してきた人物はそれで終わりではなく、布団のなかで仰向けに寝ているナツメの左手を取ると、おもむろに自分の胸の位置へ―そして



 むにゅっ



 ナツメの手を自分の胸に押し付けた。

 次いでナツメの指に自分の指を重ね、敏感なところを含め、勢いよく揉みくだそうとすると



 「わ、わかった!起きるから!朝っぱらからやめろっ!」



 これ以上はまずいと思ったのか、ナツメは声を荒げ布団から慌てて出た。どうやら、今回もあと五分という些細な願望は叶わなかったようだ。

 ノックをしていた人物、もとい布団に浸入して朝からハレンチなことをしでかしてきた人物に向き直ると、一喝



 「サツキ、おれはそんな起こし方を教えた覚えはないぞ!?もっとこう、布団を揺するとか方法は別にあるだろ?」



 サツキと呼ばれる少女はナツメから指摘されると布団の上で膝を抱えシュンとなって俯いた。


 ブラウン色の髪を後ろでピンクのリボンで束ね、身だしなみを整えた小柄で華奢な身体が更に小さく見える。


 そんな光景をみたナツメはさすがに思うところがあったのかバツが悪いそうな顔をする。



 「そ、そんな泣くことないだろ。たしかにおれが起きなかったのが悪かったし、起こしに来たサツキが悪いなんて一言も...」



 そう必死に弁解しているナツメに満足したのかサツキは顔を上げ悪戯っぽい表情を浮かべて見せた。


 もちろん目じりには一粒の雫もなく、ほんのり紅色に染まった頬に薄い桃色の唇。目線を少し下げるとまだ中学生というのに胸部には幼さを残す顔立ちに反してふくよかな凶器が。


 ナツメはおもわず自分の左手に目をやると、決して意として感触を確かめようにではなく無意識的に動かした。あくまで、無意識だ。

 

 その一部始終を女の子座りに直ったサツキがじーっとナツメの行動を見ていた。


 ハッとしたナツメはあたかも自然な流れに戻すため、サウスポーではないが無い球の感触を確かめるようにして、投球のマネで誤魔化す。もちろん傍から見てもそれはそれは苦しいものだった。


 だが、サツキはというとトテトテと近くに寄りナツメの手を握り、上目使いでじっナツメを見つめた。

 そして、あーんと口を開けたり閉めたりして

 


 「ん?あぁ...そうだな。朝ごはん食べないとな」



 ナツメがサツキの言いたいこと ご飯食べよ?

 という意思を汲み、1階の居間へと向かった。




 

 「サツキー、トマト入れてもいいかー?」



 食卓で朝ごはんを食べているサツキにキッチンからナツメが呼びかける。

 サツキは勉学、家事、運動どれにおいても軽くこなせるのだが、料理だけはどんなに頑張っても上達しなかった。

 

 逆にナツメはというと、それに反してか、勉学、運動は人並みにしかできないものの、料理だけは人並み以上にできた。


 幼少の頃から兄というだけでいろいろと家事をやらされた長年の経験の賜物だろうか。ゆえに、中学生以降の昼の弁当は常に自前だ。最近ではレパートリーを増やすため、料理の本を購入することもしばしばである。


 

 そんなナツメが用意する弁当であるから、決して不味いはずはないのだが...サツキはというと



 ブンブンブンブン!!



 超高速で涙目になりながらいやいやと首を左右に振る。

 それはもう...必死になって、お弁当に入れても食べない!という意思を込めて。



 「そんなんじゃいつまで経っても大きくならないぞ」



 そんなトマトが嫌いなサツキの反応を見ると、ナツメは意地悪っぽく言う。


 それに対抗するかのごとく、サツキは自分のふくよかな胸を強調するかのようにエッヘンと胸を張って見せた。

 

 ナツメはそれを「あー、はいはい」と軽く流し、弁当つくりに励む。それを見たナツメの脳裏に今朝の感触を思い出したことは言うまでもないだろう。


 その後、弁当作りを終え、一通りの身支度を終えたナツメは玄関でサツキを待っていた。


 そしてしばらくしてから、とてとてと軽い足取りで中学校の制服に身を包んだサツキがやってきた。



 「お弁当もってきたか?」

 (こくり)


 「ハンカチ、テッシュは持ってきたか?」

 (こくり)


 「スケッチブックは?」

 (...!!)


 

 サツキは脱兎のごとく自分の部屋へと走っていった。


 

 「ったく...そそっかしいなぁ。けどもうあれから4年が経つのか...」



 4年前、当時おれが中学生に上がったばかりの頃だった。


 仕事で年中忙しい両親の休みがたまたま合ったことで、たまにはリフレッシュしようという母の意見により、一家揃って旅行に行くことになった。


 その日はあいにくの雨で、大雨・雷警報もでていた。


 しかし、せっかくの旅行ということだったので中止にすることもなく、父の運転により車を走らせた。


 旅行先でどんなものが欲しいとか、なにをしたいとか、小学生だったサツキは大いに喜びワクワクしていた。もちろん中学生だったおれも、サツキほどではないにしろ、心は躍っていた。


 

 「けっこう振ってきたなー」


 「そうねぇ...注意報もでていたし、少しゆっくり行きましょうか」


 「そうだな。事故でもしたらせっかくの旅行が台無しだもんな」



 両親がそんな会話をしていても、後部座席ではしゃいでいるナツメとサツキは気にもしなかった。


 楽しいはずの旅行が、最悪の旅行となるとは露ほどにも思わずに。


 それからしばらく車を走らせ、大通りの信号で信号待ちをしていた。


 

 「ねぇねぇ、お母さん。私ね、いっちゃんのお土産にくまさんのぬいぐるみ買うの!」


 「あらあら、まぁ。いっちゃんも喜ぶでしょうね」


 「うんっ!」


 

 母さんとサツキがそんな他愛もない話をしていたところに



 ―ズゥガアアアアアアン!!!



 後方から凄まじい衝撃が一家の車を襲った。



 「うおっ!?」 

 「キャー!」

 「ッッ!?」

 「キャー!!!!」



 後方から追突されたらしく、その衝撃により、前方へと車は進み...そして



 ブゥウウウウウウウウウ!!!!!!


  

 盛大にクラクションを鳴らしながら、右から走行してきた重量ダンプに車の前方が巻き込まれた。



 その事故のあと、すぐさま救急車がかけつけ、おれを含めた家族4人が病院に搬送されたが、運転席と助手席に座っていた両親は病院で死亡が確認された。

 

 後部座席に座っていたおれとサツキは重症だったものの、命に別状はなかった。


 だが、サツキは両親を失った精神的負担から発声することができなくなり、4年経ったいまでもそれは変わらない。

 

 楽しい旅行になるはずが、両親の死をもって最悪の日になったのだ。その精神的負担というのは考えるまでもない。


 おれの場合は、精神的負担こそはあったものの、両親がいなくなった今でこそ、自分がここで折れてしまってはダメだという気持ちから、どうにか自我を保つことができた。


 それからというもの、サツキは意思疎通のため、スケッチブックかホワイトボードを使用しているが、さっき聞いたのはそのためだ。

 一度は手話を勧めたが、首を左右に振り、頑なに学ぼうとはしなかった。どうやら、意地でもまた話せるようになる、とのことのようだ。


 また、少しずつではあるが、サツキの考えというものもわかってきた。

 家のなかではスケッチブックもホワイトボードも常備はしておらず、基本的にアイコンタクト。そしてジェスチャーでやりすごす。


 

 そんなことをナツメは思い返していると、またとてとてと可愛らしい足取りがきこえてきた。



 サツキは脇にスケッチブックを抱えると、顔の前で手のひらを合わせ可愛らしく小首を傾げて

 (ゴメンね?...)

 とジェスチャーをした。



 「いいよ。それより少し遅れているから、早足で向かうぞ」

 (こくり)



 ナツメに促されて、サツキは軽く頷くと二人は家を後にした。


 ナツメとサツキの学び舎は敷地が違うだけで隣接しており、所謂エスカレータ式の学校で、中等部を卒業すれば、自動的に高等部へ進学することができる。

 本人が他高を希望すればもちろん転校は可能であり、ひとつの道しるべに過ぎない。


 ナツメは特に他校を希望することはなく、そのままエスカレーター式に倣い、高等部へと進学した。


 

 「始業式っていうのは、眠たいよな...特にすることもなく、ただひたすらに呪文を聞き流す単純作業というのは、暇でしょうがない」


 (お兄ちゃんらしいね)


 「そうか?具体的にどのあたりが」


 (呪文とか、作業とか)


 「そういわれると...そうなのかな」



 ナツメは天を仰ぎながら一度大きく欠伸をし目をごしごしと擦る。


 

 (また遅くまで読んでたの?)


 「あぁ...きりがいい所まで読んでたら深夜になってた」


 (春休みはもう終わりだよ)


 「わかってるよ」



 本というのは鹿波かなみ家にある書斎に山積みになっている本のことを指している。

 ナツメは日ごろから読書に励んでおり、歴史書を始め、雑学や文学、小説(ライトノベ含む)などなど多種多様な読書をしている。先に励むと表したが、正確には暇さえあれば本を読んでいるだけだ。


 料理の本もその例にもれず、レパートリーを増やすという目的は変わらずとも、暇だからという理由も変わらずである。


 図書室の本はすべて読破してしまい、すべての本の貸し出し簿に「鹿波ナツメ」という名前が記されている。


 ただ、ナツメにとって読書とは暇をつぶすための作業ということで、趣味の一環であるわけではない。ゆえに、作者、制作会社、物語、シリーズにこだわりはなく、本さえあれば片っ端から読んでいるだけである。

 

 しかし、いくら暇つぶしのためとはいえ、知識はしっかりとナツメの頭の中に貯蓄されていた。

 記憶力だけは誰にも負けない。それはナツメの数少ない長所であり、ナツメの自慢である。


 先ほどサツキが述べた「お兄ちゃんらしい」とは、本の虫ということからそう思ったのだろう。


 一方のサツキはというと、ナツメと二人きりの時間は多く、ナツメほどではないが、たまに読書をして時間を過ごすこともある。

 

 当初は自由な時間を読書に充てるのは勿体無いという考えもあったが、ナツメが薦めた本を一冊手にとって読んでみたところ見事にはまってしまい、そのまま本を好きになり、今に至る。

 サツキはナツメと違い、作者によって選別して本を読んでおり、自分の好みに合う本をチョイスしていた。


 

 (最近面白い本あった?)


 「いや、ないな。そもそも本を面白いと思ったことはないからな」


 (それもお兄ちゃんらしいね)


 「なんでもかんでも、おれらしいって.....そういえば、この前新しい本屋ができたから、帰りに寄ってくるよ」


 (私もいくー)



 サツキはそうスケッチブックに書くと、右手を上げてぴょんぴょんと跳ねた。

きれいなブラウン色の束ねられた髪が朝日に反射してきれいに波打つ。

 それに伴い、前の凶器も上に下にぷるんぷるんと...


 

 「あー、はいはい。好きにしろ」



 ナツメは、見てない見てない、おれは何も見ていない。と、サツキから少し目をそらし片手でひらひらと促した。



 そんな他愛もない話をしながら、ナツメとサツキは学校を目指し、早足で向かった。

  


 

 




 


 


 

はぁはぁ....結局ぐだぐだになってしまいました。

1話書くのに4時間もかかってしまった...。


そして、見返し、訂正に2時間...。


だがしかし!

一度書いてしまったものはしょうがない。

週1でも更新して、ちゃんと簡潔させねば!


その前にちゃんと熱を治します。


1話5000文字程度で記載していきます!

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