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亡霊の隊列  作者: 霧狼
第1章:『亡霊は鉄の風に舞う』

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閑話02:亡霊の再起 ― 遥かなる双子星への航路 ―

 「異世界」――そう呼ばれる場所は、決して幻想ではない。 中央恒星ヘリオスを挟んで、母星シミュラクラのちょうど真反対(対蹠点)に位置する第3惑星『アステリア』。数億年前、巨大彗星が衝突したか否かという、たった一つの運命の分岐が、二つの星を分かちがたく変貌させた。


 鉄と硝煙に塗れた高度な機械文明を築いたシミュラクラに対し、アステリアは**「恐竜が独自の進化を遂げ、支配を続ける世界」**となった。ブルーチップが発する未知の信号は、この双子星から届く、失われた進化の系譜への招待状である。


 この「異世界への入り口」と呼ばれている場所は、物理的な門ではなく、そら浮かぶ二つの月にそれぞれある、第3惑星を目指す巨大高速連絡艦が発着する宇宙港を指す。


■ 母星シミュラクラ:三つの大陸

 中央大陸『メセタ』 資源と工場が密集し、数十年間にわたり両軍の血が流れ続けている紛争地帯。ロウたちが死線を潜り抜けた工場地帯も、この大陸の辺境にある。


 東方大陸『ガレリア』 アイゼン・ガルド統合帝国の本国。地下深くまで掘り進められた巨大な要塞都市が連なり、絶え間なくLCランド・コンダクターを生産し続けている。ロウ、ニビ、キーヨがかつて忠誠を誓い、そして切り捨てられた「故郷」でもある。


西方大陸『エリュシオン』 ネオ・シオン技術連邦の本国。無数のアンテナ塔とデータセンターが立ち並び、高度な電子ネットワークがすべてを支配する技術大陸。


■ 航路:死地から宙へ

 三人の亡霊が選んだ道は、絶望的な強行軍だった。 彼らはまず、追っ手がひしめく敵地、アイゼン・ガルドの本拠地である東方大陸ガレリアへと向かう。そこから軍の厳重な警戒を潜り抜け、第1衛星**『ルナ・カノン』**へと昇らなければならない。

 

軍事衛星ルナ・カノンから、太陽の裏側にある異世界アステリアまでは、高速連絡艦をもってしても**「1週間」**。 民間からの出資で運営される官民合同の定期便に身を隠し、彼らは失った過去と、未知の未来が交差する宙へと、その身を投じる。


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