第1話 思い出はいつだって眩しく輝いている。
若き天才魔法使いのハロの修行時代の思い出。
思い出はいつだって眩しく輝いている。本物であるかどうかは関係がなくて、たとえばそれが、にせものの輝きだったとしても。
本当に強い人はあんまり強い人には見えない。強さを誇ることをすることがないから。強いからいつものほほんとしていられるから。強いから、あんまりみんなに興味を持っていないから。それから、……。強い人はいつもひとりだから。強い人は、その強さを手に入れたわけがあるから。代償があって、目的があって、そして、運命があるから。
だから本当に強い人は強い人には見えない。そしてある日、ふと目の前からいなくなってしまうのだ。強い人はいつだって、どこかでじっとしていたりはしないから。その綺麗な瞳には私のみている世界とは、違う世界が見えているから。
若き天才たちの集まる歴史ある大きな世界一の魔法学校の神樹にて。
大きな宮殿の中が騒がしい。それはとても珍しいことだった。こんなに騒いでいたら先生たちに怒られてしまうだろう。そんなことをみんながなんのわけもなくするはずもなかった。なにがあったんだろう。
「あ、おはよう。ハロ」
「おはよう。フィー。なにかあったの?」
「あったよ。あった。決闘だって。ハロ。ほら、なにしてるの。見に行こうよ」
フィーはとっても楽しそうな顔をしていた。
誰かの決闘なんてみても面白いはずもないのにな。
そんなことを思っていたのだけど、手をつかまれて、一緒に朝から大きな大きな魔法学校の白い石の廊下を走ることになった。(丸みのある白い壁には二人の大きな黒い影があった)
決闘の場所は魔法学校の円形の中庭だった。中庭には決闘を見るために集まった純白と亜麻色のりぼんの魔法学校の制服を着ている生徒たちがたくさんいた。
その中心には二人の魔法学校の生徒がいる。その顔を見ただけで、みんなが誰だかわかるくらい、とても有名な世界中から天才たちが集まっている『神樹』と呼ばれる魔法学校の中でも、天才として有名なおそらくは実力で一番と二番の魔法使いの二人だった。




