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夢
完全オリジナル小説初投稿。
ナツメは夢をみていた。
それはとても懐かしくも愛おしくも感じられた。
きれいな街並みが一望できる高台で
小さな女の子と2人で見下ろしている夢。
2人は揃って口にする。
それは―
とてもとても遠くへ行ってしまった友人を思うように
もう二度と会うことのできない両親を思うように
自分の人生の道しるべを示してくれた恩師を思うように
唯一の兄妹にして残された唯一の家族である妹を思うように
そして――
世界という壁を超え、一切の繋がりを持つことを許されなくなった愛しい人を思うように
その言葉を脳の覚醒とともに紡ぐ
「―――――――また、君に会いたい」
気長にお付き合いください。