表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/22

第1章 現実からー。そして仮想世界へ

ゲームが好きな人に読んでもらいたいそんな未来のゲームを想像しながら書きました。

AIさんに添削、アドバイスを貰いながら書いてます。AIの編集者さんが付いているようで中々これが面白いです。自分の語彙力が無く、誤字脱字があるかもしれません。お試しにどうぞ!

サンドバッグが揺れる。

 乾いた音が、ジムの空気を叩くたびに跳ね返ってきた。


 迅は距離を取り、拳を構え直す。

 呼吸は落ち着いている。肩に余計な力は入っていない。

 彼が見ているのは、相手の動きそのものだった。


 踏み込みの癖。

 肩が沈む角度。

 重心が前へ流れる、ほんのわずかな兆し。


 考える前に、身体が反応する。


 相手の拳が伸び切る――その刹那。

 迅の右が、最短距離を走った。


 乾いた衝撃音。

 確かに、当たった感触。


 だが次の瞬間、体勢を崩され、反撃を受けて試合は終わる。


 勝てなかった。

 身体が感覚に追いついていない。

 それでも、胸の奥に消えない感覚が残っていた。


 ――今の一瞬。


 ほんの刹那。

 だが、確かに何かが噛み合った。


 迅は立ち上がり、無言でグローブを外した。

「おい迅!体力さっさと戻せ

そんなんじゃいつまでも勝てねぇぞ!」

「はい…」

 悔しさよりも、自分の内側に芽生えた“違和感”の正体が気になっていた。


 それが何なのか、まだ言葉にはできない。


---


 世界が変わったのは、ほんの数か月前のことだ。


 大手ゲーム会社が、新たな仕様を打ち出した。


 **眼鏡型VRデバイスによる、現実同期型ゲーム。**


 コントローラーは存在しない。

 操作は直感的で、装着者の脳波や神経信号を直接読み取る。


 レンズ両端に搭載された小型ユニットが、

 反射神経、空間把握、間合い感覚――

 さらには無意識の癖までも解析し、

 VR空間のアバターへと反映させる。


 現実の身体が、そのまま操作コントローラーになる世界。


 革新的だと称賛される一方で、既存のゲーマーやゲームをしない者からの反発も少なくなかった。


 迅の周囲でも同じだった。


 ボクシングジムのトレーナーは、仮想世界やゲームに時間を費やすのではなく、現実の鍛錬こそがすべてだと言った。

 ジム仲間も初めは面白がったが次第に遊びに時間を割く余裕はないと距離を置いた。


 同じボクシング部に所属する幼馴染の紗良も、何も言わなかった。

 ただ、迅がゲームの話題に触れるたび、

 ほんの一瞬だけ視線を逸らす。


 迅は、それを深く考えないようにしていた。


---


 夜。


 シャワーを浴び終え、ベッドに腰を下ろした迅のスマホが震える。


 通知を開いた。


> やっほー

> ゲームしてる?

> 私も新作買ったぜ( ・´ー・`)どや


 送り主は、もう1人の幼馴染の美咲からだった。


 小学生の頃からの幼馴染。

 最近はあまり会っていなかったが、

 ゲームの話題になると、なぜかこうして連絡が来る。


 迅は少し迷ってから、短く返す。


> さっき入れたところ

> まだ全然分からない


 数秒後。


> まじか

> じゃあホスト立てるから来なさい

> 初心者歓迎(逃げ不可)


 「逃げ不可」という文言に小さく息を吐き、

 迅は眼鏡型のVRデバイスを手に取った。


---


 視界が暗転し、次の瞬間、無機質なアリーナが広がる。


 迅のアバターは初期テンプレートだった。

 簡素な装甲の人型モデル。

 武器は片手剣と盾。

 特徴も個性もない、基本のアバターである。


 そこへ、美咲のアバターが現れる。


 派手な装飾はない。

 だが、一目で“慣れている”と分かる。


 数秒の沈黙。


 そして、美咲が動きを止めた。


「……ちょっと待って」


 一拍置いて、続ける。


「迅、そのアバター……それで来たの?」


 迅は頷いた。


「最初からこれだったけど」


「……正気?」


 信じられないものを見るような声だった。


 美咲は迅のアバターの周りを一周し、

 頭から足先までをじっと観察する。


「いやー……テンプレはさすがに面白くないよ」


 そう言うと、即座にシステムメニューを開く。


「ちょっと待って。今から作る」


「作る?」


「アバター」


 即答だった。


 数値をいじり、フレーム構造を組み替え、

 用途を“カウンター特化”へと振り切る。


 紫色のラインが走る、アンドロイド型モデル。


 無駄のないシルエット。

 瞬発力を最大限に引き出す設計。


 名前入力欄で、美咲は一瞬だけ迷い、

 それから打ち込んだ。


 《紫電》


「はい、プレゼント」


 あまりにも軽い言い方だった。


「迅向き。ボクシングやってるからカウンターとか似合うんじゃない笑」


 迅は戸惑いながらも、アバターを切り替える。


 紫電は、迅の身長と体格を基準に作られていた。

 視線の高さも、現実とほとんど変わらない。


 走る。

 拳を振る。


 ――速い。


 思った通りに、身体が動く。


「……武器は?」


 身体を伸ばしながら訊ねると、

 美咲は当然のように答えた。


「拳だけど」


「……は?」


 一瞬、言葉を失う。


 相手が武器を持っている中で、素手――

 常識的に考えて、無茶だ。


「言っとくけど、格闘キャラはかなりTier高いよ。

 負けたら、迅の才能がないだけだからね〜」


 軽口。

 だが、その裏に確信が滲んでいた。


 才能がないの一言に迅はわずかに静かに、闘志を燃やす。


「……やってみる」


「うん。軽くね」


 美咲はトレーニングモードに設定を切り替えた。


 目の前に現れたのは、

 先ほど迅が使っていた片手剣使いのアバターだった。

 迅は息を整え、拳を構える。

 重心はわずかに低く、それでいて身体は軽くー。


 いつものボクシングスタイル。


 迅のアバター――紫電が、それに呼応するように淡く光る。

 装甲に走る紫のラインが、雷のように明滅した。


「へ〜、様になってんじゃん。さすが私♪」


 美咲は自画自賛しながら、少し後ろで見守っている。


 向かいのアバターが動いた。


 正面に盾を構え、片手剣を振るう構え。

 守りと攻めが一体になった、隙のない初動。


 迅は反射的に後方へ跳ぶ。


 ――速い。


 相手は間を詰め、連続して斬撃を繰り出してくる。

 剣閃が迫り、すんでのところで躱す。


(リーチが違いすぎるだろ……!)


「こらー、逃げんな〜!

 それじゃ練習になんないでしょ〜」


 美咲の軽口に、迅は思わず顔を歪める。


(そんなこと言ったって……)


 懐には盾がある。

 前に出れば、即座に弾かれる。


(全然、隙がないんだよ!)


「じゃあ、盾のないとこ叩けばいいんだよ〜」


(無茶言うな!)


 やり取りなどお構いなしに、敵アバターは攻撃を続けてくる。


 迅は集中する。


 どこか――

 どこかに、攻撃できる“点”はないのか。


 片手剣の剣先が迫る。


 次の瞬間。


 ――バァン!!


 音が弾けた。


 無意識だった。


 紫電の鉄の拳が、

 片手剣を握る敵アバターの手首を正確に捉える。


 剣の軌道が逸れ、

 刃は地面に突き刺さった。


(今――!)


 迅は、迷わず踏み込む。


 敵アバターは盾を振り抜き、こちらを吹き飛ばそうとする。

 体勢を立て直すための動作。


 だが、その一瞬。


 盾の影から、ボディがわずかに露出した。


 ――カウンター。


 紫電の拳が、閃光のように腹部を貫く。


 攻撃を受けながらも敵アバターがなおも振り払おうとする。

 迅はそれを躱し、さらに加速した。


(速い……!)


 紫電の胸部にあるコアが、淡く輝きを増していく。


 ジャブ。

 フック。


 カウンターの応酬に、敵アバターが明らかに怯んだ。


〈スキル使用可能〉


 紫電のデバイスが、静かに告げる。


 敵アバターは盾を捨て、

 両手で片手剣を握り直す。


 真上から、渾身の振り下ろし。


 その瞬間―


 雷鳴のような音。


 カウンターが、敵アバターの顎を正確に打ち抜いた。


 渾身のアッパー。

 敵アバターの身体が宙に浮く。


〈KILL〉


 アリーナに、無機質な表示が浮かび上がった。


「……はー」


 美咲は、思わず息を漏らす。


「想像以上……」


 立ち尽くす紫電を、

 感心したように、そして少しだけ警戒するように見つめる。


「やー、お疲れさま!」


 美咲が軽く手を振る。


「めっちゃ使いこなしてるじゃん〜。

 やっぱ体の使い方、上手いね!」


 操作ログを確認しながら、素直に褒める。


 迅は紫電の胸部――淡く光るコアを、指でコツコツと叩いた。


「なあ。

 カウンター決めた瞬間、急に速くなったんだけど。

 あれ、どういう仕組みだ?」


「あ、それね」


 美咲は楽しそうに言う。


「この前手に入ったレアパーツ。

 《反逆の坩堝》って名前」


 画面に簡易ウィンドウが表示される。


「相手の攻撃に対して反撃を成功させると、

 反撃の威力と装着者の素早さが上がるパーツだよ」


「レアパーツって……」


 迅は思わず言葉を詰まらせる。


「いいのかよ。俺が貰っちゃって」


「いいよー。あげるあげる」


 あっさり言い切る。


「ていうか、そのパーツ、デメリットもあってさー」


 美咲は肩をすくめた。


「カウンター失敗すると、

 せっかく溜めたバフが全部消えるんだよね〜」


「……なるほど」


「ピーキーすぎて、私には無理!」


 笑いながら言うが、本音だろう。


「そっか」


 迅は少し考えてから、頷いた。


「なら、貰っとく。ありがとう」


 礼を言うと、美咲は「ニシシ」と悪戯っぽく笑った。


「で? どうだった?」


 一歩近づいて、訊ねる。


「紫電の使い心地」


「……体は軽いし、踏ん張りも利く」


 迅は言葉を選びながら答える。


「動かしてて、すごくしっくり来る……と思う」


「でしょ?」


 美咲は満足そうに頷く。


「紫電のパーツは、

 俊敏性と機動性重視で固めてるからね〜」


「その分、近接タイプにしては耐久力に難ありだけど」


 さらりと続ける。


「武装が格闘だと筋力補正が入るから、

 ある程度なら正面からでも殴り合えるよ!」


 ――あの一瞬で、そこまで調整したのか。


 迅は驚きを通り越して、少し呆れた。


「さて」


 美咲が手を叩く。


「新アバターの調整も終わったし」


 にっと笑って、言う。


「さっそく外に出てみよっか」


 一瞬の間。


「――バトル・シティ・オブ・スペース」


 誇らしげに。


「通称、**bs**の世界へ!」


章を読みやすくする為分けている最中です、途中で途中読んでいる方がいたらごめんなさい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ